
世界的なロジスティクスの混乱と部材供給などの危機にみまわれた2022年だったが、ドゥカティは史上最高の販売台数を記録。6万1562台の販売は過去最高の数字で、イタリアでの販売が10%もアップ。世界各国のディーラー数も順調に推移し、821を有するまでになった。レースの世界でも2つのチャンピオンに輝き、これを記念して限定販売されたパニガーレV4 Sも即完売している。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:ドゥカティ
2つのレースでドゥカティが偉業を達成
2022年はドゥカティにとって、まさに輝かしい1年だった。MotoGPではデスモセディチGPを駆ったフランチェスコ・バニャイヤがチャンピオンを獲得し、スーパーバイク世界選手権(WSBK)ではアルバロ・バウティスタが11年ぶりとなる世界タイトルを獲得。WSBにおいてはパニガーレV4Rが初めてチャンピオンマシンになるという快挙を成し遂げた。
この2つの栄光を記念して、2022年末には2種類のスペシャルモデル「パニガーレV4 S フランチェスコ・バニャイヤ 2022 ワールドチャンピオンレプリカ」と「パニガーレV4 S アルバロ・バウティスタ 2022 ワールドチャンピオンレプリカ」を各260台で限定販売。パニガーレV4 Sをベースにした2台の限定車は、燃料タンクにはライダーの直筆サインが施されている(サインはクリア塗装で保護されているので、ご安心を)。
パニガーレV4 Sは、ドゥカティ設立の1926年に敬意を表し限定各260台を販売
2022年シーズンのMotoGPとWSBで優勝したマシンのレプリカカラーをまとった特別な2台のパニガーレV4 Sは、以下の専用装備が与えられている。
- バイクの名称およびシリアルナンバーが刻印されたトップブリッジ
- ヘアライン仕上げアルミ製燃料タンク(バウティスタ No.19レーシングカラーのみ)
- フランチェスコ・バニャイヤ(#63)またはアルバロ・バウティスタ(#19)の直筆サイン入り燃料タンク
- レース用フロントフェアリング
- アクラポヴィッチ製型式認証済みサイレンサー
- カーボンファイバー製リヤエキゾーストパイプヒートシールド
- STM-EVO SBK 9ディスク乾式クラッチ
- リゾマ製ビレットアルミニウム削り出しアジャスタブルライダーフットペグとカーボン製ヒールガード
- ブレンボ製ステルマRキャリパー
- ブレンボ製MCSマスターシリンダー(リモートアジャスター付き)
- アルミ削り出しブレーキおよびクラッチレバー
- カーボン製フロント&リヤマッドガード
- カーボン製フロントブレーキ冷却エアダクト
- カーボン/チタニウム製スイングアームカバー
- カーボン製オルタネーターカバー
- シングルシート
また公道走行不可だが、追加装備として以下もラインナップしている
- カーボン製オープンクラッチカバー
- ナンバープレートホルダー取り外しキット
- アルミ削り出しミラー取り外しキット
- アルミ削り出しレーシング燃料タンクキャップ
ヴァレンティーノ・ロッシが設立した「VR46アカデミー」出身のフランチェスコ・バニャイヤ。MotoGP2022年シーズン最終戦バレンシアGPの決勝レースにはヴァレンティーノ・ロッシも現地に足を運び、勝利を祝福した。 [写真タップで拡大]
2023 年に向けてドゥカティは8つの新しいモデルを発表
ドゥカティは、レースでの大きな成果だけでなく、販売台数も好調だ。世界的なロジスティクスの混乱と部材供給などの危機にみまわれた2022年だったが、ドゥカティは史上最高の6万1562台の販売を記録。イタリアでの販売が10%もアップし、ドイツなどでも堅調に伸びている。ちなみに日本は1978台、2021年対比89.2%と若干落ち込んでいる。
また2022年末までに、過去最高数となる821のディーラーを確立。既存市場に加えて、ブルネイやエクアドル、エルサルバドル、モンゴルも新しいマーケットとして取り組んでいる。
多様化するライフスタイルの波は、バイクの世界も同様。より多くのライダーに情熱を届けようと、2023年は8つの新モデルが投入されるなど、戦略的かつエネルギッシュなブランド構築が確実に進行している。
ドゥカティのCEOであるクラウディオ・ドメニカーリ氏は、以下のようにコメントを発表している。
「2022年のすばらしい販売実績は、革新的なモーターサイクルの開発に着実に投資し、製品の品質もさることながら、ドゥカティがユーザーにもたらす情熱的なエクスペリエンスの向上を常に努力してきた道のりの結果です。ドゥカティというブランドは、これまで以上に愛され、世界中の人々から望まれています。
私たちが積み上げてきたレースにおける偉業と成果も大きな要因ですが、国籍や年齢などの垣根を越えてドゥカティを愛する人々を大きなファミリーの一員であると感じてもらえるようにと、継続的かつ積極的な取り組みのおかげです。ドゥカティのすばらしいチーム、そして全スタッフに感謝します」
ドゥカティが描く未来予想図が、今後どのように広がっていくのか。目が離せない。
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