【DIY整備】ネジが長すぎて困ったときに。ネジの長さを“エレガント”に詰めるちょっとしたコツ
ボルトやネジは「大は小を兼ね」ない!
「大は小を兼ねる」・・・と言うけども、その限りではないことがあります。ネジの長さもそのひとつ。
長すぎると見た目が悪いだけでなく、ナットの締め込みでソケットレンチが使えなかったり、露出しているネジ山に傷がつくことで取り外しが困難になったりもするため、要注意なのです。
でも、ちょうどいい長さピッタリのネジがあれば最高ですが、サイズの規格によっては中途半端な長さになってしまうこともあるでしょう。今回のケースはエンジンのマウントボルトです。
ほら、長すぎた。
これじゃナットを締め付けるのも大変ですが、それ以上にチェーンに当たってしまうので使えないのですよ。
最初に用意していたボルトが短すぎたのでもう少し長いものを買ってきたのですが、残念ながらこれだと長すぎなのです。この二本のちょうど中間の長さがあればベストですが、あいにく買いに行った店にはそのラインナップがなかったのです。
さて、どうしたものか? このままでは作業が進まないので、長いネジを切断して長さを調整することにしましょう。
切りっぱなしのネジを使うのはちょっと待った!
でもここで注意すべきポイントがひとつ。切りっぱなしのネジはこんな状態になってます(↓)
切断面にバリが出ちゃっていますね。ただ切っただけではネジ山が潰れてしまい、見た目が悪いだけでなく取り付けるのも困難になりますし、同時にナットも痛めることになるため、あらたなトラブルのもとになります。
ひと手間加える「エレガント」なネジの長さ詰め
そこで、ちょっとひと手間加えるだけで簡単かつエレガントにネジの長さを調整する方法をご紹介します。
手順としては大きく分けて3つの作業になります。
- 適当な長さに切断する
- 切っ先のテーパー加工
- つぶれたねじ山の修正
最後の「つぶれたねじ山の修正」ではダイスを使うのが理想的ですが、そんなもの持ってない! という方のために普通のナットを使う方法でいってみましょう。
至って普通のナットです。これでも問題なく修正できるどころか、むしろメリットがあるのでご安心をば。
エレガントなネジの長さ詰め作業(実践編)
先にナットを入れます
まず、切断するネジの奥まで先にナットを入れておくのがミソ。これで九割勝ったようなものです。
切ります
切り方はディスクグラインダーでも金属ノコギリでもOK。意外と金ノコのほうが綺麗に切れるので、筆者的には金ノコがおすすめ。
先端をテーパー状に削ります
切断面はバリが出ているので、これをテーパー状に削ります。といってもアールをつけたり、丁寧に削る必要はなくて、軽く面取りするぐらいで十分!
具体的にはC1ぐらい面とりできればOK。
ここを削っておかないとナットを取り付けるときに斜めになってしまったりして取り付けにくくなってしまうので、面倒がらずに削っておきたいところです。
ねじ山の修正をします
ここからがねじ山の修正になります。
奥まで入れておいたナットを
戻すだけ。
くりくりと往復させます
切断面のところで往復させてやるのが吉。引っかかりがなくなるまでナットを動かしてやればオッケーです。
あとからナットを入れてもいいんじゃね? と思った方もいらっしゃると思いますが、切断時のチカラで歪められたねじ山を正常なほうから押し戻す形になるので、斜めになることもないし、無理なく修正できるのです。これが、先にナットを入れておくことの理由です。
ほい。ネジの切断とネジ山の修正、できました~!
ダイスもいいけどナットにもメリットが
ねじ山の修正については、ダイスを使うのが完璧で最強です。これは間違いない。
だけど、じつはナットを使うことのメリットもあるのです。ダイスは精度がシビアすぎるため、修正しようとしたときねじ山を削ってしまって、厳密な意味では寸法が変わってしまうことがあるのです。
ダイスを通したあとに粉がついていたら、その証拠。そうなると、つまりはネジが少しだけ痩せてしまうので締めためたはずのナットが緩んでしまうこともあるのです。
だけど、ナットならば 適度なクリアランスがあるので、潰れたネジ山を修正するだけで、ねじ山そのものを削ることはないと言えます。削りようがないですしね!
