BMW G310GSで行く。奥座敷のその奥へ…東京最果て紀行
山梨県との境である東京都最西端のまち、奥多摩。東京の奥座敷と言われる当地において、さらに一歩、二歩と奥深くに分け入っていく最果ての旅。バイクだからこそ体験できる驚きの東京がそこにある
●文:田中淳麿 ●BRAND POST提供:BMW Motorrad
緑が深く濃い最果ての林道。文化的にも見どころが多い
幕府の直轄領(天領)であり、現在でいうガスのように江戸庶民の生活を奥多摩の炭が支えていた頃、また戦後の高度経済成長期、林業華やかなりし頃がもっとも集落が繁栄していた頃だろう。
当時の名残は集落に残るいくつかの蔵からも見て取れる。こうした天空の集落を訪れと「どうしてこんなところに住んでいるのか」という疑問がつきものだが、その理由がこれだ。現在は炭焼きも林業も衰退してしまったのでイメージしにくいが、かつては多くの人が生活し、独特の文化や祭りを行っていた。江戸時代からの営みがまだここには残っているのだ。
秘められた景色に出会うには、それすなわち道を探求するほかない。奥多摩ツーリングといえば多くのライダーは奥多摩周遊道路をメインに考えるだろうが、ここは奥座敷のさらに奥。
留浦地区のメインルートである林道奥沢線は奥多摩湖をまたぐ真っ赤な峰谷(みねたに)橋から鷹ノ巣山へと延びる一本道だ。初っ端に駐在所があるところが東京都らしいが、その後はクルマの離合も難しいほどの1~1.5車線道路が続く。
路面が苔むしていることも多く、スリップによる転倒には注意しなければならないし、上りのタイトなヘアピンでは運転操作とライン取りに神経を使う。走りやすくて舗装状態もよい周遊道路とは対極にあるが、だからこその絶景も潜んでいる。走りながら探すのだ。
留浦地区の峰谷川で大物に挑む渓流釣り
なお、国道411号(青梅街道)沿いの奥多摩湖周辺と言えどもそうした景色を見つけることができる。とくにお勧めなのが奥多摩むかし道だ。ハイキングやトレッキングを趣味にする人ならご存じかもしれないが、ここは武蔵国と甲斐国をつなぎ、物資の搬送路でもあった旧青梅街道の名残りだ。
しかもこのむかし道、一部ではダートのまま整備されていて、バイクで走りながら名所旧跡を巡ることもできる。自然信仰や民間信仰を伝えるものも多く、山里の暮らしぶりが垣間見える道となっている。
また、奥多摩湖には湖畔から突き出た岬がいくつもあるが、こうした岬の奥にも特筆すべき風景や民俗文化的に貴重な遺産が残されている。とくに温泉神社があり獅子舞が伝わっている小河内原や湖畔が間近で景色が美しい川野(上写真)などはお勧めだ。
ちなみに奥多摩はヤマメやイワナの大物が釣れることでも知られている。熊対策を忘れずにぜひ渓流釣りも楽しんでほしい。心地よく流しているだけでは決して見られない景色がそこにもあるのだ。
急坂モノレールが衝撃的! ! 尾根筋の一軒家にも理由あり
青梅街道から周遊道路を経て都内唯一の村、檜原(ひのはら)村へ向かう。奥多摩町と同じようにそのほとんどが山林という緑豊かな地域だ。文化的にも似ているが、こちらは檜原街道(都道206号線)や甲州街道との関わりがより深い。この檜原村の陣馬尾根に一軒の山岳民家が復元されている。
その名も小林家住宅と言う。平成20年(2008年)までは養蚕に適した兜造り・トタン屋根の建物であり一般住居として使用されていたが、重要文化財として保護するために江戸時代の建造当時、入母屋造りの茅葺き屋根に修復・復元されたものだ。その気合いの入り方たるや脱帽で、尾根筋までのモノレールを敷設し無料で運行されている。このモノレールが凄いのなんのって、これはもう体感いただくよりほかはないだろう。
なお、ここでまた「なぜこんな尾根に住んでいたのか」という疑問が湧くわけだが、これがじつは合理的。古道の多くがそうであったように谷筋に道を作るのは大変であること、それにより山に住む人々は古来から尾根筋を主要な街道としていたこと、これに尽きる。
小林家住宅も3本の尾根が交わる出合(であい)に建っており、交通の要所に位置している。重機で道をつくる現代では想像できないが、山の民の暮らしぶりを知れば、納得できるようになる。旅立つ前に知識を深め、ぜひ自分だけの秘景探訪に出かけてみてほしい。
旅の相棒:BMW G310GS
足つき性の良さと細身の車体、低~中回転での粘り強さのおかげで急坂の林道走行でも不安がなく、取り回しでも扱いやすさが光った。また、電子制御スロットルの操作性はリニアでレスポンスがよく、長距離走行でも疲れにくかった。
※本記事はBMW Motorradが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 2024/08/17
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