白バイ警官の服装/装備ってどんなモノ? 自分のバイクを白バイ仕様にできる?【元警察官が解説】
白バイ隊員の主な装備
オートバイが好きな方であれば一度は、白バイの装備や白バイ隊員の制服ってどうなっているんだろうって思ったことがあるのではないかと思います。私も警察官になる前は興味津々で、走っている白バイ隊員の姿を見かけると、凝視していました。
「やっぱり白バイってかっこいいなあ」「あの箱には何が入っているんだろう」「ブーツも制服の一部で支給品なのかな、それとも自前なのかな」「腰に付けているものは重そうだな」等、自分もいつか乗ることを前提に、どんなふうになっているんだろうという気持ちで見ていました。
私自身は沖縄県警に所属していたので、「沖縄の場合は」どうだったのか、といったところがメインとなってくるかもしれませんが、白バイ隊員や白バイの装備について記述させていただこうと思います。沖縄といえば、みなさんご存知の通り、とにかく暑いんですね。
一応防寒着として黒革仕様の制服も支給されていましたが、真冬でも着用したことがありません。こういった話をすると、他の都道府県の白バイ隊員からはうらやましがられるのですが、黒革の制服を着たかった私は寒い地域で乗りたくて仕方ありませんでした。
また、暑さが厳しいため、真夏の乗車は本当にしんどかったです。顔以外は露出できないので、動くサウナ状態、切符に汗が垂れてくるのは日常茶飯事でした。当時の基本的な白バイ隊員の装備は、青色の制服に、無線機のついたヘルメット、グローブ、ブーツ、帯革でした。帯革とは腰に付けた白色の太いベルトのことですが、これに手錠と警棒が備え付けてあります。
制服のなかにプロテクターも必ず着用します。現在は、制服の上から着用するタイプのものが増えているようですが、当時はなかに着用するものが主流でした。それから、制服のポケットには警笛と警察手帳を入れて、常に携帯しています。これらに加えて、夏場以外の季節には、首にスカーフを巻いています。白色のスカーフになりますが、これも支給品です。
季節によって変わる制服
公道を走行している白バイ隊員の姿を見ると、年中同じ格好をしているように見えますが、季節によって制服が違います。考えてみたら当然のことですね。真夏と真冬に同じ服は着てられません(笑)。沖縄の場合は夏用と冬用の2種類と、先程お話したように黒色の防寒用があります。
よく見たらわかるのですが、夏は薄い青色、冬は少し濃い青色となっています。もちろん、素材も違って、夏は薄地で、冬は厚手のものとなっています。沖縄以外の都道府県警察では、合服もあるとのことです。つまり、春秋用の制服です。
赤い制服は女性隊員だけ⁉
通常の取締りやパトロールの際は、男性隊員、女性隊員関係なく、前述した青色の制服を着用しています。ですが、女性隊員が赤色の制服を着ている姿を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
あの赤色の制服はどういったときに着用するのか、疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。あれは大きなマラソン大会や駅伝の先導をするとき、特別なイベント等の際に着用することになっています。
一般のバイクも白バイ仕様にカスタムできる⁉
次に白バイの装備について、解説していきたいと思います。みなさん、白バイの総重量をご存知でしょうか。車種にもよりますが、後ろのボックスや回転灯を含めない状態で300㎏程あるので、300㎏は軽く超えています。
この白バイですが、以前はホンダやスズキの車両しか目にしませんでしたが、現在はBMW等も導入されています。普通の二輪車と違うのは、やはり警察官としての役割を果たすものの装着ではありますが、それは回転灯や速度計測器、無線機といったものになります。
どこにいるのかを知らせるためのGPSも付いているため、警察本部からはどの隊員がいまどこにいるのか、お見通しです。要するに、好きに走っていいわけではないんですね。
ではこうした仕様に一般のバイクもカスタムできるのかというと、もちろんできません。考えてもみてください。白バイそっくりの一般の車両が公道をたくさん走っていたら気が気ではないんじゃないでしょうか(笑)。
赤色の回転灯を購入することはできますが、使用に関しては、道路交通法に定めがあるため、誰もが使用できるわけではありません。回転灯の色で用途が異なります。色の違いにもきちんと意味があるので、気に留めてみるとおもしろいですよ。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(宅島奈津子)
オートバイのメンテナンスは大切 オートバイや乗用車に限らず、どんな乗り物でもメンテナンスは必要不可欠です。定期的にメンテナンスを行うことで、長く乗り続けることができるだけでなく、事故を防ぐことにもつな[…]