まとめ:ちゃんと手順を踏めば比較的簡単
長すぎるボルトやネジを切って長さを詰めるときは、先端のバリを削ることと、先にナットを入れておいて戻すことによって、簡単かつ確実にねじ山の修正をすることができます。
ちなみに、ネジ山を切るわけではないので潤滑剤などは使わなくても問題ありません。修正についても、軽い力で修正できるはずです。
これらの手順をちゃんと踏むことで ボルトや ネジの切断はそれほど怖い作業ではなくなるので、覚えておいて損はないと思います。この記事が、何処かの誰か様の参考になれば幸いです。今回もありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ホコリや汚れを呼ぶ潤滑スプレー 鍵を差すときに動きが渋いなーとか、引っ掛かるなーと感じたことはありませんか? 家の鍵や自転車の鍵、倉庫の南京錠など、身の回りにはいろいろな鍵がありますが、屋外保管しがち[…]
エンジンがかからなくなった! うちの次男が乗るリトルカブくん、最近どうにもエンジンのかかりが悪いのです。どうやら、ちょっと興味深い始動不良のトラブルに見舞われてるっぽいのです。 「ガソリンタンク」・・[…]
お待たせしました経過報告です 前回のラバゲイン記事、おかげさまで大反響をいただきました。ありがとうございます! そして同時に、「続編が知りたい!」「その後どうなったの?」「どれぐらい持つの?」「いつま[…]
バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
最新の関連記事(工具)
エンジンがかからなくなった! うちの次男が乗るリトルカブくん、最近どうにもエンジンのかかりが悪いのです。どうやら、ちょっと興味深い始動不良のトラブルに見舞われてるっぽいのです。 「ガソリンタンク」・・[…]
バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
人気記事ランキング(全体)
2026年2月発売! 注目のカワサキ製新型ネイキッド3モデルに早速触れてみる 10月30日から11月9日までの期間に開催されたジャパンモビリティショーで初披露となったカワサキの人気モデルZ900RSの[…]
バイクやウエアを問わずに合わせやすいニューグラフィック シンプルながら計算高いデザインに仕上がっており、バイクのカテゴリーやウエアを問わず合わせやすいのが特徴だ。 カラーバリエーションは4タイプが揃う[…]
バイク向けの次世代コネクテッドクラスター かつてオーディオ機器を生産し、現在はカーナビやドライブレコーダーといったモビリティ向けの製品を主力としているパイオニアが、2026年1月6日(火)~9日(金)[…]
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
マルク選手7度目の王者を記念した最新レプリカモデルが登場! マルク・マルケス選手は、2025年のMotoGPシーズンチャンピオンを決め、通算7度目、6年ぶりのワールドチャンピオンを達成した。SHOEI[…]
最新の投稿記事(全体)
メイン収納以外に5ポケットを装備。日帰りから1泊までのツーリングに”使える”ツーリング用ウェストバッグ ツーリングにおける「荷物どこに積むか問題」。 ウェストバッグは腰に巻くだけだから、乗り降りの際に[…]
カブトの技術を結集した150個限定仕様 「F-17R Mips」の最大の特徴は、その帽体構造にある。最新のハイパーガラス繊維と高強度有機繊維素材、そしてカーボンを組み合わせた「A.C.T.-2+C(精[…]
ホコリや汚れを呼ぶ潤滑スプレー 鍵を差すときに動きが渋いなーとか、引っ掛かるなーと感じたことはありませんか? 家の鍵や自転車の鍵、倉庫の南京錠など、身の回りにはいろいろな鍵がありますが、屋外保管しがち[…]
帰省がてら『道-1グランプリ』グルメを堪能 国内最大級の道の駅グルメイベントとして各地の食の豊かさを届けてきた『道-1グランプリ』。7回目を迎えた2025年も「道の駅丹後王国 食のみやこ」で開催。日本[…]
さほど高性能でもない2台のスズキ製250ccスポーツは、なぜ意外と目立つのか? 車検がないのに高速道路に乗れるのが、125cc超~250cc以下の軽二輪モデルのメリットだ。そのため国内各メーカーもこの[…]




















































