マシン・オブ・ザ・イヤー2018
来春には日本導入も!?

インディアンからフラットトラックレプリカ「FTR1200」登場

米インディアンから、自社のフラットトラックレーサー・FTR750を再現したストリートスポーツが発表された。従来、ラインナップはクルーザーだけだった同社だが、このFTR1200は日欧のネイキッドなどとも競合しそうな本格的ロードスポーツ。その詳細を見ていこう。

ワークスマシンのDNAを受け継ぐ

アメリカで最も人気のあるモータースポーツと言われるフラットトラックレース。そこで現在、最速のマシンがインディアンのワークスレーサー・FTR750だ。ハーレーXR750/XG750RやヤマハFZ-07(MT-07)、カワサキ・ニンジャ650といったライバルに対し、専用開発の53度水冷Vツインを武器に‘17/‘18年と全米選手権を連覇中。そのレプリカとして先のケルンショーで登場したのが、同社初のロードスポーツモデルとなるFTR1200だ。

前19、後18の大径ホイールが堂々たる車格を演出。183mmという最低地上高もロードスポーツとしてはかなり高めだ。ホイールベースは1524mm、シート高は840mmと発表される。

跳ね上がった2-1-2排気系が特徴的(オプションでアクラポヴィッチ製マフラーも用意)。リヤの1本サスも右側にレイアウトされる。キャスター角は26.3度、トレール量は130mmで、やや大きめの数値とされた後者にフラットトラッカーの血筋が覗く!?

個性的なデザインのLEDヘッドライト(写真はライトナセルを持つ上級仕様の1200S)と、スイングアームマウントとされたナンバーまわりが特徴の前後ビュー。マフラーの排気口はかなり上向きで、ライダーの耳にも近いことから、実際の音量以上にエキサイティングなサウンドが聞けるハズ。

右が同社のフラットトラックレーサー・FTR750。ワークスマシンだけに中身はほぼ別物だが、そのイメージは非常によく再現されている。FTR1200ほど本格的な市販フラットトラックレプリカは過去になかったはずだ。

エンジンは120hpを発揮する1203ccの水冷60度Vツイン・DOHC4バルブ。ベースとなっているのは自社のクルーザーモデル・スカウトの1133ccエンジンで、ボアを3mm拡大(99✕73.6mm→102✕73.6mm)することで+70ccを得た新開発ユニットだ。

そう聞くと「所詮クルーザーのエンジンだろ?」と思われるかもしれないが、94psを公称するスカウトはジャンルを超越した強烈な加速力が最大のウリ。そのエンジンの排気量をアップし、圧縮比を10.7→12.5へ大幅に高めて軽量クランクシャフトも採用するなどのチューニングが施されたFTR1200は、車重が約20kg軽い(標準グレードの装備重量は230kg)ことと併せてより強烈な加速を見せつけるハズだ。

また、電子制御式のスロットルはシングル→デュアル化されているが、このエアボックスを通常のタンク位置に配するため、燃料タンクはシート下に置かれているのも特徴。このレイアウトは低重心化とマスの集中にも寄与しているという。

低い回転からのパンチ力と柔軟性を両立するとアナウンスされるエンジン。ミッションは6段でクラッチにはアシスト&スリッパー機能も備える。エンジンカバーもマグネシウム製とするなど、その作り込みはとにかく鼻息が荒い。

通常の燃料タンク位置にあるのはダミーカバーで、内部には前方に向けて吸入口を2本突き出すエアクリーナーボックスが収まる。リヤショックをフレームからスイングアームへと繋がるライン上に置くレイアウトはスカウト譲り。

インディアン・スカウト(188万8000円〜)ロー&ロングな車体に94psを発揮する1133ccVツインを搭載、見かけを裏切る(?)豪快加速が自慢のクルーザー。FTR1200はこのエンジンをベースとするが、中身はほぼ新設計と言えそうだ。

