
ホンダは欧州で、高い経済性からA1ライセンス所持者を中心に人気の空冷125ccモデル「CB125F」の2026年モデルを発表した。ホンダとしては初めてマニュアルトランスミッションのバイクにアイドリングストップ機能を搭載するほか、新たにTFTカラーメーターなどを採用している。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
徹底的なアップデートで最新技術とコストパフォーマンスを両立
2015年に欧州市場へ導入されて以来、10年間で8万2000台以上が販売された人気のベーシックモデル「CB125F」が、2026年モデルで大掛かりなアップデートを受けた。
新型も基本スタイリングは継承しながら、eSP(enhanced Smart Power)エンジンを改良することでユーロ5+に準拠。WMTCモード燃費は66.7km/Lというとんでもない数値をたたき出し、容量11Lの燃料タンクとあわせて理論上の航続距離は733kmと驚異的だ。
これに貢献するのは、これまで自動遠心クラッチのカブ系エンジンやスクーター、DCT搭載のゴールドウイングツアーなどに採用してきたアイドリングストップ機能(idling stop system=ISS)を、ホンダのマニュアルトランスミッション車として初めて採用したこと。
車両が停止した状態になるとエンジンがストップすることで燃料消費を削減し、クラッチ操作をすると自動的に再始動する。ジェネレーター(発電機)にスターターモーターの機能を融合することで、静粛かつシームレスなエンジン始動を可能にしたというものだ。
新たに採用した新型4.2インチTFTフルカラーメーターには、スマートフォンと連携可能なホンダロードシンク(Honda RoadSync)機能を搭載。ターンバイターンのナビゲーションを利用できるほか、ヘッドセットなどをBluetooth接続することで通話や音楽を聴くことも可能になる。また、ハンドルバーの近くにはUSBタイプCソケットも備えている。
車体は従来型から基本的に継承。シート高790mmや初代2015年モデルに対して11kgも軽い車重117kg(昨年モデル比ては+1kg)など扱いやすいスペックを維持している。大型のタンデムグリップやセンタースタンドは標準装備だ。
特に英国で人気だというCB125Fは、日本で販売中のクラシックウイングシリーズ(スーパーカブC125、モンキー125など)に比べると洒落っ気こそ控えめだが、高い経済性と実用性は長く付き合う愛車として魅力的だ。日本に導入される可能性は限りなく低いだろうが、世界の道ではこんなホンダ車がたくさん走っている。
CB125Fの英国における価格は3299ポンド(日本円換算約63万8000円・5/16現在)。ちなみにモンキー125の4199ポンド(約81万2000円)だ。
HONDA CB125F[2026 EU model]
HONDA CB125F[2026 EU model]Imperial Red Metallic
HONDA CB125F[2026 EU model]Matte Axis Grey Metallic
HONDA CB125F[2026 EU model]Matt Marvel Blue Metallic
車名 | CB125F |
全長×全幅×全高 | 2027×751×1091mm |
軸距 | 1280mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 790mm |
キャスター/トレール | 26°/92.4mm |
装備重量 | 210kg |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ |
総排気量 | 124cc |
内径×行程 | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0:1 |
最高出力 | 10.8ps/7500rpm |
最大トルク | 1.11kg-m/6000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式5段リターン |
燃料タンク容量 | 11L |
WMTCモード燃費 | 66.7km/L |
ブレーキ前 | φ240mmディスク+1ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ130mmドラム |
タイヤサイズ前 | 80/100-18 |
タイヤサイズ後 | 100/80-18 |
参考価格(英国) | 3299ポンド |
車体色 | 赤、灰、青 |
HONDA CB125F[2026 EU model]
HONDA CB125F[2026 EU model]
HONDA CB125F[2026 EU model]
HONDA CB125F[2026 EU model]
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