10月25日、東京モーターショーのプレスデーにカワサキの新車発表会が開催され、2018新型Z900RSのデザイナーがプレゼンテーションを行った。そして、11月16日のカワサキ2018年モデル試乗&撮影会で写真が配布されたのでここにZ900RSデザイン開発秘話を公開。構想段階のデザインスケッチや立体のモックを製作している過程の資料から、様々な試行錯誤を試みていたことが明らかになった。
調査スケッチではイエローボールが描かれた
デザイン初期段階で決まっていたのは「クラシックモデル」という方向性のみ。Z1のオマージュ以外にも無数のスケッチが描かれていた。それをある程度絞っての調査が行われたが、その中には実際に選ばれたZ1イメージのイエローボールカラーのもの以外にテールカウルの存在しないW風?! のもの(上段左)や、サイドカバー形状まで忠実にZ1を模したもの(上段右)などがあった。
ブレンボと思われるキャリパーも
選ばれたキースケッチを元にさらに検討が進められていった。赤のスケッチではスポークホイールにブレンボと思われるブレーキキャリパーが装備されているのが目につく。マフラーは1本出しも検討されており、この段階ではディテールが決まっていなかったことが分かる。
モックの段階で1本出しサイレンサーが選ばれる
スケッチから立体の形にしていくモックの段階では、タンクの形が大きく変化した。ニーグリップ部にあったえぐりがなくなり、Z1と同様の綺麗なティアドロップ形状となった。また、モック初期のサイドカバーエンブレムは、「DOUBLE OVERHEAD CAMSHAFT」の文字が入ったZ1タイプを想定していたことが写真から推測できるが、モック最終ではその形跡が見られなくなった。そして、マフラーも1本出しに。
デザイナー自身がZ乗りという巡り合わせ
最後にデザイナーの松村氏が見せたスライドが下のもの。「こちらのZは私自身が所有するZ750のD1型になります。現代的な表現と懐かしさを感るのとそれらを融合する必要がありましたので、昔のモデルを見る機会がデザインする上で大事な時間だったと感じています。こうして完成したZ900RSは、歴史の原点と伝統を引き継ぎその先にあるひと目でカワサキと分かるデザインにその魂が宿っています。このモデルは若い世代のデザイナーも開発に参画してその感性も反映されています」とコメントを添えた。