
ヤマハは、原付一種の電動スクーター「JOG E(ジョグ イー)」を2025年12月22日に東京・大阪の地域限定で先行発売すると発表した。動力用電源は交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を採用している。バッテリーと充電器をセットした全国通常販売は2026年後半の予定だ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ
インホイールモーターなど車体のベースはホンダ製
ヤマハが原付一種の電動スクーター「JOG E」を市販する。2002年に量産初の電動二輪車「パッソル(Passol)」を日本国内で発売して以降、原付一種EVとしてEC-02、EC-03、E-Vinoを発売してきたが、ひさびさのブランニューモデルの登場だ。
2024年8月にはホンダが「EM1 e:」と「BENLY e: Ⅰ」をベースとした日本市場モデルをヤマハへOEM供給することに合意したと発表しており、新型モデル「ジョグE」はこれが市販化に結び付いたものだ。
ジョグEは動力用電源に「Honda Mobile Power Pack e:(MPP)」を採用し、インホイールモーターには『HONDA』のロゴ入り。今回は車体のみ15万9500円での販売となり、利用にはGachaco(ガチャコ)が提供するバッテリーシェアリングサービスの契約(有償)が必要な点には注意が必要だ。
そして現在、Gachacoステーションが東京都(42か所)、埼玉県(2か所)、大阪府(7か所)に設置されていることから、販売は東京都と大阪府のヤマハEV取扱店のうち、Gachaco取扱店のみに限定。なお、2026年後半にはバッテリーと充電器をセットにした通常販売も予定されている。
差し色のシアンはヤマハらしさ。
MPPやインホイールモーターだけでなく、車体を構成するパーツの多く……というかフロントカウルとヘッドライトを除くほとんどはホンダ「EM1 e:」と同じ外観をしており、フレームからパワーユニットまでEM1 e:を基本としているのは間違いない。一方でヘッドライトはボディマウントからハンドルマウントになり、ハンドルを切った方向に光軸が向くように。フロントカウル形状も未来志向のEM1 e:に対し一般的なスクーター然としたデザインになった。
後輪に採用したコンパクトなインホイールモーターは、パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで1充電あたりの走行距離53km(30km/h定地走行)を実現。これにGachacoのバッテリーシェアリングサービスを組み合わせることで、充電の待ち時間を必要としないのが嬉しいところだ。
ブレーキは前ディスク/後ドラムの前後連動で、フルLEDの灯火類やフルデジタルメーター、MPP×1個搭載と小物の収納が可能なシート下素メース、USB-A充電ソケットを備えた500mlペットボトルが収納できるフロントポケットなど、日常使いに便利な装備も充実している。
このほか、最高出力や最大トルクといった走行性能面のスペックはホンダEM1 e:をほぼ踏襲する。
YAMAHA JOG E[2025 model]
| 車名 | JOG E |
| 認定型式/原動機打刻型式 | ZAD-EY01/EY01M |
| 全長×全幅×全高 | 1795×680×1140mm |
| 軸距 | 1300mm |
| 最低地上高 | 135mm |
| シート高 | 740mm |
| キャスター/トレール | 27°/77mm |
| 装備重量 | 93kg |
| 原動機種類 | 交流同期電動機 |
| 総排気量 | 888cc |
| 定格出力 | 0.58kW |
| 最高出力 | 1.7kW(2.3PS)/540r/min |
| 最大トルク | 90N・m(9.2kgf・m)/25r/min |
| 1充電走行距離 | 53km(30km/h 定地走行テスト値) |
| タイヤサイズ前 | 90/90-12 |
| タイヤサイズ後 | 100/90-10 |
| ブレーキ前 | 油圧式シングルディスクブレーキ |
| ブレーキ後 | 機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ |
| 乗車定員 | 1名 |
| 価格 | 15万9500円 (東京・大阪地域限定先行発売/車両本体のみ) |
| 車体色 | 暗灰、明灰 |
| 発売日 | 2025年12月22日 |
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