
●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官) ●写真:八重洲出版
スクーターの足元には物を置かない
バイクにまたがったときに足が地面に届くかという“足着き性”を、バイク選びにおける大きな指標のひとつとする人も少なくないでしょう。
ネイキッドモデルやアドベンチャーモデルなど、いろんなバイクの種類がある中で、スクーターは椅子に座るようなスタイルで、乗り降りしやすく、シート下収納も充実しているので、会社への通勤やお買い物などに使うにはとても便利な乗り物ですよね。
しかし、シート下に荷物が入りきらないからといって、スクーターの足元にあるフットスペースに置いてはいけません。なぜなら、本来は足を置くためにあるフットスペースに荷物を置いていると、道路交通法違反になるからです。
以下、スクーターのフットスペースに荷物を載せた場合はどんな違反になるのか、違反点数や反則金はあるのかについて解説します。
そもそも“フットスペース”は何のためにある?
スクーターの足元にあるフットスペースというのは、名前の通り“足を置く”ための空間で、荷物を置くためにあるわけではありません。
クルマと違い、シートベルトや背もたれのないバイクは、何らかの方法で体を安定させないと、加速や減速の際に車両から振り落とされてしまう恐れがあります。
そのため、内モモで燃料タンクの側面を挟んで安定した乗車姿勢を取る“ニーグリップ”によって、安定した走行が可能となります。二輪免許を持っている人なら、教習所でしつこく教えられたのではないでしょうか。
しかし、前方にタンクがないスクーターでは、ニーグリップができないので、ステップボードに踏ん張るなどして、体を支える必要があります。
そのため、フットスペースに荷物を載せている場合、そもそも荷物が邪魔で足を置く場所がなかったり、その荷物によって重量バランスが悪くなり思うような運転ができないなど、交通事故を起こしてしまう危険性もあります。
フットスペースというのは、ニーグリップができないというスクーターの特性をカバーするために、“しっかりと足で踏ん張るために確保された空間”だということを覚えておきましょう。
フットスペースに荷物を載せると“積載方法違反”になる!?
そんなフットスペースに荷物を載せたままバイクに乗っていた場合、“乗車積載方法違反”として警察に取り締りを受けることになります……
※本記事は2022年3月23日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
人気記事ランキング(全体)
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
YZF-R1/R6のレースベース車が受注開始! ヤマハがロードレースやサーキット走行専用モデル「YZF-R1 レースベース車」と「YZF-R6 レースベース車」の発売を発表。いずれも期間限定の受注生産[…]
2つの断熱シートが冬を制す「着る断熱材」 屋の壁に使われる断熱材のように、外部の冷気の侵入を防ぎ、体から発せられる熱を外に逃がさない。このシンプルな原理をウェアで実現したのがXShelterだ。 その[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に 欧州に続き北米でもスズキ「ハヤブサ」が2026年モデルへと更新された。アルティメットスポーツを標ぼうするマシンは基本的に2025年モデルを踏襲しながら、レギュラーカ[…]
日本仕様はたったの2️種類 各国独自の特別仕様車を除けば、Z1-Rには初代とII型の2種類しか存在しない。ただしZ1-RIIのサイドカバーエンブレムは、欧州仕様:車名そのまま、北米仕様:IIナシのZ1[…]
最新の投稿記事(全体)
お手頃価格のヘルメットが目白押し! 【山城】YH-002 フルフェイスヘルメットが38%OFF コストパフォーマンスと信頼性を両立させた山城の「YH-002」フルフェイスヘルメット。大型ベンチレーショ[…]
Z H2 SEが進化! スマホ連携ナビが利用可能に スーパーチャージドネイキッドのフラッグシップ「Z H2 SE」の2026年モデルが9月27日に発売される。カラーリングが「メタリックマットグラフェン[…]
地域の課題をライダーが解決 舞台となるのは、兵庫県北部の養父市と朝来市にまたがる日本遺産「鉱石の道」だ。ここは、かつて日本の近代化を力強く支えた鉱山の史跡群が点在する、歴史ロマンあふれるエリア。しかし[…]
青ベース、白ベースそれぞれのツートーンが登場 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載(バーチカルは垂直に立ったシリンダーを指す)するW800は、360度[…]
カワサキ大排気量モデルの原点は、2026年モデルも普遍性を継承 目黒製作所の創立100周年だった2024年秋、「メグロK3」が初のデザインアップデートを受けた。2024年11月発売のメグロS1のカラー[…]