原点回帰 vs いまも生きる単車遺産

令和に買いたい!【外国車 大型ヘリテイジスポーツ-02】2019ニューモデル大集合 大集合#09

  • 2019/5/10

「遺産」「伝統」を意味するヘリテイジな外観に、スポーティな走りを融合したジャンル。欧州を中心に人気を博し、国産でも各メーカーの新作が相次いでいる。過去を蘇らせつつ現代のテクノロジーを注入したトライアンフやドゥカティ、そして今回のBMWなどに対し、そのまま地続きで現代に生き残ったバイクもある。ネオクラシックか、リアルクラシックか―――。

つまるところ、エンジン選び

ラップタイムを切り詰めることが大きなウエイトを占めるスーパースポーツなどと異なり、ライダーに思い思いの楽しみ方でバイクライフを送ってもらうようにと生まれてくるヘリテイジスポーツ。それゆえにエンジン型式はまさしく様々で、特に海外勢は鼓動感のある2気筒や単気筒に集約されつつも、空冷と水冷、2気筒ならは並列かV型か、はたまた水平対向か、さらにはクランクシャフトの向きまで、本当に自由である。

スポーティな味付けであったり、スクランブラーやカフェレーサーに作り分けたりはされているものの、その個性の核となるのはエンジンだ。車体に対するエンジンの支配力が大きい大排気量モデルであるほど、エンジン型式によって乗り味のかなりの部分が決定づけられる。だからこそ、どのようなクセを持ったエンジンなのか、そのエンジンに対してどのようなライディングポジションで関わることになるのかで、フィーリングに合う合わないがとても鮮明になるのだ。

空油冷水平対向2気筒を採用するBMWのRナインTシリーズは、横に寝かされたシリンダーゆえに低重心で安定感があり、それでいて縦置きクランクの特性からロール(左右への傾き)方向の反応は軽快だ。また、スロットルを開ければ後ろから見て反時計回りにクランクが加速し、その反力は車体を右に傾けようとする。スロットルを閉じれば逆の現象が起こる。このクセが病みつきになるか、煩わしく感じられるかは、乗り手の感性次第だ。

同様のクランクによるトルクリアクションはモトグッツィにもあるが、ここで紹介するV7系やV9系は排気量が中間的なクラスのため、クセは大きくなく、これを程好いと感じるライダーもいることだろう。

ハスクバーナの単気筒は、KTMゆずりのハイパワーシングルで、太いトルクと鋭い吹け上がり、そして軽量ゆえのハンドリングがライダーを刺激する。ロイヤルエンフィールドのトコトコ感のあるシングルエンジンとは対照的といえるだろう。同じくロイヤルエンフィールドが間もなく発売する空冷並列2気筒がどのようなフィーリングなのかも、楽しみでならない。1200ccのVツインを搭載するインディアンFTRも、同様にデビューが待たれる1台だ。

BMW Rナインティ・シリーズ:BMW伝統のボクサーツインをクラシカルなスタイルで味わう

1169㏄のボクサーツインを搭載するヘリテイジスポーツで、当初は往年のR90をモチーフとしたSTDから発売されたが、ロケットカウルを装備したレーサー、R80G/SイメージののアーバンG/S、スクランブラーなどバリエーションが充実するようになった。共通プラットフォームとなる車体はカスタムを前提として、シートフレームは脱着が容易な設計となっているのも特徴だ。’19で他のボクサーツインは可変バルブタイミング機構が採用されたが、Rナインティシリーズは未採用だ。

【BMW R nineT 2019】主要諸元■空油冷4スト水平対向2気筒DOHC4バルブ 1169cc 110ps/7750rpm 11.83kg-m/6000rpm 222kg 18L シート高805mm ●価格:205万8000円

シリーズ最初のモデルで、フロントには倒立フォークとブレンボのラジアルマウントキャリパー、リヤには片持ちスイングアームのパラレバーを採用する。グリップヒーターは’17から標準装備。トラクションコントロールはオプションとなっている。

指針式のスピードメーター&タコメーターを2連で装着し、クラシカルなイメージを尊重。それぞれの内部には液晶表示部を持っている。

[R nineT Pure]STDからフロントフォークを正立とし、各部の装飾もシンプルにして、車名どおりロードスターのピュアな部分を強調。価格も最もリーズナブル。●価格:173万6000円

[R nineT Scrambler]バリエーションモデルの第1弾として登場。フォークブーツを履いた正立フォーク、オフロードタイヤ、左2本出しのアップマフラーを持つ。●価格:188万7000円

[R nineT Urban G/S]往年の人気アドベンチャーR80G/Sのイメージを持つモデル。ライトバイザーやアップフェンダー、ワイヤースポークホイールで雰囲気満点だ。●価格:189万9000円

[R nineT Racer]ロケットカウルに低めのセパレートハンドル、後方に設定された着座位置で、カフェレーサーの雰囲気を多いに味わえるモデルとなっている。●価格:189万6000円

ハスクバーナ ヴィットピレン701/スヴァルトピレン701:シングルエンジンが弾けるモダンスポーツカフェレーサー

ヴィットピレン701は、ハスクバーナとグループ会社となるKTMの690デュークをベースに誕生したシングルエンジンのモダンクラシック。セパレートハンドルや高めで後方に位置するシートが与えられ、硬派なライディングフィールのマシンだ。ナンバープレートやリヤウインカーはスイングアームにマウント。兄弟車となるスヴァルトピレン701は、アップのバーハンドルやサイドにゼッケンカウルを装備したフラットトラッカーイメージの’19新型だ。

