バイクいじりの専門誌『モトメカニック』がオススメする”上手近道”な工具あれこれ。今回は数あるハンドツールの中で、ソケットレンチに特化して存在感をアピールし続けているの山下工業研究所(コーケン)の「Z-EAL」を紹介する。日本国内はもちろん、海外でも有名なコーケンは、基本設計を磨き上げた逸品で新時代を切り拓く。
※取材協力:Ko-ken コーケン|山下工業研究所 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ソケットレンチ専門メーカーの技術とノウハウの結晶=「Z-EAL」
どんな製品でも、万国共通で必要充分なレベルを満たすには一定の基準が必要だ。ソケットレンチは差込角の寸法が世界共通だからこそ、メーカーを超えた組み合わせが可能となる。しかし基準に縛られすぎると、新しい価値が生まれにくくなるというジレンマも生じてしまう。
そうした中、ソケットレンチ専門メーカーのコーケンは「Z -EAL」を開発。小型化した機械部品に対するため、ラチェットハンドルやソケットのコンパクト化を徹底。さらにソケットレンチに付きものの”ガタ”を排除するため、ソケット差込部の凹部と六角部の公差を、既存の工業規格より厳しく設定している。加えて、ラチェットハンドル凸部のボールが収まるソケット凹部のディンプル形状まで新設計することで、驚くほど一体感が高く遊びが少ないのがZ-EALの特長だ。
スペックを見る限りそれほど驚きのない36歯のラチェットギアも、コーケンが一貫して重視する空転トルクの軽さにより、ボルトナットが緩んでハンドルが十分に振れない空間でもラチェットが機能する。そのため最初から最後までラチェットレンチだけで作業が可能になる。
プレミアムではなく、新たなスタンダードと位置づけられたZ-EALは、ソケットレンチ専門メーカーの技術とノウハウの結晶なのだ。
滑らかな回転と耐荷重性を両立する六面式ジョイント
Z-EALのユニバーサルジョイントは一般的なピンタイプではなく、ボールポイント式六角レンチの先端のような六面体の球が組み込まれている。このおかげで傾いた状態でも滑らかに回転し、ジョイント部に加わる荷重を6点で分散するので耐荷重性も向上する。
油分が付着しても滑りづらく抜けづらいエラストマーグリップのラチェットハンドルは、全長わずか114mm。ソケット外径も小さいので、クイックスピンナーを併用すると早回しに便利。
コンパクト化によって狭い場所での利便性を向上
14mmのソケット同士を比べると、汎用品に対してZ-EALは全高で7mm、直径は1.5mm小さく仕上がっている。ほんの僅かの違いと感じるかもしれないが、これも新たなスタンダードへの挑戦である。
ラチェットハンドルの凸部に対してソケットの凹部が大きいから差し込めるのだが、Z-EALのソケットはISO/DINが定める公差より上限を詰めて製造することで凸部とのガタを少なくしている。ボールディンプル形状と相まって、ソケットが抜きづらく感じるほどカッチリとはまる。
小型化を追求したZ-EALと汎用品を比較すれば差は歴然。ラチェットハンドルのヘッド幅は2.5mm狭く、14mmのソケットを差し込んだ高さは7mmも低い。差込角、ソケットサイズが同じでこれだけの差があると、実際の作業現場でのパフォーマンスに大きな違いが生まれるはずだ。
金属クリップと柔らかい真鍮でデリケートなプラグをキャッチ
金属クリップの張力は、逆さまに吊したラチェットハンドルが落下しないほど強力で、プラグホールが深いエンジンでも確実に着脱できる。六角部の奥に圧入された真鍮製のガイドは、プラグネジ部の陶器製のガイシに衝撃を与えない役目がある。
14、16、20.8mmのスパークプラグソケットはコーケン独自のクリップ式。プラグの六角部をクリップのテンションでホールドすることで、金属粉が付着したり割れるリスクのあるマグネットが不要となり、電子機器への影響もないのが特長だ。
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