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ドゥカティの2023モデルの紹介もついにエピソード7が発表。ラストを飾ったのは、スクランブラー ニューファミリー! 『Next Gen Freedom(次世代の自由)』をコンセプトに、スクランブラーICON(アイコン)、FULL THROTTLE(フルスロットル)、NIGHTSHIFT(ナイトシフト)がお披露目された。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤、村田奈緒子) ●写真:ドゥカティ ●外部リンク:ドゥカティジャパン
スキルやスペックに縛られずに楽しめる、自由な存在!
2014年のWDW(ワールド・ドゥカティ・ウィーク)でカスタマーに先行発表したスクランブラーICON(アイコン)は、空冷の803ccエンジンを搭載して2015年に発売。「Land of Joy」というこれまでのドゥカティになかったコンセプトで53年ぶりにスクランブラーを復活させ、世界中で人気を獲得した。
ノスタルジックなスタイルを醸しつつモダンに昇華された1台は、その後399ccのシックスティ2や1100をラインナップに加え、さらには多くの派生モデルを展開。そのファミリーは瞬く間に大きくなっていった。
スクランブラーの良さはドゥカティのラインナップの中でいちばんシンプルなこと。エンジンは空冷、スペックはほどほどで、難解な電子制御に頭を悩ませることはない。クラシカルなスタイルも合わせて、バイクの根源的な楽しさに溢れているのだ。
価格も他のモデルより抑えられているのが特徴で、世代やキャリア、性別、走るシチュエーションを問わないスタイルは、多くの新しいドゥカティファンを生み出してきた。
そして2022年、久しぶりに開催されたWDWの会場内のシークレットボックス(カメラやスマホは没収されて部屋に入る)の中に置かれていたのが今回のスクランブラーである。
スクランブラーらしさはそのままに、個性をつくる楽しさを提案
2023年モデルはスクランブラーの良さは継承しつつも、よりライダーの個性を引き立てるカラーやデザインを提案している。その筆頭といえるのが、3つの標準色に加え、アクセサリー・キットとしてさらに6色をそろえているスクランブラー アイコンだ。ドゥカティレッドや’62イエローなどポップなカラーに加えて、ストームグリーンやベルベット・レッドなどシックでモダンなカラーもラインナップ。アーバンなシーンだけでなく海や山など自然にもなじむ色使いからも、より多様化しているライフスタイルに寄り添う自由なバイクというイメージを彷彿させる。
また、最新のマシンらしくライト類のフルLED化を実現。ヘッドライトの特徴的な「X」はキープしつつ、よりシャープで認識のしやすいエクステリアになっている。
4.3インチTFTカラー液晶スクリーンを備えるインストゥルメントパネルを搭載。ライド・バイ・ワイヤの導入により、ロードとウェットの2つのライディングモードが選べる。また、スマートフォンをバイクに接続して音楽や通話を管理できるドゥカティ・マルチメディア・システムもアクセサリーとして用意しており、ターンバイターン・ナビゲーションの利用が可能。オプション設定のクイックシフターを装備。
エンジンとシャシの進化も見逃せない。空冷でユーロ5排出ガス規制に適合する803ccのLツインエンジンは、2.5kgの軽量化を施した新世代となり、新しいコンパクトな8枚ディスクのクラッチユニットを採用することで油圧によるレバー操作力を低減。シフトドラムをベアリングマウントにすることでシフト操作もよりスムーズになった。
スロットルはライドバイワイヤでコントロールされ、”ロード”と“ウェット”の2つのライディングモードを実装。トラクションコントロールシステムやコーナリングABSを装備し、上下対応のクイックシフトもアクセサリー設定される。同じく、スマートフォンと接続可能になるドゥカティマルチメディアシステムもアクセサリー設定だ。
トレリスフレームは刷新され、新しいスイングアームの採用とともにリヤサスペンションはサイドからセンターマウントに。前18/後17インチホイールも新たにデザインされたものだ。
シャシはすべて新しくなり、スチール製トレリスフレームも軽量化。よりスポーティなフィーリングを実現するために、リアフレームがメインフレームから分離している。エンジンは前世代のものよりも約2.5kgも軽くなり、バイク全体で4kgほどの軽量化をかなえている。スクランブラー アイコンとフルスロットルは、ホイールのデザインも一新。
では、さっそく各モデルをチェックしてみよう!
タンクは全9カラーから選べるスクランブラーアイコン
ベースとなるカラーは、’62イエロー、スリリングブラック、ドゥカティレッドの3つ。アクセサリーキットとしてストームグリーン、リオセレステ、カリフォルニアオレンジ、ネフライトグリーン、スパークリングブルー、ベルベットレッドの6色を展開。写真のバイクは’62イエロー。
【’23 DUCATI Scrambler ICON】主要諸元 ■軸距1449 シート高795(各mm) 車重185kg(装備) ■空冷4ストL型2気筒SOHC2バルブ 803cc 最高出力73ps/8250rpm 最大トルク6.7kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.5L ■キャスター24°/トレール108mm ブレーキ形式F=φ330mmディスク+4ポッドキャリパー R=φ245mmディスク+1ポッドキャリパー タイヤサイズF=110/80 R18 R=180/55 R17 ●価格:127万8000円
よりスポーティなスクランブラー フルスロットル
クラシックスタイルのバイクは懐古趣味的に見られることも多いが、ドゥカティスクランブラーからは常に新しさを感じさせてくれる。アメリカのフラットトラッカーにインスパイアされているスクランブラー フルスロットルは、サイドプレートに62の数字 (1962年は最初のドゥカティ スクランブラーがデビューした年)がトラッカースタイルでデザインされている。
【’23 DUCATI Scrambler FULL THROTTLE】主要諸元 ■軸距1449 シート高795(各mm) 車重185kg(装備) ■空冷4ストL型2気筒SOHC2バルブ 803cc 最高出力73ps/8250rpm 最大トルク6.7kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.5L ■キャスター24°/トレール108mm ブレーキ形式F=φ330mmディスク+4ポッドキャリパー R=φ245mmディスク+1ポッドキャリパー タイヤサイズF=110/80 R18 R=180/55 R17 ●価格:147万5000円
スクランブラーらしさは失われることなく、これまでのファンも新しいファンも納得の進化。ドゥカティがスクランブラーをベーシックモデルとして大切に育んでいることがよくわかる。
ダークでエレガントなスクランブラー ナイトシフト
アイコニックなフラットハンドルバーとバーエンドミラー、薄型でフラットタイプのデュアルシートにサイドカバーを装備。光沢とサテン仕上げによる新色ネビュラブルーのタンクやフルブラックになったスポークホイールによって、闇夜に溶け込むような上品なカラーのモーターサイクルに仕上がっている。
【’23 DUCATI Scrambler NIGHTSHIFT】主要諸元 ■軸距1449 シート高795(各mm) 車重185kg(装備) ■空冷4ストL型2気筒SOHC2バルブ 803cc 最高出力73ps/8250rpm 最大トルク6.7kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.5L ■キャスター24°/トレール108mm ブレーキ形式F=φ330mmディスク+4ポッドキャリパー R=φ245mmディスク+1ポッドキャリパー タイヤサイズF=110/80 R18 R=180/55 R17 ●価格:147万5000円
ドゥカティといえばスピードやスポーツ、パワーが代名詞であったが、スクランブラーはスペックよりもファッションや音楽、サーフィンなどのカルチャーともリンクしてきた。1機種に留まらず、ライフスタイルを提案する『ブランド』としてこれからもカスタマーとともに成長を続けていくはずだ。
【動画】Ducati World Première 2023 Episode 7 | Next-Gen Freedom
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