新世代CBシリーズの弟分

2018CB250R全容解説&CB125R試乗インプレ

2018年モデルで一気にシリーズ化した新世代CBシリーズのCB-R。前回の記事でその原点にして頂点モデルのCB1000Rを紹介したが、今回は弟分のCB250Rの解説とCB125Rのインプレッションを掲載する。

CB125Rは異次元の曲がりやすさ

まず、大屋氏の書いたCB150Rのインプレッションにもあるが、これまでに試乗することができたCB150RとCB125Rに共通するのは、とにかく楽しいバイクだということ。その楽しさは「軽さ」とそこからくる「曲がりやすさ」にあると感じられた。これは交差点を右左折するだけでも分かるもので、いつもより自信を持って曲がれる、通常より速いスピードでも自信をもってコーナーに入れる感覚だ。一方、エンジンはCB150Rは単気筒DOHC4バルブ、CB125Rが単気筒SOHC4バルブなので特性は異なる。150は回転に応じてパワーを引き出すことができるが、SOHCの125はダイレクト感は譲る。しかし粘りのあるフィーリングがこれはこれで気持ち良く、必要十分な速さもあるのでエンジンのチョイスには納得ができるものだった。しかし、CB-Rの主役は決してエンジンではなく、異次元とも言える走りのフィーリングにある。それがどのようにして実現されたのかは、CB250Rの解説書に詳しいので紹介していこう。

すでに試乗ができたCB150RとCB125R。まだ試乗できていないCB250Rも含めて面白いのは、エンジンだけなく外装までわざわざ変えているところ。ただしそこはこのシリーズの演出にすぎず、シリーズ共通のコンセプトとなっている「スポーツバイクの根源的な楽しさ」の実現のために異なるクラスであっても骨格を変えないことの方が本質だと、試乗を通して理解できた。※走りの写真はトップの125Rが丸山氏で150が大屋氏でインプレは本誌執筆メンバー「いち」によるもの。

狙いは新型CB1000Rと同じ

新世代CBシリーズが何を目指したかと言うと「スポーツバイクの根源的な楽しさ」を深めることだという。高性能だけを目的に終わらせるのではなく、高性能なスポーツバイクのみから感じ取れる「上質な手応え」を追求している。『この追求は公道上の幅広いシチュエーションでの操りやすさを最大化することでスポーツバイクの普遍的な価値を高めることへの挑戦であり、「世界一速く走るマシンは世界一操りやすいマシンである」という価値観を拡張することを意味している』とより詳しく説明された。つまりRC213V-Sのフィーリングをより低い速度で幅広く味わえるようにしたということである。これは2018新型CB1000Rだけではなく、新世代CBシリーズ(=CB125R、CB150R、CB250Rも含む)全体が「スポーツバイクの根源的な楽しさ」を深めることが狙いと説明されている。

「スポーツバイクの根源的な楽しさ」を深めることを目指した新世代CBシリーズ。こうして見ると1000と250のデザインは寄せられていることが分かる。ちなみにこれらを「新世代CBシリーズ」と表現しているのはホンダ自身で、従来世代とはCBスーパーフォアシリーズを指していると思われる。

ねじれイメージはS.D.S.S.と同じ?!

フレームは、ねじれ剛性の基部となるメインパイプをヘッドパイプ下端に接合した構成とすることで、ねじれ中心を下げている。これにより、軽量化に伴うコーナリング時などのねじれ増大が生む前輪接地点変化を抑え、安定感のあるハンドリングを実現した。また、メインパイプとダウンチューブをつなぐ部材にプレス鋼板を採用し、車体ピッチングを抑制する縦剛性を確保している。

リヤクッション上側マウントと一体化させた鋼板製のピボットプレート部は、メインフレーム部とは独立した構成とし、強度的に最適な形状を与えることでリアクッション荷重に対する強度をこのパートで完結させ、ヘッドパイプからシートレールにかけてのメインフレーム部を後輪入力のストレスから切り離しました。これによりメインフレーム側の強度を最適化し、パイプとプレス鋼板の薄肉化による軽量化を図っている。

旋回力とフレームのしなり(ねじれ)の関係については、ヤングマシン本誌で連載中の青木ノブ選手「上毛GP新聞」に詳しい。同連載の’17年4月号で京商のラジコン「ハングオンレーサー」のS.D.S.S.=セミダイレクトステアリングシステムを例に、この動きが実際のハンドリングでもキモとなることを紹介した。これはCB250Rのねじれの概念図に近く、CBでは左右への振れを抑えつつ角度を増しているところが操りやすさのポイントだろう。フレームの構造はピボットレスに近いもので、最近ではNinja250が近い手法で軽量化を図っている

異次元の軽さとトルク重視のエンジン

CB250Rの軽快な操縦フィールを実現するための基軸となるのがマスの集中化と軽量化となる。重い部品は重心付近に集中配置し、重心から離れた位置に配置される部品は小型化と軽量化を徹底することでマスの集中化を図っている。具体的には、エンジン、サイレンサー、リヤショック、バッテリー、ABSモジュールを車体重心近くに高密度に集中配置。また、車体重心から離れた位置に配置される部品は、ヘッドライトの薄型化による軽量化、リヤまわりではリアカウルを廃止した構成と、リアフェンダーステーの樹脂化による軽量化を行うことで、完成車のマス集中化に寄与している。

これらの徹底したマス集中化により、完成車の慣性モーメントは従来の125~150ccクラス並みの値を達成し、ライダーに想像以上の軽快感を提供している。また、新規部品の構造と形状最適化により、クラス最軽量142kgの完成車重量を実現。これは、マスの集中と併せてさらに慣性モーメント低減に寄与しており、乗り出した瞬間から実感できる軽快な操縦フィールを味わえるものとしている。

エンジンは、吸気径路のストレート化や、マフラー構造の最適化などの吸排気系のチューニングとPGM-FIのセッティングにより、どのエンジン回転数からでもスロットル操作に対するリニアな加速感を得られる出力特性を実現している。この出力特性と軽量な車体との組み合わせにより、クラストップのトルクウエイトレシオを獲得。これにより従来モデルよりも発進加速が4%、50km/h付近からの加速が6%向上するなど、市街地などで多用する低中速域での力強い加速フィールを実現した。

ABS付きで125が124㎏、150が125㎏(乾燥)、250が144㎏の車重となった新世代CBシリーズ。250は、これまで試乗した125や150に比べ最大20㎏増となるが、これらの解説によると楽しさは変わらないと思われる。

メーターはスマホ風の外観に

CB250Rは多機能化を図ったフルデジタル液晶メーターを採用。エンジン回転数ごとに点滅周期が可変するシフトアップインジケーターによりライダーにマシンの状態を伝えることで、より積極的なライディングを楽しめる機能を搭載した。また、タコメーターは標準表示と過去0.7秒間の最高回転数を保持するピークホールド機能の搭載で、ライディングの楽しさをよりアシストする仕様としている。

これらをはじめとする多彩な機能をライダーに伝える最新デバイスとしてメーター外観も一新。シンプル、小型、軽量化をねらい、メーター前面全体を縁まで透明アクリルで覆った薄型フルフラットデザインとして液晶サイズの大型化を図り、最新の携帯情報端末の様な外観を実現している。

ボディは同じでも250と150&125は部分的に表示が異なる。250の水温計の位置に150&125はギヤポジションインジケーターを配置している。

「2018新型CB250R/CB125Rは50~/45万円で発売」記事はこちら
「2018新型CB150R試乗インプレッション」記事はこちら

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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