スクーターもオフロードも充実。モータリスト取り扱い全ブランド一気試乗【後編】「Lambretta」「Royal Alloy」「FANTIC」「SYM」「MOTORISTS」
2023年春、静岡県のバイカーズパラダイス南箱根で、モータリストが「BRIXTON」「GOWOW」といった今話題のブランドを含めた、取り扱い全ブランドの試乗会を開催しました。 実際に乗ってみてもらうことで、モータリストが多ブランド展開する意味が鮮明になってきました。後編では「Lambretta」「Royal Alloy」「FANTIC」「SYM」「MOTORISTS」を紹介します。 前編では「BRIXTON」「GOWOW」「FELO」「MOTORIST E-COMMUTER」を紹介しました。
記事はこちらとなります。
●BRAND POST提供:MOTORIST(モータリスト)
伝統のスタイルと軽快な走りが共存するLambretta
イタリア北部のランブラーデ地区にある「イノチェンティ鋼管工場」で誕生した「Lambretta」。イタリア語の「軽量、迅速、軽快」を意味する「ランブルス」に由来するランブレッタは、1960年代に流行したモッズ・カルチャーを象徴するモデルとして世界的に大人気となりました。
その後、イタリアの労働争議に巻き込まれて工場を閉鎖しましたが、ランブレッタの人気は根強く、多くの不法コピーモデルも出回りました。
そこで、ランブレッタ・ブランドを保有する「イノチェンティ家」は、1997年にライセンス生産を含む全車両の生産を中止しました。それから20年を経た2017年、イノチェンティ家は「KSRグループ」との共同出資により「ランブレッタ有限会社」を設立。
50/125/200の3つの排気量と、Fix/Flexの2つのフロントフェンダーを組み合わせたスクーターで復活を遂げました。
現代のテクノロジーで走りも洗練
伝統の高剛性スチール・モノコックボディは、航空技術を駆使した超薄型鋼板を組み合わせて軽量化されています。灯火類はすべてLED化、速度/燃料/電圧/時計などを表示する大型液晶ディスプレイはバックライトを7色に変更可能。
グローブボックス内にはUSBチャージャーを装備するなど、最新のテクノロジーを多数搭載していながら、一目でランブレッタと分かる流麗なスタイルとなっています。
空冷4ストロークエンジンは高回転までスムーズに回り、ストレスのない加速性を発揮します。アウターパネルに樹脂を組み合わせた軽量な車体は、軽快なハンドリングにも貢献していて、ワインディングでの走りも楽しめます。
流麗なスタイルには軽快な走りとスクーターらしい利便性が兼ね備えられ、伝統と進化を両立しているのが現代版ランブレッタなのです。V125のみ伝統の固定式フロントフェンダー(Fix Fender)が選べます。
フル・スチール・ボディのリアル・クラシック「Royal Alloy」
イギリス中西部のウィガンに本社を置く「Royal Alloy」は、1960~70年代のクラシック・スクーターの作りとデザインを、現代によみがえらせることをテーマとしたメーカーです。
代表のスティーブ・オリバー氏はインポーターとしてランブレッタをはじめ、多くのブランドを紹介してきましたが、かつてモッズ文化を率いてきたスクーター大国イギリスに「改めてクラシック・スクーターの美しさをよみがえらせたい」という思いからロイヤルアロイを作り上げてきました。
リアル・クラシックを掲げるロイヤルアロイは、フェンダーライン、レッグシールド、サイドカバーといったボディをスチール製としています。
さらに、当時のモデルを3Dスキャンし、見事なプレスワークで美しさを再現しています。そのスチールカバーはスチールフレームと組み合わせられ、フル・スチール・ボディを現代で唯一採用しているブランドになっています。
高剛性の安定感ある走りも楽しい
GP125は往年のランブレッタ・シリーズ3を範としたモデルですが、空冷エンジンはユーロ5適合の最新版です。変速はCVTで、まさにシームレスな加速性を発揮します。フル・スチール・ボディとダブルショックアブソーバーを装備したフロントサスは、低速域での取りまわしに少し重さを感じます。