ハイグレードな足と最先端の電子制御

フレームも新設計の鋼管トレリスフレームで、エンジンにもマウントを持つスイングアームもスチールパイプを組んだトラス構造とされる。リヤサスペンションは右サイド配置のリンクレス式モノショック。フロントには43mm径の倒立フォークを備え、ブレンボのモノブロックキャリパーをラジアルマウントする。

この足回りでFTR1200のキャラクターを決定付けるのは、前19インチ/後18インチの大径ホイールと、そこに装着されるタイヤだろう。前後サスペンションのトラベル量はロードスポーツとしてはやや長めの150mmで、多少のラフロードは厭わない、スクランブラー的な性格も持つと考えられる。さらに標準装備されるダンロップDT3-Rラジアルタイヤは、フラットトラックレース専用タイヤ・DT3をモチーフにダンロップと共同開発されたFTR1200専用品なのだ。

スイングアームはFTR750譲りの鋼管トラスタイプ。リヤホイールのリム幅は4.25インチで、タイヤサイスは150/80R18。専用開発のダンロップタイヤでフラットトラッカー感も満点!

工場にて組み立て中のFTR1200。エンジンの後部にスイングアームピボットが見える。

リンクレス式のリヤショックは、上級グレードのSではフルアジャスタブルとなり、ピギーバッグタイプのリザーバータンクも備わる(写真はS)。

フロントブレーキのディスク径は320mm径。3インチ幅のホイールに120/70R19サイズのタイヤを履く。

標準グレードに加え、より高級な足回りや装備を持つ上級グレードの「S」では、フルアジャスタブルの前後ショック(リヤショックもピギーバッグ型となる)やタッチパネル式カラー液晶メーター(標準車は指針式)、車体姿勢センサー・IMUからの情報を基に制御を行うトラクション/ウイリーコントロールやコーナリングABSを備え、エンジンを3モードに切り替え可能なライディングモード、さらにABSのOFFスイッチも持つ。クルーズコントロールやLEDヘッドライトは両グレードに標準だ。

ラバーマウントされるテーパータイプのアルミ製ハンドルは絞りの少ない形状。メーターもハンドルにマウントされる。

Sの4.3インチ・カラー液晶メーター。スマホの接続機能やUSB充電ポートも有し、見たところではライディングモード表示やギヤポジションに加え、コンパスやタイヤ空気圧の警告機能も持つ模様。レッドゾーンは8000rpmからとなっている。

こちらは標準車の指針式メーター。120km/hから上の目盛りが細かいのはスカウト譲り。液晶部にはエンジン回転も表示可能と思われる。

ヘッドライトはLEDが標準だが、S(右。左は標準グレード)はゼッケンプレートをイメージさせるライトナセルを装備。

テールランプもLED。発光部周辺をぐるりと導光管で取り囲む凝った形状だ。

トラッカーイメージを持たせつつ、タンデムにも対応させたシート。この下に12.9Lの燃料タンクが置かれ、タンクカバー後端に給油口が備わる。

先述したフラットトラックレースでの大活躍に加え、ヨーロッパのカスタムシーンへの積極的な関与など、ハーレー・ダビッドソンとは異なるカルチャーも身に着けつつあるインディアンは、欧米でのブランドイメージも急上昇中だという。日本での知名度はこれからだが、高性能ネイキッドやそれを基とするネオクラシックなどと直接比較できるFTR1200の登場により、その注目度は間違いなく高まるはずだ。日本導入は来春以降と目されるが、予約受注はまもなくスタートし、価格も近日発表予定。詳細はインディアンのWEBサイトを参照してほしい。

https://www.indianmotorcycle.co.jp/

カラーバリエーションはSが3色、STDが1色の計4色となる。

インディアンFTR1200S

インディアンFTR1200

インディアンFTR1200S

インディアンFTR1200・主要諸元【北米仕様】

マツ

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「西部警察」と「北の国から」をこよなく愛する本誌編集部員。NSR専門誌・PROSPECのほか、フリーペーパーとして復活を果たしたビッグマシン零(ゼロ)の編集長も兼任する。
■1975年生まれ
■愛車:HONDA NSR250R(1992)/HARLEY-DAVIDSON XL883(2009)

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