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『オフロードマシン ゴー・ライド』(偶数月6日発売)の人気コーナー「チビテクアドベンチャー」より、プライベートでビッグオフを楽しんでいるプロライダー・ユータロー先生こと内山裕太郎選手が、最近人気のアドベンチャーマシンのオフロードでの乗りかたをレクチャー。今回は基本的なテクニックとなるブレーキとターンの技術を解説する。
【内山 裕太郎】中学時代はマウンテンバイク、高校で二輪免許取得後はトレールマシンで林道ツーリングを楽しんでいた。その後、エンデューロに参戦し、各地のレースで優勝。日本代表としてISDEに5回参戦している。身長165cm。
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現在のアドベンチャーマシン人気の火付け役として、とくにヨーロッパで高く評価されているVストローム650。XTはスポークホイール仕様。「フラットな林道を走破し、舗装路ではパワフルで軽快な走りが楽しめます。アドベンチャーマシンとしてのバランスがすごくいいですね」と、ユータロー先生も高評価。
前回解説のおさらい
アドベンチャーマシンはウインドシールド、カウル、ビッグタンクを装着することが多く、250トレールよりもライディングポジションの自由度が少なくなっています。だから、無理にスタンディングせず、すぐに足を着けるシッティングでバランスをとるのがポイントでした。また、アドベンチャーマシンにはABS、トラクションコントロールといった電子デバイスが搭載され、ある程度マシンに任せた走りになります(前回の解説より)
小柄な体格ながら、オフロードマシンを自在にコントロール。数々のエンデューロで活躍してきたユータロー先生こと内山裕太郎選手。そのライテク講座「チビテク」がゴー・ライドに登場! 今回は最近人気のスズキVス[…]
…というところで、今回はダートでのブレーキング方法と、ターンの方法を練習していきましょう。ターンの最大のポイントは、アプローチ部分で自分が曲がれるスピードまで減速しておくことです。これは車種を問わずに当てはまることです。そのブレーキングでは、ABSをカットできたりできなかったりと、各アドベンチャーマシンで制動力の出かたも変わってきます。そうした特性を体感しつつ、いろいろな路面で練習していきましょう。
ABSを上手に使いこなすコツ
ABSが効くとタイヤがロックせず制動力が一定に発揮される代わりに、制動距離は長くなる。しかし、効いてしまえばだれでも同じ制動距離で停止でき、急ブレーキにならず、車体が振られにくくなるメリットもある。一方、ABSを効かさなければ制動力をフルに発揮でき、制動距離を短くできるが、そのブレーキコントロールは非常に繊細。だから、車重のあるアドベンチャーマシンにはABSが装備されるのだ。進入スピードを速くせず、下半身のホールドでマシンを直立させておけば、不意にABSが効いてもバランス修正できる。
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ターン時はマシンをなるべく傾けず、アクセルを全閉にしない!
前回の解説では、マシンから降りて押し歩きながら180°転回したが、それをマシンに乗って行なうのがターンだ。マシンに乗っても挙動は基本的に変わらず、傾けすぎると一気にバランスが崩れやすい。だからマシンはなるべく傾けずに、向きを変えていくことになる。
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【2】シッティングポジションなのは、イン側の足を出して、マシンを傾けるきっかけにするため。
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【4】ハンドルを切ると前進する力の抵抗になる(ブレーキをかけた状態に近い)ので、アクセル全閉だと、その抵抗でエンストしやすくなる。だから、アクセルは全閉にせず、エンストしない程度のアクセル開度をキープする。アクセル開けすぎはオーバーランになるので要注意だ。
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【6】マシンの向きが変わり、直立させたらアクセルを開けていく。ターンの最中にフロントブレーキをかけると急ブレーキになりやすい。だから、アプローチ部分でブレーキングを終えるのだ。
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【車重の軽い250トレールの場合】
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【D】一気にマシンの向きを変え、
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【F】マシンを立ててクリア。アクセルターンの要領で小回りもできるのだ。
マシンから降りてスイッチバック
オーバースピードなどでオーバーランしそうになったら、潔くマシンから降りてしまおう。マシンに乗ったまま方向転換するのは体力を浪費しやすく、立ちゴケの原因にもなるからだ。
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【b】そしてフロントブレーキをしっかりかける。上半身を使って両手でハンドルを押し込み、フロントサスを縮める。
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【d】 フロントサスの反動を使ってバック。マシンがバックし始めたら、ハンドルを切っていく。5 ハンドルを切ったままバック。
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【f】これで切り返せる。足場のいい所でマシンに乗ろう。
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