しかし、走行時のフロントサスの作動性はよく、フル・スチール・ボディは高剛性かつ路面からの衝撃を受け止めるしなやかさがあり、速度を上げていくほどに車体の安定感も増していきます。小排気量スクーターにありがちな車体の振られは皆無で、快適なクルージングが楽しめます。
リアル・クラシックとしての美しいスタイリングはもちろん、125クラスを超えた安定感のある走りはGP125ならではのもので、ぜひ体験してほしい乗り味です。
GP125には水冷4ストロークエンジンを採用したGP125S(価格74万8000円)もラインナップされています。カラーは単色が14色、2トーンが3色と、バリエーションの豊富さも特徴です。
オンもオフも走る楽しさにこだわり続ける「FANTIC」
1969年に50ccのボーイズ・スクランブラーを発売したイタリアの「FANTIC」。キッズ向けながら本格的な走りが楽しめ、イギリスやアメリカでも大人気となりました。
初モデルでバイク作りに確かな手応えを得たファンティックはレースにも参入し、1980年代にはトライアル世界選手権で3度チャンピオンを獲得するほどのメーカーへと成長しました。
そうしたノウハウを生かしてラリーやエンデューロレースにも挑戦しますが、そこではチャンピオンを獲得できず、トライアル人気が沈静化したこともあって、ファンティックの経営は行き詰ってしまいます。
その後、ファンティックはイタリア人実業家に買収され、オフロードレースモデルをラインナップします。
大きな転換点となったのは2014年です。イタリアの実業家グループがファンティック復興に乗り出し、新分野の電動アシスト・マウンテンバイク(e-MTB)を開発します。ファンティックのe-MTBは草分け的存在として世界的に人気となり、ファンティック復興を推し進めることになりました。
そして2017年。全域でパワフルなオリジナルエンジンを搭載した「キャバレロ・スクランブラー」を発表しました。このキャバレロ・スクランブラーも世界的に人気となり、「デラックス」「エクスプローラー」といったバリエーションを増やしつつ、進化し続けているのです。
走る楽しさを磨き続けるスクランブラー
ファンティックがスタートした60年代は、公道のほとんどが未舗装路でした。そんな未舗装路も走ることができるモデルがスクランブラーと呼ばれ、本来はオンとオフの走破性能も求められていたのです。
この「キャバレロ・スクランブラー」は単なるレトロスタイルではなく、極低回転域でトルクが粘り、高回転までスムーズなパワー特性を発揮し、市街地はもちろん、林道も高速道路も軽快な走りを楽しめる走破性能を持ち合わせています。
今回試乗したキャバレロ・スクランブラー500は、2017年登場の初期型とスタイリングはほぼ変わっていません。
しかし、ユーロ5に対応するためにエキパイ内の触媒が大容量化されるなど、排出ガスはよりクリーンになっています。また、エンジンやトランスミッションの構成パーツも改良されています。
旧500はアクセル開け始めから太いトルクが立ち上がり、ビッグシングルらしい荒々しい乗り味でしたが、最新500はトルクの立ち上がりがソフトになり、加速時のギヤのつながりもよりスムーズになっています。パワーは必要充分以上出ているので、さらに乗りやすくなっています。
「デラックス」はディープグレーのタンクカバー、バーパッド、ブラウンのシートなどを装備し、街に似合うイメージとなっているのが特徴です。キャバレロ・スクランブラー、デラックスともに125(価格97万円・デラックスは98万円)と500がラインナップされます。
オフ性能を高めたミドル・アドベンチャー
キャバレロ・スクランブラー500をベースに、前後サス・ストロークを50mm延長したフルアジャスタブルへと変更し、ヘッドライトガード、メーターバイザー、ラジエターガード、アンダーガードなどを装備し、オフロード性能を高めた「ラリー500」(価格:130万円)が追加ラインナップされました。
そして、このラリー500にタンクバッグ、リヤキャリヤ、サイドバッグ用キャリヤを装備し、ツーリングでの利便性を向上したアドベンチャーモデルが、この「エクスプローラー500」です。
