第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

長距離巡航で疲れにくいのは?

ホンダ人気の原付二種×5台イッキ乗りテスト#5〈巡航性能編〉

  • 2019/4/11
ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、PCX)をピックアップし、往復240kmの下道ツーリングテストを敢行した。通勤通学など足代わりに使われることの多い原付二種だが、中には本格的なツーリングに出掛けるライダーも。乗り心地や安定性、疲れにくさなど、総合的な巡航性能をジャッジした。

↓【#4:軽快性能編を読む】↓

巡航性能はPCXが第1位に

バイクを複数台所有できる人にはあまり縁がない話だろうが、原付二種を足代わりだけでなくツーリングに使うライダーも意外と多い。高速道路など自動車専用道路を走れないのはネックだが、一般道の移動時間はビッグバイクと大きな差がなく、原付二種をメインバイクに選ぶ人もいるぐらいだ。

巡航性能ランキング

[1st]PCX
[2nd]CB125R
[3rd]クロスカブ110
[4th]グロム
[5th]モンキー125

というわけで、乗り心地や振動の少なさに起因する快適性、外乱を受けたときの安定性など、総合的な巡航性能についてジャッジした結果が上の順位だ。堂々の第1位は唯一のスクーターであるPCX。これは無段変速式ゆえのイージーライドに加えて、エンジンから伝わる微振動やノイズが圧倒的に少ないこと、ゆったりと座れるライポジ、ギャップ通過時における優れた衝撃吸収性、左手だけで減速できるコンビブレーキ、高い防風効果など、とにかく長距離を走っても疲れにくい。あまり走った気がしないと言い換えてもいいほどで、こと巡航性能において頭一つ抜きん出ているのがPCXだ。

次点はCB125Rだ。原付二種としては大きめの車格ゆえに身を委ねられる安心感があること、直進時および旋回時の優れた安定性、常用域における心地良いエンジンフィールなどが得点を稼いだ。加えて、横に張り出したシュラウドが利いているのか、下半身の防風効果が高いのも気に入った。

クロスカブは、維持できる巡航速度がPCXやCB125Rよりやや低いものの、外乱に対する安定性が高く3位に食い込んだ。フラットダートを含んだツーリングならナンバー1だ。

12インチホイール勢のグロムとモンキーは、先の3車と比べると安定性がやや低く、轍の多い幹線道路ではハンドルが取られやすい。とはいえ、モンキーについて言えば、先代はバイパスを走ることすら躊躇するほど動力性能的にも不足していたので、PCXなどと一緒にツーリングできるようになったというのは朗報と言えるだろう。

[1st]PCX:座面の広いシートと自由度の高いライポジ

リラックスしたライポジに加え、足の置き場所の自由度が高く、乗り心地も優秀。大きなギャップを通過したときも車体が振られにくく、エンジンから伝わる微振動はほぼ皆無。さらに防風効果も高いなど、とにかく快適なのだ。   

HONDA PCX [2018]

HONDA PCX [2018]

[2nd]CB125R:身を委ねられる車格と乗り心地

上半身が軽く前傾するライポジなので走行風に耐えやすく、さらに窮屈感がないので疲労度は少なめだ。前後サスの良質な動きとラジアルタイヤによる乗り心地は、原付二種という枠を超える。

HONDA CB125R [2018]

HONDA CB125R [2018]

[3rd]クロスカブ110:荒れた路面での吸収性ナンバー1

轍に取られにくい細めのタイヤと柔軟なワイヤースポークホイール、ソフトなサスセッティングにより、荒れた路面での走りやすさはさすがクロスカブだ。意外なほどロングランもこなせるぞ。

HONDA CROSS CUB 110 [2018]

HONDA CROSS CUB 110 [2018] タンデム性能をテストするため、キジマのダブルシート(2万8080円)とグラブバー(1万800円)を装着。

[4th]グロム:ロングは及第点。楽しいのは街乗り

ライポジの窮屈感は否めず、同じ姿勢を続けることによる疲労感は発生しやすい。だが、慣れてしまえば今回のような往復200km超のツーリングはこなせるはず。サスの動きはなかなか良好だ。

