エンデューロレーサー内山裕太郎が指南

安全&楽しい林道ソロツーリングの心得〈心構え|ルーティング|装備編〉

ソロツーリングの心得

オフロードマシンライダーなら林道ツーリングに行きたくなるものだが、ひとりで行く場合、様々な危険と隣り合わせになることも多い。『オフロードマシン ゴー・ライド』の連載でおなじみ、プロライダーの内山ユータロー先生が、林道ソロツーリングの心構え、事前準備や装備など、安全に楽しむための心得を指南。今回は危険に対する心構えと装備について解説する。


●文/まとめ:ゴー・ライド編集部 ●写真:関野温 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

【右:内山祐太郎】ゴーライド連載「チビテク」でおなじみのユータロー先生。中学時代はマウンテンバイク、高校で二輪免許取得後はトレールマシンで林道ツーリングを楽しんでいた林道の申し子。その後、エンデューロに参戦し、各地のレースで優勝。日本代表としてISDEに5回参戦している。【左:コイ】林道を愛し林道に愛されたい、好奇心と衝動に隷属するゴー・ライド副編集長。今はオフ車に乗ることと林道に夢中。石橋を叩きまくった後に叩いていないところに飛び込む生き物。

「最初のモデルに比べ大幅に乗りやすく、しっかりとオフロードマシンになっています。低速のトルクが扱いやすく、ゆっくりなスピードでも走れ、滑る路面でもエンジンのパワーがそのまま路面に伝わっていました。林道間をつなぐワインディングも、パワーあるエンジンでスムーズに快適に走れます。上級者が乗ってもいろいろなライディングに対応し、フロントアップからアクセルターンなど非常に扱いやすいです。ビギナーや女の子にも乗りやすいマシンですよ」(ユータロー)

HONDA CRF250L

【HONDA CRF250L】主要諸元 ■全長2195 全幅815 全高1195 軸距1445 シート高875(各mm) 車重144kg ■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 249cc 24ps/8500rpm 2.3kgf・m/6750rpm 変速機6段 燃料タンク容量7.8L ■タイヤサイズF=3.00-21 51P R=120/80-18M/C ●色:エクストリームレッド ブラック ●価格:50万7100円

いざソロ林道へ! …の前にソロ林道のアレコレを知ろう

ソロツーリングのメリットとデメリット

オフロードマシンを手に入れ、林道を走れるようになると、心に浮かび上がる憧れ……自由の象徴「林道ソロツーリング」。はたまた林道には行きたいが、仲間と休みが合わなかったり近くにオフ車仲間がいなく、やむなくソロで行くしかない「林道ソロツーリング」。

覚えたてのオフ車でいきなり初めて林道へ行くのに、ソロという人はめったにいないだろう。たいていは仲間やショップツーリングで林道走行の洗礼を受け、林道を知るはずだ。

そのうえで、今回林道ソロツーリングの心得をユータロー先生に指南していただくにあたり、心にしっかり刻んでおいてほしいことがある。それは「林道ツーリング」と「林道ソロツーリング」は別モノであるということ。

楽しさにおいては、オフロードマシンで林道を楽しむということ以外も、質は違えど人それぞれの楽しみ方があるだろう。だが危険性に関してはまったく別で、死の危険レベルに至るまでの容易さが、ゾッとするほど違うのだ。しかもそれが初心者/ベテランにかかわらず誰しにも起こりうる。

そのことをしっかり踏まえて、ユータロー先生の心得で万全の状態を作り、林道ソロツーリングを安全に心ゆくまで楽しみ尽くしてほしい!

心得その1:ルーティングには余裕を持たせるべし

林道走行だけに気をつけるのではなく、出発から帰宅まで無事に走行することが大切。自由に伸び伸びと気の向くまま走りながらも、命にかかわる重要ポイントは守り、林道ソロツーリングを楽しみたい。とくに初心者は、体力配分や時間配分への配慮が甘くなりがちなので、走行距離や走行時間は少なめに設定し、体力に余裕を感じるルーティングを心がけよう。

ルーティングのポイント

ソロだとつい夢中になってしまい、自分の体力が続く限り「まだ行こうまだ行ける」となりがち。ベテランライダーだと道なき道へ分け入ることもあり、より一層注意が必要。かく言うユータロー先生も何度かヒヤリとする経験があったという。林道に慣れてきた頃も無茶をしがちなので、休憩をしっかり取るなど体力配分と時間配分に気をつけよう。

心得その2:トラブルを想定した装備を揃えよう

山深い林道走行では、万が一の負傷時に救急車も呼べず、運よく電波が通じ救助要請できても、すぐに助けが来るとは限らない。最悪その場で数日間待ち続ける可能性も。必要最低限で幅広い事態に対応できる装備は必須。

ここで紹介するのはコイの私物。挙げた項目や用途を参考にして、自分の好みで選んだソロ林道装備を作り上げよう。

装備一覧

【1】雨具 【2】インナー(防寒着) 【3】湯沸かしギア:あると楽しめる&温まる 【4】ファーストエイド 【5】マルチパーパスツール:軽量で便利な工具ツール 【6】モバイルバッテリー:太陽光発電もできるモバイルバッテリー兼ライト 【7】LED非常信号灯 【8】ツーリングマップルや山地図など:最後の助けはアナログ! 【9】虫よけローション:ダート走行で怖いマダニにも効く! 【10】エマージェンシーシート

ファーストエイド

ファーストエイドキットとして三角巾、テーピング、痛み止め各種、絆創膏、ポイズンリムーバー、ダクトテープ。

マルチパーパスツール

ユータロー先生も愛用するMotion Proのマルチパーパスツール。軽量&手のひらサイズながらしっかりとした作り。

LEDエマージェンシーライト

風魔+1セレクトのLEDエマージェンシーライト。マグネットでマシンに装着可能。一発で緊急事態と知らせられる。

エマージェンシーシェルターキット

SOLのエマージェンシーシェルターキット。エマージェンシーシートやタープ、チェルトなどさまざまな用途に使用可。

食料や飲料

水分&行動食。ソロだと無心でダート走行に集中しやすいので、突然のエネルギー切れに注意したい。

スマホやJAF、小銭

スマホなどの連絡手段、JAFカードなどのロードサービス使用に必要なメンバーカード、小銭。

エンデューロライダー・内山ユータロー先生による、安全&楽しい林道ソロツーリングの心得。次ページでは適切なライポジ、マシンの事前整備、ストレッチ、入山報告の必要性について解説する。

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