![[自分だけのバイク選び&最新相場情報]ホンダPCX/160(2020/2021)モデル比較試乗レビュー](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。
ホンダPCX/160(2020/2021)比較試乗レビュー
この記事では、ユーロ5に対応するため全面的に刷新し、第4世代となった2021年モデルと前年にあたる2020年モデルについて比較して紹介するぞ。 ※以下、2021年4月公開時の内容に基づく
4バルブ化で車体まで刷新。死角なしのフルチェンジ!
原付二種と軽二輪の両クラスで快進撃を続けているホンダPCXシリーズ。フレームを大刷新した先代モデルは、量産2輪車では世界初となるハイブリッドや、フル電動のエレクトリックを追加するなど、常に話題の最先端にいた。
2021年のフルモデルチェンジのきっかけは、欧州のユーロ5や令和2年排ガス規制への対応だったという。新設計となったエンジンは、SOHCのまま2バルブから4バルブとなり、ボア径を拡大。また、摺動抵抗を低減するためにストローク量を短縮し、圧縮比を高めている。
さらに、ピストンオイルジェットや油圧カムチェーンテンショナーリフターなどの採用も注目に値しよう。これらにより125ccモデルは、厳しい排ガス規制をクリアしながらも12psから12.5psへと微増。また、軽二輪クラスの150は排気量を7cc増やして156ccとなり、車名を「PCX160」に変更。こちらも15psから15.8psへと最高出力をわずかに高めている。
“eSP+”と名付けられたこのエンジン。先のeSPから懸架方式が変更されたことで、フレームも完全新設計に。タイヤ幅は前後とも1サイズずつ太くなり、リヤはADV150と同じ13インチに。ブレーキはリヤがディスク化され、さらに125も含めABSが標準装備となった。
【’21 HONDA PCX/160】初代の水平基調デザインを現代的に解釈してアレンジされた4代目。125の車重は先代から不変、160は7kg増に。●色:白 赤 黒 グレー シルバー(125のみ) ●価格:[125]35万7500円/[160]40万7000円 ※写真はSTD(125)
【’20 HONDA PCX/150】フレーム刷新でライバルとの差をさらに広げた3代目。ハイブリッドやエレクトリックなどの新展開でも活躍。※写真はSTD(125)
2020年モデルで4mmアップしたシート高(764mm)を2021年モデルでも継続。フットスペース平面部のさらなる拡大により、PCXらしいゆったりとしたライディングポジションに磨きがかかっている。[身長175cm/体重62kg]
エンジン:燃焼効率向上を目指して新開発
来たるユーロ5に対応しつつ競争力を高めるために、エンジンを新規に開発。現行の2バルブや3バルブなども含めて検討した結果、プラグがセンターにある方が燃焼効率がいいことから、最終的に4バルブが選択された。125と150で共通だったストローク57.9mmは55.5mmとなり、それぞれボアを拡大。
圧縮比アップによりピストンがより高温となることから、耐久性を高めるためにピストンオイルジェットを新設した。さらに油圧カムチェーンテンショナーも導入。
【厳しい規制に対応しながら、出力は両モデルともに微増】両モデルともスロットルボディ径をφ26→28mmに拡大し、エアクリーナーボックス内部には特許出願中の整流板を新設した。
【低抵抗技術は引き続き採用】4バルブ化に伴い名称が“eSP+”となったが、ローラーロッカーアームやオフセットシリンダー、スパイニーシリンダースリーブといった基幹技術はeSP以前から不変だ。
出力特性イメージ(左:PCX / 右:PCX160)
シャーシ:乗り心地を徹底的にアップ
快適で上質な走りを実現するためにフレームを刷新。ホイールは新デザインとなり、リヤは14→13インチへ。タイヤ幅は前後とも1サイズアップし、リヤは2名乗車時のみ指定空気圧を225kPaから250kPaへ。リヤサスペンションはレシオを変更し、トラベル量を10mm増やして95mmへ。スプリングは線径を上げて、内側に樹脂ケースを追加して防塵性を高めつつ、外観に力強さを付加した。
【ダブルクレードルが進化。760gもの軽量化】初代前期、初代後期~2代目、3代目、そして今回で4世代目となるフレーム。よりダブルクレードルに近付き、リヤフレームは2代目以前と同様に1本のパイプで構成。エンジンリンクは初代前期と同じ上部へ。CAE解析による最適化によってフレーム単体で760gも軽量化。
【トラクションコントロール初導入で安心感アップ】HSTC(ホンダ セレクタブルトルクコントロール)を新採用。後輪のスリップ率を算出して燃料噴射量を制御するもので、作動時はインジケーターが点滅する。オン/オフの選択も可能だ。
手に伝わる振動を軽減するため、ハンドルホルダーを初めてラバーマウント化。操縦性とのバランスを考慮してラバーの硬度を決めたという。
【リヤディスク化&前後連動廃止】フロントのみが作動する1チャンネルABS。PCX125は初採用で、PCX160はこれに一本化。リヤはドラムからφ220mmディスクとなり、コンビシステムは廃止。パーキングは今回も採用せず。
装備:コスト度外視で利便性マシマシ
【両者の区別は灯火類で明確】ヘッドライトは特許まで出願した主体色のカバーを廃止し、代わりに5本の光のラインで先進性をアピールする。テールランプはマルチオプティクス技術を応用し、奥行き感を表現。
