いまやMotoGPでもスーパーバイクでも、ドゥカティ強しが当たり前になっています。でも昔はそこまでの勝負はできていなかったと思います。いつ頃から頭角を現したのでしょうか?
●記事提供: ライドハイ編集部
これで日本車に勝てると思う? 疑いの目で見られていた時代
第二次大戦後、ほぼホンダと同じ頃にモーターサイクル・メーカーとして出発したドゥカティ。実は当初からレース好きで、1956年には鬼才ファビオ・タリオーニがデスモ(閉じ側もカムで駆動する強制開閉バルブ)を搭載した125ccマシンがデビュー、ホンダより随分と早くチャレンジを開始していました。
市販車はシングルで’60年代初めからアメリカにも輸出されるようになり、125→200→250→350と同じ単気筒をベースに排気量を徐々にアップ。1969年、遂に単気筒が450デスモとなり注目を浴びましたが、日本にはほぼ輸入されていないに近く、そのブランド名さえ知られていませんでした。
そのドゥカティがいよいよビッグバイクへのチャレンジを開始。培ったシングルをもう1気筒水平に加えた90度Vツイン(Lツイン)は、1972年のイモラ200で当時のF750マシン(日本勢は2スト)にポール・スマートとブルーノ・スパジアーリで1-2フィニッシュの快挙を成し遂げたのです。
このイモラ200で勝利したベースの750GTを、スーパースポーツへチューンした750SSが1973年にデビュー。日本車CB750フォアに蹴散らされたトライアンフをはじめとする英国勢やBMWに代わって、肩を並べる唯一のライバルとして期待される存在でした。
1975年はボクが世界GP遠征をはじめたシーズン。そこでこの750SSを試乗する機会がありました。しかし、パワーをまるで感じない非力なエンジンで、フラつく車体は恐ろしくてバンクできないハンドリング……こりゃアンチ日本車のジャーナリストが、身贔屓で大袈裟に誉めたに違いない、とんだ食わせモノと呆れてしまいました。
マン島でヘイルウッドがまさかのブッチ切り!
ところが1978年、マン島T.T.で’60年代に絶対的王者だったマイク・ヘイルウッドがカムバック、何と選んだマシンは英国のショップがチューンしたドゥカティ900SSとハテナだらけの筈が、ホンダ・ファクトリーのRCB1000をブチ抜いて独走で優勝という、とんでもないコトが起きてしまったのです。
しかもマン島T.T.直後の英国マロリーパークへボクも参戦していて、同じT.T.フォーミュラでスタートで出遅れたにもかかわらず、ホンダRCB1000を何とコーナー進入で抜き去りそのまま引き離していくというシーンを目の当たりにしました。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ライドハイ)
CB750/900Fと並んで進んでいた、ホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン! どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発[…]
チェーンの張り調整が必要なのは、チェーンが徐々に伸びるからだけど…… バイクのチェーンのメンテナンスといえば「清掃・潤滑」と「張り(あそび)のチェック」。まず、チェーンを長持ちさせるには清掃や潤滑をマ[…]
車体を傾けたら真っ先に接地する“バンクセンサー” カーブを曲がるために深くバンクさせると、車体のどこかが地面に接地して、ゴリッとかガーッという音と共にステップから衝撃がきてビックリしたことがあるライダ[…]
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
料金所の停車、30cm行き過ぎたらバックが必要に たとえば地下駐車場入り口のチケット発行機や、出口の料金支払い機、こうしたゲートのある料金所で停車するとき、何かの拍子で30cmほど行きすぎると、機械に[…]
最新の関連記事(ドゥカティ)
ミドルSSの究極を目指しフルチェンジ パニガーレはドゥカティが誇るスーパーバイクで、2018年からはV型4気筒エンジンを搭載し、その戦闘力を高めるとともに車名がパニガーレV4となった。そして2020年[…]
スクランブラー誕生10周年。スタンダードモデルと特別仕様車を発表 ドゥカティ スクランブラーは、2014年に登場したネオクラシックシリーズで、1960~1970年代に人気を博したモデルをモチーフとした[…]
熟成度が深まったアドベンチャーツアラー ムルティストラーダはドゥカティのアドベンチャーツアラーで、2021年のフルモデルチェンジで1158cc水冷V型4気筒エンジン『V4グランツーリスモ』を搭載した。[…]
ライダーを様々な驚きで包み込む、パニガーレV4S 5速、270km/hからフルブレーキングしながら2速までシフトダウン。驚くほどの減速率でNEWパニガーレV4Sは、クリッピングポイントへと向かっていく[…]
全日本ロードレース最高峰クラスで外国車が優勝したのも初 全日本ロードレース選手権シリーズ後半戦のスタートとなる第5戦もてぎ2&4レースで、ついにDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
どんなUber Eats配達員でも必ず持っている装備といえば、スマートフォン。これがなければ、仕事を始めることすらできません。 そんなスマートフォンですが、太陽が強く照っている日に使うと画面が真っ黒に[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]