![[バイク駐車場問題]自動二輪車駐車施設の附置義務化を施行した千葉市:背景と現状、そして課題とは](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/2025_4_riyoukankyou_1_KP_16294.jpg?v=1746591721)
2023年4月、千葉県千葉市が自動二輪車(50cc超)駐車施設の附置義務化を施行した。これにより、以降、新築届出のあった大規模商業施設など、特定用途の床面積が1500m2を超える建築物については、延床面積に応じた台数分の自動二輪駐車用スペースを設けることが義務化された。今回は、その背景と現状、課題などについて説明しよう。
●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題
上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。
高度経済成長期には大規模な団地が複数建設され、交通渋滞を解消するために千葉都市モノレールが導入されるなど、まちづくりの方針に独自性を持つ政令市だ。
自動二輪駐車施設の附置義務化については、かねてより市民(議会会派)からの要望があったなか、他の政令市の取組状況もふまえて実現に至ったものだ。
その要望については、2012年5月に発行された「ちば市議会だより第76号」にも記載されている。市議会議員から市の環境経済委員会に対して自動二輪駐車場の今後の設置について一般質問が行われた内容だ。
この質疑によると、当時から自動二輪駐車場の設置要望が数多く寄せられていたことがわかる。
質問では千葉駅周辺での設置検討についても触れられており、委員会は庁内に設置された検討会で、自動二輪駐車場の需要や他の政令市の対応状況をふまえた調査/研究を行っており、今後も検討すると返答している。
ちば市議会だより第76号。2012年5月発行。
徐々に増えているがさらなる増加に期待
自転車条例規則の改正(2013年3月)以降、自転車駐輪場への125cc以下バイクの受け入れを行っており、市内38ヶ所で受け入れが完了している。
また、公営自動車駐車場の千葉市栄町立体駐車場では、2012年から自動二輪車の受け入れが続いている。なお年に一度、駅周辺での利用/放置状況について確認が行われている。
現在、自動二輪車の放置違反は少ないが、駐車場不足については把握されており、徐々に増やしていく必要性が認識されている。民間事業者の採算性向上のほか、引き続き、ユーザーの声が求められている。
千葉市はバイク利用者の声が届いている自治体だ。今後は附置義務化により、繁華街における自動二輪駐車場の増加に期待したい。
千葉駅西口第1自転車駐車場。1階フロアは定期/一次利用の原付一種を受け入れている。
千葉駅周辺は自転車等放置禁止区域だが、公営駐輪場だけで13ヶ所もある。
千葉駅周辺に設置されたシェアサイクル。歩道上も有効的に活用している。
千葉市の公共交通といえば千葉都市モノレールだ。バスの積み残し改善や渋滞緩和を目的に1988年に開業。営業距離15.2kmは懸垂型モノレールとしては世界一の長さで、ギネスレコードにも登録されている。
県庁へと延びる千葉都市モノレール1号線、栄町駅の横には契約バイク駐車場が設置されている。
※取材協力:千葉市 都市局都市部 交通政策課 推進班
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事([連載] 2輪車利用環境改善部会)
1. 山梨県の三ない運動と坂本先生の革新的な安全教育 山梨県は公共交通が不便だったこともあり全県的な三ない運動は実施されず、多くの高校でバイク通学が行われ、各校ごとに“乗せて教える”教育が施[…]
原付一種の新区分「新基準原付」とは? ガソリン原付一種は、排ガス浄化装置である触媒性能の問題により国内第4次排出ガス規制(ユーロ5相当)をクリアできないため、2025年10月末日に生産終了となり、以降[…]
[1] 7年目の高校生講習も秩父地域からスタート 埼玉県内を6地域に分けて全8回で開催される「令和7年度 高校生の自動二輪車等の安全運転講習」が2025年も始まった。 第1回目の講習会は、6月15日に[…]
講習内容を検討する“指導検討委員会” が開催 2025年1月29日、埼玉県知事公館において「令和6年度 高校生の自動二輪車等の交通安全講習に係る指導検討委員会」(以降、指導検討委員会)が開催された。本[…]
地域活性化ツーリングを開催、移動課題改善への提言も 2024年9月29日に開催された地域活性化・ライダー誘致イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”。 主催は若年層を中心に構成。バイクやクルマ、特定原付[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
重点的な交通取締り場所は決まっている 安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なく[…]
1. 山梨県の三ない運動と坂本先生の革新的な安全教育 山梨県は公共交通が不便だったこともあり全県的な三ない運動は実施されず、多くの高校でバイク通学が行われ、各校ごとに“乗せて教える”教育が施[…]
2021年に底を打ったバイク盗難の件数は近年、再び上昇傾向にある。2021年の7569件に対し、2024年は1万1641件まで増加しており、原付一種/原付二種が89%を占めているという。[…]
原付一種の新区分「新基準原付」とは? ガソリン原付一種は、排ガス浄化装置である触媒性能の問題により国内第4次排出ガス規制(ユーロ5相当)をクリアできないため、2025年10月末日に生産終了となり、以降[…]
白バイ隊員になるには 白バイに乗るためには、あたり前のことですが大型自動二輪免許の取得が必要です。とはいえ、警察官になる時点で取得していないとダメかといえば、そうではありません。後から取得する手間が減[…]
人気記事ランキング(全体)
キジマ(Kijima) バイク スマートディスプレイ SD01 5インチ キジマの「SD01」は、スマートフォンとWi-Fi(2.4GHz)で接続し、スマホのマップをナビ表示できる5インチのモーターサ[…]
次世代を見据えた新技術を随所に投入 ’73年から開発が始まったZ650は、当初は”Z1ジュニア”と位置づけられていた。とはいえ、単なるスケールダウンをヨシとしない開発陣は、次世代を見据えた新技術を随所[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
岡山国際サーキットとの相性、新しいフロントタイヤと改良されたリヤタイヤ ついにこの日がやって来た。 2025年10月5日、全日本ロードレース第6戦の岡山(岡山国際サーキット)で長島哲太がついに表彰台に[…]
2025モトクロス世界選手権チャンピオンが全日本に参戦! 株式会社カワサキモータースジャパンは、2025年11月1日(土)・2日(日)スポーツランドSUGO(宮城)で開催される第63回 MFJ-GP […]
2025年3月の東京モーターサイクルショー以降、何かと話題のCB1000F!! いよいよかと色んな噂が飛び交っているなか、某日、各パーツメーカーのカスタマイズコンセプトがひっそり発表されました。カスタ[…]
念願のWYVERNシリーズ最新作の登場だ! ついに復活を遂げて、新発売となったSHOEI「ワイバーンØ」。歴代ワイバーンシリーズを愛用してきた筆者としては、どんな進化を遂げたのが期待しかない。そこで、[…]
大風量&大開口設計で乾燥のスピードが桁違い! 2021年の登場以来、プラズマイオンと大風量でヘルメットやグローブをスピーディーに消臭・乾燥するという、独自のアプローチから注目を集めている「ヘルメット消[…]
- 1
- 2