
●レポート:山本晋也 ●記事提供:モーサイ編集部(上野茂岐)
世界的に電動バイクが増えている
「自動車業界は100年に一度の大変革期」──そんなフレーズを目にしたことはないでしょうか。パリ協定といって世界中の国々がCO2排出量を減らすことを決めたように、環境対応をしようというのは世界のコンセンサスとなっています。
そうした中で、四輪だけでなく二輪にも電動化の波は来ています。日本ではホンダが業務用のスクーターを中心にバッテリー交換型の二輪車を量産しており、郵便配達などで実際に活用されはじめています。またカワサキが電動のスポーツモデルを開発しているのも知られています。
海外メーカーでは、アメリカのハーレーダビッドソンが「ライブワイヤー」というスポーツタイプの電動バイクを出していますし、台湾のキムコなども電動モデルには積極的です。
ボッシュのような大手サプライヤーから電動化ユニットが出ていることもあり、電動の二輪車については新興メーカーも多く見られる状況になっています。
カワサキが2019年にイタリア・ミラノショー(EICMA)で発表した試作中の電動スポーツバイク。電動車ながらマニュアルトランスミッションを備える。
2019年にカワサキが発表した電動スポーツバイクは10kW〜20kWの出力を発揮し、航続距離は約100km、車重は219kg、車両サイズはニンジャ650よりやや小さいと発表されている。
電動バイクのポイントは「定格出力」で、最高出力とは別物
では、そうした電動バイクの区分はどうなっているのでしょうか。従来のエンジン車であれば排気量によって原付(50cc以下)、軽二輪(250cc以下)などと区別していますが、エンジンを積んでいない電動バイクの場合はそうはいきません。
基本的には電動バイクの場合は駆動モーターの定格出力で区分が決まります。そして、道路運送車両法では、その区分は3つしかありません。
定格出力による電動バイクの免許区分
- 0.6kW以下:原付一種
- 0.6kW超1.0kW以下:原付二種
- 1.0kW超:軽二輪
現在販売中のヤマハ製電動バイク「Eビーノ」(25万9600円)。原付一種スクーター「ビーノ」のEV版といった存在。定格出力0.58kW、最高出力1.2kWで原付一種となる。
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