
●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官)
皆さんは“公安委員会遵守違反”というものを聞いたことがあるだろうか?
おそらくほとんどの人が聞いたこともないだろうし、そんな交通違反で警察に検挙されたことがないだろうが、じつは、ラフな格好で運転していたり、イヤホンを着けながら運転していたりする人には注意してほしい違反なのだ。
当記事では、公安委員会遵守違反とは何なのか、違反点数や反則金などについて、元警察官・刑事の鷹橋公宣さんが解説する。
そもそも“公安委員会”とは?
公安委員会とは、簡単に役割を説明すると“警察の運営を管理する組織”です。おもに運転免許の事務や交通規制をするほかにも、風俗営業/古物商/探偵業/運転代行業などの許認可も公安委員会の仕事となります。
公安委員会には、“国家公安委員会”と“都道府県公安委員会”の2種がありますが、公安委員会遵守事項を定めているのは、都道府県公安委員会です。
警察の運営を管理する組織とはいえ、公安委員会が警察よりも上位の立場というわけではありません。あくまで警察の業務が適切かどうかを管理/監督する立場で、警察が行う個別の職務に対する権限を持っていない…いわば“警察のお目付け役”のような存在です。
“公安委員会遵守事項違反”に当たる行為とは?
では、公安委員会遵守事項が何かと言うと、「道路または交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るために必要と認めて定めた事項(道路交通法第71条6号 )」で、すべての運転者が守らなければいけない決まりです。
また、公安委員会が受け持つ業務のうち、市民の生活に大きく関わっているのが“交通規制”。皆さんが日ごろ当たり前のように見かける信号機/交通標識/道路の車線などは、すべて公安委員会の意思決定の上で設置されています。
しかし、危険防止や交通安全のために必要な事項と言われても、曖昧な表現で意味がよく分かりませんよね。それについては、各都道府県の公安委員会が定める“道路交通法施行細則”に記載されています。
たとえば、東京都には“東京都道路交通規則”が定められており、第8条に次のような事項があります……
※本記事は2022年3月31日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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