【検証】ガソリンタンクに鎖を入れてサビ落とし…昭和のテクニックで本当にサビは落ちる?

先人達は凄い。小手先ではなくて経験則に基づいた凄い技術を後世に遺してくれている。ビバ温故知新! ってことで、今回は「昭和なテクニック」でガソリンタンクのサビ落としに挑んでみるのです。「小石を入れる」「ボルトナットを入れる」そして「鎖(チェーン)を入れす」、そしてひたすらシェイクシェイク! 本当にこれでガソリンタンクのサビが落ちるのか? …いやいや、侮ることなかれ。その結果を刮目して見よ!!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
いや〜、それにしても。あのガソリンタンクの中が悲惨な状態までサビてるなんて思わなかった。…あっ、これはXR100モタードを直していた時の話です。
毎日毎日、長距離の通勤路を走り続けてトリップメーター8万5000kmオーバーの車体。鍵の紛失で開けられなかった、ガソリンタンクをやっと開けることができた時のこと。
通勤仕様だったし。毎日乗ってたし。流石にタンク内のサビはないかと思いきや…えっ?
まさかのサビサビ〜!!
こりゃ酷い。放置車両ならともかく、ずっと走っていた車両でどうしてここまでサビさせることができるのか??
ここはいっちょ試してみたい先人の知恵!
表面にうっすら浮いているとかいう次元ではなくて、明らかにザラザラとした重度のサビ。ここでいっちょ、先人たちの知恵。昭和のガソリンタンクサビ落としを試してみたくなりました。
使うのは…鎖(チェーン)!!
現代のタンクサビ落としクリーナーのような科学的なアプローチではなくて、鎖を擦り付けてサビを落とすという、なんとも強烈な物理的攻撃ですからして、その威力は推して知るべし。
とは言っても、私もはじめてトライするので、ぶっちゃけどれくらい効果があるかわかりません。タンクサビ落としクリーナーを使う前の、前哨戦的な軽いノリでトライしてみましょう〜!
やり方は簡単なれど腰痛には要注意!!
やり方は自体はとても簡単ですが、腰痛持ちの方にはオススメできません。結構ハードです。
まずは、内部洗浄のための洗剤と水を入れて、そして、ガソリンタンクの中に落ち込まないように紐なり針金なりで縛ったチェーンを給油口か中に入れます。
チェーンに紐をつけてざらざらっと入れます。いってらっしゃ~い
あとは…
ひたすらシェイクするのみ!!!
チェーンがガソリンタンク内部の全面を擦れるように、向きを変えながらひたすらシェイクします。
横方向、縦方向、そしてナナメにも。ひたすら、シェイクシェイクシェイク!!
これ、やってみればわかりますが、ガソリンタンクの重量+水の重さ+チェーンの重さに加え、慣性の法則が働くので、ガチでキツイです!!
休み休みですが、合計15分はシェイクしたでしょうか?
ハァ… ハァ…マジでしんどい。
これで効果無かったらマジで凹みますが…
さて、ガソリンタンクの中のサビはどうなったでしょうか??
ちょっとヤバかったのは、チェーンにビニール紐をつないでいたのですが、予想以上にハードな動きをしたようで切れかかっていました。危なかった!
(もしこれで紐が切れたら、タンクの中からチェーンを引っ張り出すのが地味に大変なので、皆様もお気をつけください)
さてさて出てきたチェーンはどんな状態かというと、びっくりするほど茶色に染まっています。
これは言うまでもなくサビが付着していると思われますが、考えていたよりかなり激しいシェイクになっていたようです。ビニール紐もボロボロだったし、これはひょっとすると効果の方も期待できるでしょうか?
高圧洗浄で洗って、果たしてガソリンタンクの中身は・・・?
タンクの内部を高圧洗浄機でしっかり洗います。
そして、肝心のガソリンタンクの中身がどうなったかというと…。
おっ?
よよよよっ!?
綺麗になってる~!!
さすがにタンクサビ取りクリーナーのように全てを化学的に変化させて錆を除去してくれるわけではないですが、あんなにザラザラに錆が発生していたのがまるで嘘のようにはがれてしまいました。
…えっ、どゆこと?
汚れていただけ??
