2018年9月2日、九州のサーキット、オートポリスで2019年モデルの新型Ninja ZX-10RR(ニンジャZX-10RR)が世界初公開され、ジョナサン・レイ選手がライディングを披露。その走行動画とマシン解説をお届けしよう。
新型はフィンガーフォロワーで+500rpm獲得
国産のリッタースーパースポーツで初めて200psを突破することが明らかになったニンジャZX-10Rシリーズ。今回、10Rシリーズが実施したモデルチェンジの内容は質実剛健と言えるもの。サーキットでより速く、レースで勝つために必要な項目に絞って手を加えている。来年からはアジア選手権でもASB1000という、リッタースーパースポーツモデルによるレースがスタートすることも決まっており、改造範囲が制限されるプロダクションレースにおいて、実力を底上げするためにエンジンの改良が行われたのだ。
まず、ZX-10R/RR/SEの全シリーズに共通するのがフィンガーフォロワーロッカーアームの採用で、10R/SEが従来の200ps/13000rpm→203ps/13500rpmに向上している。従来のタペット直打式に比べてバルブの往復運動の質量を20%低減させることができるようになり、最高出力発生回転が500rpm上昇していることにも注目だ。また、これにより、従来はシリンダーヘッドに加工を施したRRのみに投入可能だったハイリフトカム&専用バルブスプリングを全シリーズが使用できるようにもなっている。
RRはチタンコンロッドでさらに+600rpm伸びる
そして世界限定500台で販売されるZX-10RRは、従来の200ps/13000rpm→204ps/13500rpmと+4psを獲得。R/SEとの違いは軽量チタンコンロッドの採用で、ピーク出力でさらに1psアップに貢献する。コンロッドの重量は従来のスチール製に比べ1本あたり102g軽量となっており、クランクシャフトの慣性モーメントが5%減少。また、回転上限を600prm上げることができるようになり、レースであとひと伸びが欲しい時に大きな差をつけてくれるはずだ。
ジョナサン・レイ選手がオートポリスに降臨
今年の鈴鹿8耐で圧倒的な速さを見せたカワサキのエース、ジョナサン・レイ選手が、全日本ロードレース第7戦が開催されたオートポリスに来場。レースには参戦しなかったが新型ZX-10RRでデモ走行を披露した。今シーズンのスーパーバイク世界選手権でもランキングトップを維持しており、4連覇達成も時間の問題だ。また、来シーズンは8耐でペアを組んだレオン・ハスラム選手がチームメイトになることが決まっており、悲願の8耐優勝に向けても動き出していると思われる。そこに、よりパワフルなエンジンを獲得した10RRは強力な武器となるだろう。
ニュース提供:カワサキ
撮影:宮田健一/カワサキ
「’19新型NinjaZX-10R(ニンジャZX-10R)は3~4psアップを達成」記事はこちらへ