【水平基調メーター】大型液晶メーターは車体と同様に水平を基調としたデザインに。新たにバッテリー電圧低下警告灯(e:HEVはエラー警告灯)とトラクションコントロールインジケーターを追加。
【朗報! 電源ソケットがUSB-Cに】500mlのペットボトルが入るインナーボックス。その内部にあるアクセサリー電源がシガーソケット(12V/1A)から最新のUSBタイプCソケット(5V/3.0A 充電専用)になった。
【さらにフロア拡大】先代でもフットスペース平面部が車体前方へ拡大されたが、新型はさらに前方と外方向へそれぞれ30mmずつ拡げている。とくに前方へ足を伸ばした際の差が顕著だ。
【容量が28→30Lへ。利便性大幅アップ】ラゲッジボックスの容量は2L増えて30Lに。底面の段差が少なくなり、間口も大きくなったことで、数値以上に容量が増えた印象を受ける。なお2021年モデルのグラブレールは310g軽量化された。
【これ便利!】タンクリッドの裏側に燃料キャップを固定できるギミックを追加。これは給油の際に便利だ。タンク容量は従来の8.0Lから8.1Lへと微増。
【スマートキーも継続】利便性の高いスマートキーを引き続き採用。デザインは変更されたが、アンサーバックスイッチなど主要な機能については基本的に継続。
【注目オプション:トップボックス35L スマートキーシステムタイプ】スマートキーを携行していれば、取り付けベースのボタンを押すだけで解錠できるトップボックスを日本に初めて導入。さらに同時開発されたボディマウントシールドやナックルバイザーにも注目を。●価格:4万1800円
ホンダPCXシリーズの最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自分だけのバイク選び)
ヤマハSR400試乗レビュー この記事では、ヤマハのヘリテイジネイキッド、SR400の2021年モデルについて紹介するぞ。43年の歴史に幕を下ろした、最終モデルだった。 ※以下、2021年5月公開時の[…]
ヤマハNMAX155試乗レビュー この記事では、ヤマハの原付二種スクーターから、NMAX ABS(125)の2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年7月公開時の内容に基づく 【NMAX[…]
ホンダ CB400スーパーフォア(2018) 試乗レビュー この記事では、平成28年度排出ガス規制に法規対応するなどモデルチェンジを実施した2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月[…]
ホンダ CB1300スーパーボルドール(2018)試乗レビュー この記事では、平成28年度排ガス規制に対応しモデルチェンジを行った2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月公開時の内[…]
ホンダ「モンキー125」(2024)試乗レビュー この記事ではかわいらしいフォルムと実用性が同居したファンバイク、モンキー125の2024年モデルについて紹介するぞ。初期のモンキー125に近い、シンプ[…]
人気記事ランキング(全体)
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
“グローバルカラー”をうたうマットパールホワイト インディアヤマハモーター(IYM)は、水冷単気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ「R15 V4(V4=第4世代の意 ※日本名YZF-R15)」の新[…]
新基準原付、その正体とは? まずは「新基準原付」がどんな乗り物なのか、正しく理解することからはじめよう。これは2025年4月1日から、第一種原動機付自転車(原付一種)に新たに追加される車両区分だ。 導[…]
新型CL500の進化が! 気がつけば長距離を走っているスクランブラー「CL500」がマイナーチェンジを果たして新登場します! ご存じかと思いますが、CLシリーズには250ccの「CL250」も存在しま[…]
最新の投稿記事(全体)
ドライブのテンションを爆上げ! SNSで話題沸騰のミニシンバル 車での移動時、退屈な信号待ちや渋滞でさえも、一瞬にして車内が刺激的なステージに変貌するギアが存在する。それがHiizle 車用ミニシンバ[…]
カスタムスピリットから生まれた英国ブランド まずMUTT Motorcyclesというブランドについておさらいしておこう。2016年、英国バーミンガムでカスタムビルダーのWill RiggとBenny[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
前後がすぐ分かる設計で使いやすい こちらのバイクカバーは、ミラー部分に黒生地を採用し、前後のチェーンホールを色分けしているため、夜間や雨の日でも向きを迷わず装着できます。素材はポリエステルで軽量、サイ[…]
両手を自由に使うことができる、新パーソナルモビリティ ホンダが2025年9月24日より、法人向けに販売を開始したのがパーソナルモビリティの「UNI-ONE(ユニワン)」です。 法律的には「移動用小型車[…]
- 1
- 2