サス・ストロークの延長でシート高は40mmアップの860mmとなり、足着き性はやや厳しくなっています。車重も150kgから153kgとなり押し引きで重さも感じます。けれど、前後サスは衝撃吸収性がさらに向上し、スムーズなストロークは乗り心地のよさにもなっています。
重量増とはいえ、アドベンチャーモデルの中では軽量で、林道ではトレールマシンのような扱いやすさも感じられます。キャバレロシリーズで積極的にオフを楽しみたいなら「ラリー500」、キャンプやロングツーリングを楽しみたいなら「エクスプローラー500」がおすすめです。
長年培ったノウハウが注ぎ込まれたプレミアム・トレール
1975年から始まったオフロードレースへの挑戦は、何度かの転機を迎えても、現在に至るまで連綿と続けられています。そこで得た膨大なノウハウは市販レーサーだけでなく、公道走行を考慮したトレールモデル「XEF250Trail」「XEF125」にも注入されています。
2021年に改良された250のエンジンは、250トレールモデル以上のパワーを発揮しつつ、ピュア・レーサーほどの凶暴さはなく、全域での扱いやすさと信頼性も確保しています。
ダートでマシンを操る楽しさは抜群!
XEF125の水冷4ストロークエンジンにはVVA(可変バルブタイミング機構)が搭載され、電子制御フューエルインジェクションと組み合わせることで、低回転から高回転までスムーズな吹け上がりを実現しています。最高出力は驚くほどパワフルというわけではないですが、全域で粘るトルクが発生するのでビギナーも扱いやすさを体感できます。
シート高は915mmと高いですが、108kgと車体が軽量なので押し引きが苦になりません。また、軽量な車体はアクセル操作に対するダイレクトな反応と、前後サスの衝撃吸収性向上にも貢献しています。ダートでのマシンコントロールのしやすさは、ファンティックでトップレベルと言えるでしょう。
オフロードマシン作りの経験に基づいたファンティックのe-MTB
2014年に新体制となったファンティックは、新たな挑戦としてe-MTB(電動MTB)を開発しました。それまでのMTBデザインの発想にとらわれず、オフロードマシン作りで培った経験を基に、前後で異なるタイヤサイズを採用し、リンク式リヤサスペンションを装備してトラクション性能を向上させるなど、プロのMTBライダーを納得させるほどのパフォーマンスを実現していたのです。
「走る楽しさ」が感じられるファンティックのe-MTBは、たちまち欧米で大人気となり、この成功がオートバイメーカーとしてのファンティック復活の原動力にもなっているのです。
「ハードテール」「トレイル」「オールマウンテン」「エンデューロ」「ダウンヒル」の5つカテゴリーを設け、フレームは「フルカーボン」「カーボン」「アルミ」の3タイプを用意。
多くのモデルがラインナップされる中から、日本のフィールドに最適なモデルをモータリストがセレクトしています。
また、自転車と原付バイクをつなぐe-bikeとして、ペダル付きスクーター「モペッド」のデザインを継承した「ISSIMO」も完成。その日本仕様もモータリストによって導入されています。
欧州で認められたクオリティと性能を持つ「SYM」
「SYM」ブランドを製造する台湾の「三陽工業」は、ホンダと協力して1954年に設立しました。それから60年以上の技術開発を続け、現在は中国、ベトナム、インドネシアに生産拠点を設け、さらに中国、イタリア、ドイツに子会社を展開し、スクーターを始め、アドベンチャーモデルなどを製造しています。
スポーツ性や動力性能に厳しいヨーロッパ、コストに厳しいアジアの両地域で鍛え上げられたSYMの性能・品質・コストパフォーマンスは、台湾だけでなく世界90カ国で高い評価を得ています。
日常的に使用されるスクーターだからこそ、モータリストは大量の補修部品も日本国内に在庫し、安心して乗れる環境も整備しています。
欧州で大人気のステップスルー・スクーター
