スズキ ’22ハヤブサ 試乗インプレッション【優れた資質を継承し、電脳が走りにゆとりを追加】
スズキのハヤブサが13年ぶり2回目のフルモデルチェンジを果たしたのは2021年。’22モデルではカラーバリエーションを刷新、ホワイト/ブラック/グレーの3色をラインナップして、3代目ハヤブサはますますその魅力に磨きを掛けている!
●文:ヤングマシン編集部(青木タカオ) ●写真:長谷川徹 ●BRAND POST提供:スズキ
’22ハヤブサはカラバリを変更。完成度の高さは不変
フラッグシップと呼ぶにふさわしい堂々たる佇まい。ハイスピード走行を実現するエアロダイナミクスデザインや縦型2灯のヘッドライト、ライダーとマシンが一体となる流麗なフォルムなど、レジェンドと化した従来型の系譜を受け継ぎながら、’21年に13年ぶりにフルモデルチェンジされ、3代目へと進化したハヤブサだ。’22モデルではカラーバリエーションを変更。その標準色=黒艶消し黒が目の前にある。
イグニッションを入れると、カラー液晶ディスプレイに「隼」の文字が表示され、心ときめく。始動は確実に一発。エンジンが掛かるまでセルモーターを回すイージースタートシステムがあるからで、ニュートラルのときにクラッチレバーを引く必要もなくなった。左右2本出しのマフラーはアイドリングから野太い重低音を奏で、勇猛なスタイルにサウンドもマッチしている。
試乗インプレッション:操作性、快適性ともに極上 質の高さを味わう
さぁ、ハヤブサが羽ばたく瞬間だ。クラッチミートに手こずったり、神経質になる必要はない。発進時や極低速走行時のエンジン回転数を自動的に少しだけ高め、エンジンストールのリスクを軽減するローRPMアシストのおかげもあり、見た目からは想像もできぬほど軽やかに車体を押し進めていく。このとき、もしスロットルを大胆に開けようものなら、ダッシュは強烈としか言いようがない。まさに最強、すべてを置き去りにしてしまう。
コーナーでも、そのダイナミックな姿からは信じられないほど、意のままに操れる。進入でスパッと車体を寝かし込め、大排気量車にありがちな倒し込みからステアリングがインに向くまでのタイムラグは極めて少ない。
そして高速道路に上がれば、トップ6速での100km/h巡航を3200rpmでこなし、“300”まで刻まれる目盛りが示すとおり、余計に速度を上げても車体もエンジンもまだまだ余裕タップリと言わんばかり。不快な微振動や大味な挙動もなく、車体は落ち着き払って、乗り手にスピードを感じさせない。ロングライドでも疲れ知らずのコンフォート性の高さが際立つ。
’99年に誕生した初代で実測300km/hに手が届き、空力特性に優れるフルカウルボディや強靭なエンジン、そのパワーを受け止めるフレームといった車体構成が、いかに先進的で高次元であったかを証明するかのように、2回のフルモデルチェンジでは基本メカニズムを従来型より踏襲し、磨き上げてきた。ハヤブサらしさをそのままに、最新のエアロフォルムと電子制御を採用した3代目は、ハイパフォーマンスをそのままに完成度をさらに高めている。
速度調整をクルーズコントロールに頼り、アップ/ダウン対応のクイックシフターによってクラッチやスロットルの操作をせずにギヤチェンジもできる。6軸IMU搭載によるトラクションコントロールやコーナリングABSが絶大なる安心感をもたらし、ゆとりをもって高速道路や街を流せる。ハヤブサは現行型もまた“傑作”と呼び声高いのも十分に納得がいく。
’22 スズキ ハヤブサ 各部紹介
ライディングポジション:足着き性に優れフィット感も◎
3代目でグリップが12mm近くなってグリップを支えるのがラクになったが、ハンドル垂れ角があり、上半身はスーパースポーツほどではないにせよ前傾姿勢であることは変わらない。シート高は800mmで先代より5mm低くなったが、カカトまで地面に足が届き、数値以上に足着き性が良くなったことを感じる。
跳ね上げ角が鋭く、速さを連想させるマフラー
足まわりはブレンボ製スタイルマキャリパーで武装
主要装備
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