【HUSQVARNA SVARTPILEN 701 2019】主要諸元■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 692.7cc 75ps/85000rpm 7.34kg-m/6750rpm 158.5kg(半乾) 12L シート高835mm ●価格:135万5000円

灯火類はすべてLEDで、ヘッドライトのリムの周囲にはDRLも装備する。小ぶりなラウンド形状の液晶シングルメーターには、スピード、タコ、燃料計、時計、ギヤポジションといった必要な情報がしっかりと表示されるようになっている。

[VITPILEN 701]●価格:135万5000円

[VITPILEN 701 AERO]※コンセプトモデル

ロイヤルエンフィールド:新型攻勢に乗り出す世界最古のブランド

世界最古のバイクブランドとなるロイヤルエンフィールドは、英国本社が倒産した後もインドで生き残り、近年は独自の進化を始めている。クラシカルながらユーロ4に対応する新エンジンを持つモデルをラインナップするなど、開発力が高まるいっぽうだ。EICMA 2018では1938年に発売された高級車KXをモチーフとしたVツインのコンセプトKXを参考出品し、その完成度に欧州勢も驚かされた。また、市販用には最新の空冷270度クランク並列2気筒エンジンを搭載した650シリーズも登場し、日本でも間もなくの発売となる。

Royal_Enfield_KX_Concept

【Concept KX】※コンセプトモデル

[Classic 500 series]スプリングシートを持ち、1950年代英国車のイメージを今に伝えるメインモデル。兄弟車もあり。■空冷4スト単気筒 499cc 27.6ps 4.21kg-m 195kg(半乾) 13.5L シート高805mm ●78万9000円~

[Continental GT(535)]クラシックと同系の単気筒を持つカフェレーサー。ABSを装備し、ブレーキキャリパーはブレンボ。■空冷4スト単気筒 535cc 29.1ps 4.48kg-m 192kg(半乾) 13.5L シート高810mm ●88万9000円

[Continental GT 650]堀りの深いタンクに低いクリップオンハンドルでカフェレーサースタイルに。第1ロットの入荷は間もなくだ。■空冷4スト並列2気筒 648cc 47ps 5.30kg-m 198kg(半乾) 12.5L  シート高793mm ●価格:83万9000~88万9000円

[INT 650]コンチネンタルGT650と270度クランクの空油冷SOHCパラツインを共有する、1960年代英国産ロードスター風のニューモデル。車名の由来は、かつて存在したインターセプターが元だ。日本での発売は6月以降となりそう。■空冷4スト並列2気筒 648cc 47ps 5.30kg-m 202kg(半乾) 13.7L シート高804mm ●価格:82万9000~86万9000円

モトグッツィ V9シリーズ/V7Ⅲシリーズ:V9シリーズにスポーティなニューカマーが登場

縦置きVツインにこだわるモトグッツィは、排気量853ccのV9と744ccのV7Ⅲからなる2つのヘリテイジシリーズを展開。V9シリーズには、クラシカルなローマー、ボバースタイルのボバーに加え、’19では’20年代フラットトラックレースをモチーフとし、ファットタイヤとショートフェンダー、シングルシート、オーリンズ製リヤショックを身にまとったボバースポーツが追加された。いずれもABSやトラコン、コネクテッド機能といった先端技術も採用する。

【MOTO GUZZI V9 BOBBER SPORT 2019】主要諸元■空冷4ストV型2気筒OHV2バルブ 853cc 55ps/6250rpm 6.32kg-m/3000rpm 210kg 15L シート高785mm ●価格:131万7600円

[V9 ROMER]新しい850ccエンジンを搭載してV7シリーズの上に設定されたローマー。細部の仕上げも上質だ。●価格:124万8000円

V7Ⅲシリーズ

限定生産のカーボンをはじめ豊富なバリエーションモデルが揃う744ccのV7Ⅲシリーズでは、オーセンティックモデルのストーンに赤とグレーの新色が追加された。また、新登場したカスタムキットのコンセプトモデルとして、’70年代耐久レーサー風のファーストエンデュランストロフィーも発表されている。

[V7Ⅲ Stone]●価格:109万8000円

[V7Ⅲ Carbon]●価格:119万8000円

[V7Ⅲ Rough]●価格:115万5600円(2019年5月17日発売)

[V7Ⅲ Racer]●価格:139万8000円

[First Endurance Trophy]※欧州発表モデル

インディアン FTR1200/S:1200cc Vツインのマッスルトラッカー

米国インディアンモーターサイクルの最新モデル。アメリカ最高峰のAMERICAN FLAT TRACKレースシリーズでチャンピオンを獲得したFTR750をモチーフに誕生した。新開発の水冷Vツインをスイングアームまでトレリス設計となるフレームに搭載する。LEDヘッドライトやクルーズコントロールを採用するほか、上級版のSには専用のゴールドサスやリーンアングル検知型のトラコンやABS、パワーモード、コネクテッド機能付きのタッチスクリーン式メーターといった装備がこれでもかと充実している。

【INDIAN FTR1200S 2019】主要諸元■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1203cc 120ps/8250rpm 11.75kg-m/6000rpm 235kg 12.9L シート高840mm ●価格:209万9000円

FTR1200/Sは単にフラットトラックレーサーのスタイルに留まらず、豊富な純正カスタムパーツを用意して、もっとストリート側に寄せたり、ロングツーリング向けにしたりと幅広い世界を提案している。

[ツアー]

[スポーツ]

[ラリー]

[トラッカー]

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)