
●記事提供: ライドハイ編集部
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら豹変、故障なら修理しますがそろそろ4年なので車体がくたびれてきてるなら、いっそ気分刷新で買い替えたほうが良いのか悩みはじめました。
A.実はコレよくある現象で、原因はタイヤの空気圧、フロントフォークの作動不良、ライディングの傾ける感覚の勘違い、ハンドル持つ手が悪さ……のどれかです。
曲がろうとしたら、ハンドルを重く感じて、車体をちょっと傾けただけなのに前輪が内側へ切れようとするので慌てて抑える……これほとんどのライダーが経験しているはずです。
ただ走っているうちに気にならなくなり、途中でそんなことは忘れてしまい、今日は気持ちよく走れた、でご帰還されてたりしますよネ。
しかし日によっては、ちょっと何か異常事態で、どこか故障しているんじゃないかというほど症状が強いままで、一日中そんな感じが消えず、警戒心ばかりで楽しくなかった、なんてこともあるかも知れません。
これには故障というより、作動性に問題が出る状況を生じてしまっている場合もあります。
ただそうした機械的なことを疑う前に、両肩からチカラを抜いてリラックスしてみてください。
それで少しは改善されたら、たぶんそのまま走っているうちに不自然さは感じなくなると思います。
ちょっと乗らないでいるだけで、身体は愛車とのバランス感覚を忘れています。
なぜそんなことになるのかというと、愛車に何年も乗り続け身体の一部のように馴染んでくれていたとしても、実はちょっとした身体の動きの違いで、バイクとの人車一体感が失われてしまうのです。
というか、これは我々ライダー側が変わっていて、バイクのほうはいつもの通りだったりするのです。
いや、そんなことはない!絶対バイクがおかしいと思われるケースも多いのですが、ほぼ100パーセント、ライダーの側に原因があると思って間違いありません。
そんな気持ちを払拭するためにも、まずバイク側に問題がないか、そこからクリアしていきましょう。
気温が低下すると前輪の空気圧が思いきり下がります!
空気は時間が経つと自然に抜けていくが、それよりも気温の変化に敏感なことを知っておこう。
真夏の猛暑は、路面温度も高くなって、空気圧はそれだけ高めになっています。
その状態で空気圧を調整したときから、2ヶ月後に20℃を下回ったとすると、10パーセントどころか20パーセントも低圧になってしまいます。
前輪はそもそもタイヤが細いので、エアボリュームの体積も小さく、僅かな変化で空気圧が変わりやすくなっています。
たとえば夏場に2.0kPaと確認していたのが11月にはかったら1.4kPa以下なんてこともあり得ます。
こうなると前輪がスロットルを戻したまま曲がろうとすると、キャンバー変化といって過剰に凹んでもっとバンクしたときの旋回特性になりやすく、勝手に内側へ切れ込む反応をしがちです。
ということで、まずは空気圧を疑いましょう。ガソリンスタンドで補充すれば解消! という確率もそこそこあります。
この空気圧だけではなく、バイクが曲がるのを妨げる箇所はいくつかあります。
意外に思うかも知れませんが、フロントフォークが沈みにくいと、車体を傾けたとき感覚的には反発されて前輪が遠回りしかねない現象もでます。
たとえば駐車場で前輪を差し込むように入れる車輪止めなど、これでサイドスタンドにしたとき、ハンドルに入れたチカラや他から加えられたのが原因で、フロントフォークがちょっと捻った状態へ陥ることがあります。
そう立ちゴケでもこれは起こり得ます。
この歪んだ状態だと、フロントフォークは沈みにくくなり、セルフステアという曲がるときに前輪が追従する特性を妨げます。
頑固に曲がりにくい、ハンドルが重いなどの症状を感じます。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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