HONDA GROM [2018]

HONDA GROM [2018]

[5th]モンキー125:どっしり座るのでやや腰がつらい

グロムよりも直進安定性が低く、さらに体重のほとんどがシートに集中するため、今回の5車の中では巡航性能は低いと言わざるを得ない。とはいえ、先代より圧倒的に長距離性能は向上した。

HONDA MONKEY [2018]

HONDA MONKEY [2018]

2人乗りのしやすさもPCXがトップ

さらに、2人乗り不可のモンキーを除く4車についてタンデム性能もチェックしてみた。ここでも圧倒的な差で1位となったのはPCXだ。2位のクロスカブは社外品のダブルシートを装着しての結果だが、とはいえCBやグロムよりも圧倒的にいい。なお、CBとグロムはタンデムシートの座面が狭く、ヒザの曲がりも窮屈なので、緊急用と割り切ったほうがいいだろう。

タンデム性能ランキング

[1st]PCX
[2nd]クロスカブ110(シート換装)
[3rdタイ]CB125R
[3rdタイ]グロム
[着外]モンキー125(2人乗り不可)

[1st]PCX:後席が広くてグラブバーも実用的だぞ!

HONDA PCX [2018]

ライダーとの距離が広く、パッセンジャーの居住スペースが確保されている。握りやすい位置にグラブレールがあり、ステップに足を置いたときのヒザの曲がりも少なめ。積極的にタンデムしたいと思える数少ない原付二種である。

[2nd]クロスカブ110:ダブルシートによる居住性なかなか良し

HONDA CROSS CUB 110 [2018]

クロスカブは法的に2名乗車可能だが、後席にあるのはリヤキャリアで、かなりお尻が痛くなる。純正アクセサリーにタンデムシートはないので、タンデムテスト用にキジマのダブルシートとグラブバーを装着してテストした。スイングアームに装着されたステップは走行中に上下するも、予想していたほどの違和感はなし。グラブバーの剛性が高く、体をしっかりと支えられるのはうれしい。

[3rdタイ]CB125R:後席は狭くて位置が高い。やや怖いかも

HONDA CB125R [2018]

グロムと同列の3位となったCB125R。座面が狭いうえに着座位置が高く、ヒザの曲がりは窮屈。しかも、つかまる場所がほぼお尻の真下なので、加減速に対して体を支えにくい。それを踏まえたうえでライダーはていねいな運転を。

[3rdタイ]グロム:密着必至、お尻がはみ出しそう!

HONDA GROM [2018]

タンデムシートの実質的な座面はCB125Rと同等に狭いが、着座位置が低い分だけ不安の少なさではグロムが上。ライダーが前寄りに座らないと居住スペースが稼げないので、こちらも二人乗りはエマージェンシー用と言えるだろう。

[参考]燃費はモンキーがトップ

今回のルートは、片側2車線以上の比較的信号が少ない幹線道路がメインだった。右は満タン法による実測燃費で、特に省燃費を狙って走ったわけではないが、5車中4台が50km/Lの大台を突破した。ガソリン5Lで1日200km超のツーリングが楽しめる、それが原付二種の魅力だ。

実測参考燃費

[1st]モンキー125(58.07km/L)
[2nd]グロム(55.96km/L)
[3rd]クロスカブ110(52.3km/L)
[4th]PCX(50.04km/L)
[5th]CB125R(42.18km/L)

…というわけで、次稿は当連載最終回。ここまでの各車のパフォーマンスを総合的に評価し、キャラクターチャートに落とし込む。

【#6:総合評価編に続く(準備中)】

●写真:真弓悟史

※ヤングマシン2019年9月号掲載記事をベースに再構成

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大屋雄一

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紙面版にて厳正なる新製品テストを担当するベテランジャーナリスト。

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