バイクいじりにおいて、差込角6.3sq.のソケット(通称:シブイチ)が小さく取り回しが良いので重宝することは、『モトメカニック』誌読者を筆頭とする多くのサンデーメカニックが実感しているはず。一方、自動車のメンテナンスでは9.5sq.や12.7sq.が主役となるものの、”シブイチしか使えない”場面に遭遇することもある。今回は不動車を再生する機会の多いサンデーメカニックには欠かせないトランスポーター(トランポ)車のスターターモーターの整備で、シブイチの使い勝手の良さを体感してみた。
●文:モトメカニック編集部 ●外部リンク:京都機械工具
余裕のない場所での作業を強いられる、自動車のエンジン周りにも重宝
ボルトやナットのサイズが小さければ締め付けトルクも小さく、狭い場所にあるからコンパクトな工具が使いやすい。バイクで差込角6.3sq.のソケットレンチが重宝するのは、そうした条件が重なるからだ。
それに比べて、太いボルトが強力なトルクで締め付けられている自動車の場合、9.5sq.や12.7sq.がメインという印象が強いのではないだろうか。車体やエンジン周りで使われるM8/M10サイズのボルトナットには17ミリや19ミリのソケットが必要になるから、必然的に差込角が大きなラチェットハンドルと組み合わせることになる。
だが、エンジンに取り付けられた各種の部品の着脱は、実はバイク以上に余裕のない場所での作業を強いられることもある。自動車のエンジンは部品配置が機能優先となり、雑然とレイアウトされていることも多いからだ。
ボルトが見えているのに工具が届かない、工具が入ってもハンドルが干渉して振れないときほどフラストレーションが溜まることはない。そんな場面でメガネレンチ/ギアラチェット/スパナ/9.5sq.ソケットレンチど、工具を取っ替え引っ替え合わせてトライして、6.3sq.で救われた経験のあるサンデーメカニックもいることだろう。
余計な肉を省いたソケットと軸径が細いエクステンションバー、スムーズに回るユニバーサルジョイント。わずか4度の振り角でボルトを回せるラチェットハンドルを組み合わせたKTCネプロス6.3sq.シリーズを活用すれば、ボルト周辺の干渉物を避けられる可能性が高まる。相手が自動車なら6.3sq.=シブイチは不要というわけではない。さまざまな状況に対応できる工具を準備しておくことは、バイク/自動車を問わず有意義なのだ。
ラチェットとクイックスピンナはセットで持っておきたい
指先も届かない場所のボルトナットを回す際に、エクステンションバーの根元にクイックスピンナをセットすると、作業性が劇的に向上する。全長125mmの90枚ギアラチェットが、狭い空間で重宝するのは言うまでもない。
ソケット外径のスリムさはネプロスならではの強み
ソケットの外径が太ければ強度的には有利だが、狭い場所での使い勝手が劣る。ネプロスシブイチは六角、十二角ともコンパクトさは世界最高水準で、メガネやギアラチェットが使えないボルトナットに届くのが魅力だ。
早回し作業に役立つT形ハンドルやドライバー
エクステンションバーにも共通するが、T形ハンドルやドライバ型ハンドルの軸のスリムさはネプロスシブイチの美点。T形ハンドルの幅は140mmとコンパクトなので、狭い場所で干渉しにくい利点がある。
トランポのスターターモーター分解でシブイチの使い勝手の良さを体感
走行距離が多いトランポはブラシの摩耗もチェック
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