いやいやいや、触って確認しているので、間違いなくサビが発生していましたが、こうやってアフターの写真を見ると、まるでズルしてタンクを入れ替えたのかのように別ものになってしまいました。
ええっと、ちょっと信じがたい結果ですが、紛れもない事実です。
結局、用意していたタンクサビとりクリーナーの出番なし!?
実のところをぶっちゃけちゃいますと、この「昭和のタンク錆落とし法」の効果はあまり期待していなかったので、あとでタンクサビ取りクリーナーを使う予定だったのですよ。そのために用意までしていたのですが…なんか無駄になっちゃいましたね(笑)。
ちなみに後日談ですが、このガソリンタンクはこの後も使い続けて、すでに2年近く経過していますが、まだサビは発生していません。確かにガソリンを入れるように気をつけてはいるのですが、特に問題もなく走っています。
先人の知恵、恐るべし!!
如何でしたでしょうか?
今回は鎖(チェーン)を使いましたが、ほかにもボルトナットを大量に入れる方法や、小さな石をたくさん入れるというワイルドな方法もあります。なんにしても結果はご覧になっていただいた通り、かなりの威力があることが証明されました。
実際やってみて感じたのですが、昔からの方法と、現代のケミカルな方法、どちらが優れてるというわけではなくて、適材適所で使い分けるのがいいのかもしれません。
特にケミカル類は、サビ落としには強いですがそれ以前の汚れには弱いので、サビ落とし前の洗浄方法として、今回のようなやり方を織り交ぜてみてもいいかもしれませんね~。
この記事が、何処かの誰か様の参考になれば幸いです。今回もご視聴ありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
空気圧のチェック。「適正圧」には意味がある タイヤの空気圧管理、ちゃんとやってますか? この「ちゃんと」管理ってとこに、実は落とし穴があるんですよね~。たとえば、空気圧が低いとグリップ力が低下したり、[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
地味に迷ってない? スパナのサイズ選び スパナやレンチのサイズ選びって、地味に迷いますよね。もちろん、バイクメンテのエキスパートともなれば、見ただけでボルトやナットのサイズがわかるものですが、ビギナー[…]
タイヤの皮むきの必要性 「タイヤを新品に交換したらやるべき」とされているタイヤの皮むき。具体的にどのような必要性があるのかというところから、話を始めたいと思います。 新品タイヤの表面には、製造時に使わ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は大ヒット街道まっしぐら、女性人気も高いホンダ「レブル250(S[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
創業60年以上の老舗メーカーの強力アルカリクリーナーに注目 モータリゼーションの先進国・アメリカでは早くから洗車やディテーリング産業が確立しており、より短時間で効率よく愛車を輝かせるためのケミカル製品[…]
空気圧のチェック。「適正圧」には意味がある タイヤの空気圧管理、ちゃんとやってますか? この「ちゃんと」管理ってとこに、実は落とし穴があるんですよね~。たとえば、空気圧が低いとグリップ力が低下したり、[…]
人気記事ランキング(全体)
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表 欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
北米にもあるイエローグラフィック! スズキ イエローマジックといえば、モトクロスやスーパークロスで長年にわたって活躍してきた競技用マシン「RMシリーズ」を思い浮かべる方も少なくないだろう。少なくとも一[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
最新の投稿記事(全体)
イベントレース『鉄馬』に併せて開催 ゴールデンウィークの5月4日、火の国熊本のHSR九州サーキットコースに於いて、5度目の開催となる鉄フレームのイベントレース『2025 鉄馬with βTITANIU[…]
ロングツーリングでも聴き疲れしないサウンド 数あるアドベンチャーモデルの中で、草分け的存在といえるのがBMWモトラッドのGSシリーズ。中でもフラッグシップモデルのR1300GSは2024年に国内導入さ[…]
カラーバリエーションがすべて変更 2021年モデルの発売は、2020年10月1日。同年9月にはニンジャZX-25Rが登場しており、250クラスは2気筒のニンジャ250から4気筒へと移り変わりつつあった[…]
圧倒的! これ以上の“高級感”を持つバイクは世界にも多くない 「ゴールドウィング」は、1975年に初代デビューし、2001年に最大排気量モデルとして登場。そして2025年、50年の月日を経てついに50[…]
カワサキ500SSマッハⅢに並ぶほどの動力性能 「ナナハンキラー」なる言葉を耳にしたことがありますか? 若い世代では「なんだそれ?」となるかもしれません。 1980年登場のヤマハRZ250/RZ350[…]
- 1
- 2