「JET14 200」はSYM史上、ヨーロッパで最高販売台数を記録したモデルです。乗り降りしやすいステップスルー、明るいLEDヘッドライト、小物入れ内にクイックチャージ2.0充電器を装備し、日常の利便性のよさを確保しつつ、前後14インチタイヤによる操縦安定性と乗り心地のよさも兼ね備えています。
空冷4ストローク169ccエンジンは、常用域のトルクとパワーに余裕があり、市街地やワインディングでも扱いやすく、高速道路の移動にも対応しています。安心のライディングを楽しみながら、抜群の使い勝手のよさを感じられる、まさにコストパフォーマンスにすぐれるスクーターです。
高いスポーツ性能を持つハイパフォーマンスモデル
「JET X」は、欧州で大人気のJET14をベースに、水冷4ストローク124.6ccエンジンを搭載して動力性能を向上しています。フレーム形状の違いによりセンタートンネルが設けられ、ステップスルーの利便性はなくなりました。
しかし、このセンタートンネルのおかげで車体をホールドしやすくなり、フレーム剛性の高さもあってマシンコントロール性は格段に向上しています。
しっかりした車体は、低回転から太いトルクを発揮する水冷エンジンとの相性がよく、アクセルワークに対してストレスのない反応をみせてくれるので、狙ったラインをキープしやすくコーナリングも楽しめます。
LEDヘッドライト、LCDディスプレイ、リモコンキー、クイックチャージ2.0充電器など装備も充実し、シート下にはヘルメット1個を収納可能です。ブレーキは前後連動のコンビシステムを採用しています。気軽に乗れるスクーターらしさにスポーツ性能をプラスした、楽しめる1台になっています。
新たな楽しさを提案するMOTORIST
これまで多くのブランドを紹介してきましたが、モータリストは脱炭素化や長期的視野に立った商品の開発も進めていました。それがODM(Original Design Manufacturing)の電動モデルです。
ODMの相手先は中国の重慶に本社を置く「威利科技実業有限公司」で、エンジン付き車両の製造実績を持ち、開発速度が速く、日本仕様の価値や意味を理解でき、モータリストの要求に柔軟に対応できるパートナーです。
KSRグループ発の電動ブランド「MOTRON」
オーストリアのKSR社が、これからの中核を担うブランドとして立ち上げた「MOTRON」。
中国を中心に製造を行ないますが、モデルに応じて適材適所で工場を選択し、現地事務所でしっかりと品質を管理しています。スクーターなど多くの電動モデルがラインナップされていますが、「特徴あるモーターライフを」というテーマで、モータリストがセレクトしたモデルを国内に導入しています。
楽しいバイクはたくさんある!
これまで多くのブランドを紹介してきましたが、モータリストが取り扱っているのは、「ブランドとして筋が通っていること」「スタイルがかっこいいこと」「乗って楽しいこと」が揃っているブランドばかりです。
世の中にはまだ、これだけの楽しいバイクがあるのに、そういうことを発信しているバイクショップが減少しています。そんな状況を変えるために、モータリストは多くのブランドを取り扱っているのです。
売りっぱなしにせず、部品供給やアフターサービスも対応していますので、気になるブランドを取り扱っているバイクショップで、ぜひ実車を確認してみてください。
さまざまなブランドを取り扱うモータリストとはどんな会社?
業界の内外から、「モータリスト合同会社」をよく知る方々に、いったいこの会社、なんだろう、を忖度抜きに本音で語っていただきました。
モータリストはファンティックやランブレッタ、SYMといった海外のオートバイを日本に輸入、販売している会社。ところが、輸入商社でもなく、何よりもバイクの楽しさを大切にし、右から左に捌くのではなく販売店とともにどうやってお客様に親しんでいただけるかを最優先課題として取り組んでいます。
それは本当なのか?そんなことができるのか?
この動画で、じっくりと関係者の話を聞いていただければ、どんな思いをもっているのかを感じていただけるかと思います。ぜひご覧ください。
※本記事はMOTORISTSが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。