基本的なライディングフォーム バイクファンであれば一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、時に白バイ隊員は公道を走るスペシャリスト集団とも言われています。ですが、走行中はライディングフォームを意識す[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
みなさんは、トライクという乗り物をご存知でしょうか。ライダーであればほとんどの方が、目にしたことがあるかと思います。なかには乗ったことがある方も、いらっしゃることでしょう。 このトライク、語源はトライ[…]
交通取締りが行われている場所 安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なくないので[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
H-D正規販売店との絆を取り戻す! 「日本において、ハーレーダビッドソンは世界の中でも稀有な“ハーレー大国”であり続けています。これからもともに、一緒に走り続けていきましょう!」 ハーレーダビッドソン[…]
2.5次元アイドルがアンバサダー!? モーターサイクルショー開催概要 東京モーターサイクルショーの共通するメインテーマは、「いいね、バイク」。大阪のサブテーマには「バイク&ピース」、東京には「バイクっ[…]
いつ乗ったかも定かではない、ガレージの隅で置物になっている錆びたバイク。タイヤはパンクして、エンジンもかからないし、パーツはサビサビ。「こんなバイク売れそうにないし、処分ともなればお金もかかりそう…」[…]
“PLUS”=HondaGOの有料制会員プログラム HondaGOバイクレンタルやHondaGOバイクギアなど、さまざまなサービスを提供するHondaGO。そのサービスをひとつのアカウントで利用できる[…]
ショッパー(紙袋)&クリアファイルをプレゼント【無料福引】 1972年に誕生したモーターサイクルメディアのヤングマシンは、本WEBサイトを中心とするデジタルメディアへ進化することとなりました。[…]
人気記事ランキング(全体)
1999年、東京モーターショーに突如CB Fourが出現! CB Four、ホンダファンは憶えているはず。1999年の東京モーターショーに、何の前ぶれもなく展示されたショーモデル。その名も「CB Fo[…]
モンキーFSシリーズの最新作として誕生! ホンダ「CB1000F コンセプト」で往年のフレディ・スペンサーが駆ったレーシングマシンのカラーリングが話題になったばかりだが、憧れの“スペンサーカラー”をま[…]
孤高のパニガーレV4Sと友好的なパニガーレV2S パニガーレV4Sでサーキットを3本ほど走ると、強烈な疲労感が僕の身体を襲う。汗は止まらず、足腰に力が入らなくなる。試乗直後は格闘技を終えたような感じだ[…]
〈1991年11月〉SR400[3HT3]/SR500[3GW3]:ツートンシート 多重クリアの”ミラクリエイト塗装”によって深みのある艶を実現。シートはツートーンに。レバー/レバーホルダー/ハンドル[…]
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
最新の投稿記事(全体)
もう文句は言わせない!? 黒の6LサイズをWEB限定で販売 昨年、Honda二輪デザイナー監修の「イナレムプレミアム レインジャケット ライディングモデル(4900円)」を発売したワークマン。これが大[…]
ヘルメット自体が鳴る! 後付けスピーカーがキジマ扱いに これまでヘルメットにスピーカーを仕込むときは、内装を外してうまく位置を合わせたり配線処理も行わなければならないなど、何かと大変だった。しかも、フ[…]
なんと“MotoGP全サーキット”を100均ハンガーで再現! 筆者はまったく門外漢なのですが、なんでも鉄道ファンには「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、趣味や嗜好によって、たくさんの棲み分けがあるんだ[…]
Rebel 1100 S Edition Dual Clutch Transmission 新しくタイプ追加されたのは、アクセサリーを標準装備し個性を演出する「Rebel 1100 S Edition[…]
空冷スポーツスター用カスタムパーツを世に送り出し続けているグリーミングワークス(大阪府)。一方で水冷スポーツスターSやナイトスター用パーツもラインナップし、自然な流れでX350用パーツの開発も手がける[…]