『ヤングマシン』のテスターとして、30年以上にわたりさまざまなバイクに試乗しまくってきた丸山 浩氏は、「30年間公道無転倒」という実績を持つ。その奇跡のヒミツを明かす本講座の第5回。動から静へと移り変わる「停止」操作は、ブレーキの難しさと相まってバランスを崩しやすい魔の領域だ。だが、打開策はヒジョーに簡単。いつでも両足が着けるようにするだけだ!
●文/まとめ:高橋剛 ●撮影:長谷川 徹 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
『ヤングマシン』のテスターとして、30年以上にわたりさまざまなバイクに試乗しまくってきた丸山 浩氏は、「30年間公道無転倒」という実績を持つ。その奇跡のヒミツを明かす本講座の第4回。極低速ライテクの山[…]
講師:丸山 浩(まるやま・ひろし)年齢を重ねるごとにどんどん元気になっていく本誌メインテスター。普段はレースやスポーツライテクで”カッコよさ”を魅せているが、今回はあえて封印。極低速で転ばないために必要とされる泥臭くて実直なテクニックを徹底披露する。
粗い操作、歪んだ姿勢、路面変化など原因は様々
クリティカル・スリー・セカンズ。発進停止の「魔の3秒間」もいよいよ大詰めを迎えた。ここでは転ばずに止まる方法を伝受しよう。
その前に、ここまでの項目を熟読していただいただろうか? もししっかり読み込んでいれば、停車時にもっとも大切なことは何か、もうお分かりのはずだ。そう、それは「いつでも両足を着ける状態にしておく」ことだ。
“グラリ”は、いつやってくるか分からない。路面状況や操作次第によっては、右に傾くか、左に傾くかも分からない。プロのオレだってグラリに見舞われることは少なくない。だから、右にも左にも足を着けるよう構えておく。
あまりに簡単な話だが、これがなかなかできない。バイク乗りはストイックな面があって、どうも潜在的に「足を着いたらいけない」と思っているフシがあるのだ。もしくは「足を着くのはヘタ、足を着かないのはうまい」と。
オレに言わせれば、どちらも間違いだ。足を着くライダーがヘタなわけじゃない。厳しい言い方だが「転ぶライダーがヘタ」なのだ。
動から静へと状態が切り替わる停止は、どうしてもバランスを崩しやすい。崩さないように努力しながら、崩れた時のセーフティーネットを張り巡らせておく。ありとあらゆる手を使って転ばないライダーこそがうまいのだと、オレは信じている。
【信号待ちあるある:停止時に妙に乱れる】前輪に荷重がかかる停止動作時は、外からの影響を受けやすい。わずかな路面の凹凸や体さばきのアンバランスさがグラリの原因となる。これはプロでも避けがたい。だから常に両足が出せる体勢作りを!
丸山流は前ブレーキ重視&両足フリー”ノー・ニーグリップ”
まずはNG例から
丸山流は前ブレーキのみからの右足着地
「極低速域の車速コントロールは後ブレーキで」そう信じ込んでいるライダーは多いはず。でもオレは停止時は前ブレーキしか使わない。それは右足で着地したいから。左足はどうせシフト操作でステップに乗せるのだから、乗せっぱなしにしておけば動作が減って効率的なのだ
手:丸山流は前ブレーキ外3本掛け
足:極低速はニーグリップしない
【○両足がいつでも出せる】極低速でのバランス取りはハンドル操作がキモ。逆にニーグリップは忘れていい。その分両足をフリーにして、すぐ接地できるように。
【×スソの引掛りに注意】両足をあまりにルーズにするのも考えもの。特にパンツのスソがステップに引っかかるケースは割と多いので、それなりの緊張感を!
…というわけで、次回は「取り回し」操作についてレクチャーしよう。
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