−−最近はスイッチやレバーがたくさんあります。押し間違えたりしませんか?
「とにかく最近のMotoGPマシンの進化は凄いです。コロナウイルスの影響があった時は、物が作れなかったり、輸送できなかったりで開発が遅れていたのは事実です。でも通常のレース進行になってからは、そこで溜まっていた物が一気に出てきているような気がします。
同時にライダーの仕事も増えています。スイッチやレバーがたくさんついています。でもこれは慣れれば意外と問題ないんです。何かが追加されると『あー……』って思うんですけど、そういうのも楽しみながら走っています。今のところ押し間違えたりはしたことないです(笑)。
ライドハイトデバイスがサスペンションの前後に付いているんですけど、忙しいです。例えばスタートの時はグリッドについて、赤信号がつくまでにやることがたくさんあるんです。結構ギリギリです。
フロントフォークをロックさせるレバーが左についているんですけど、停止する時はそのレバーを押しながらブレーキをかけて、フォークを縮めないといけないんですよ。止まっている状況だと3人くらいいないと縮まないと思います。これはメーカーにもよると思いますけどね。
リヤサスを縮めるレバーも左にあって、それを押し込むとリヤがキューっと下がっていきます。前後サスペンションをかなり縮めてスタートするんです。足がべったり着くので安心感はあるんですけどね。スタートはかなり速くなったと思います。ウィリーしない分、パワーが出せますから。
テストではフロントだけとかリヤだけとかもやりましたけど、片方だとコントロール性が悪かったですね。
走行中もリヤは使います。実は、もてぎが一番使用頻度が高かったんです。リヤを使うときは次のコーナーが直立してブレーキをかけるところ。もてぎはストップ&ゴーのコースなので、最終、1-2コーナー、4コーナーなど、全部で5〜6ヶ所で使いましたね。
リヤのデバイスを使って、次のコーナーまでの到達スピードを1/1000秒でも速くしたいんです。まあ、親指でレバーを押すだけなので、大変ではないです。もちろん慣れもあると思いますけど」
−−MotoGPのどんなところに注目してほしいですか?
「やっぱりスピード感ですね。今は360km/hを超えていますし。そんなモンスターマシンの音や匂い、二輪ならではの接近戦、そういった中での駆け引きを見ていただきたいですね。二輪最高峰のレースは、やっぱり別格。そんな中で戦えている自分は、感謝の気持ちも強いんですが、勝ち抜いていきたいっていう気持ちも強いです。
ぜひ、2023年は、もてぎに来て、生で感じていただけると嬉しいですね。自分もテレビでモータースポーツをよく見るんですけど、生で見ると全然違うんだよなぁ、って思います。
2023年は6シーズン目、ホンダ一筋で戦ってきて、理解は深まってきています。その経験を最大限に活かして、戦いたい。
今のMotoGPは、シーズン中はテストが少なく、アップデートは実践投入が多いんですけど、そこでの判断がすごく重要になってきます。だからこそ、良いものを自分に引きつけられるようにしないと行けない。そうやって良いマシンを作りながら、成績も上げていきます」
ーーーーーーーーーーーーーー
イベント終盤、参加した方からの質問には、テニスにはまっていること、スターバックス好きの彼はオーツミルクラテを注文することが多いこと、スイーツ男子であることなども告白。さらにサインや記念写真に応じたりしながらリラックスした表情を見せていた中上貴晶選手。
※本記事は“ミリオーレ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
フランス のオリジナルデザインを採用したアジアンフィットのレーシングスーツ フランス発のバイクウエアブランドとして1996年に産声を上げたイクソン。2010年にはMotoGPに参入し、中上貴晶やアレイ[…]
全クラス感動的なレースが展開されたアルゼンチンGP 第3戦アルゼンチンGPは、日本時間だとヨーロッパのレースよりも少し遅い時間から決勝がスタートする。しかし、睡魔に襲われることなく全クラスレースに釘付[…]
2023年の布陣を確認! スズキ撤退、ルーキーはフェルナンデス1人 まずは各メーカーのライダーと台数を確認してみよう! ●ホンダ 4台体制マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム(93)ジョアン・ミ[…]
MotoGPのカテゴリー、マシンが変わっていく 2022年、空力デバイスはフロントカウルのみならず、リヤのシートカウルにも発展。ドゥカティは恐竜の背中のようなシートカウルをサマーブレイク明けのMoto[…]
Thierry Maniguet(ティエリ・マニゲ)/1972年生まれ。イクソン 最高経営責任者。1996年にイクソンを創設し、現在では世界70カ国以上で愛される国際的なブランドに成長。プライベートで[…]
最新の記事
- 元セロー乗りがカワサキ「KLX230シェルパ」に乗ってみた! KLX230Sも同時に試乗レビュー
- Amazonブラックフライデー本番! デイトナのメンテナンス/保管用アイテムを要チェック!!【6割引弱もあり】
- Amazonブラックフライデー本番! コスパ最高なコミネの電熱アイテムを要チェックだ!!【4割引超もあり】
- カワサキ「Z900RS」グリーンボール発売!! 茶玉虫、ステルス火の玉、イエローボールに追加設定
- ヤマハYZF-R9に熱視線! スーパースポーツ関連人気記事ランキングTOP10【2024年最新版】