[バイク駐車場問題]自動二輪車駐車施設の附置義務化を施行した千葉市:背景と現状、そして課題とは

栄町駅

2023年4月、千葉県千葉市が自動二輪車(50cc超)駐車施設の附置義務化を施行した。これにより、以降、新築届出のあった大規模商業施設など、特定用途の床面積が1500m2を超える建築物については、延床面積に応じた台数分の自動二輪駐車用スペースを設けることが義務化された。今回は、その背景と現状、課題などについて説明しよう。


●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)

100万都市・千葉市のバイク駐車場問題

上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。

高度経済成長期には大規模な団地が複数建設され、交通渋滞を解消するために千葉都市モノレールが導入されるなど、まちづくりの方針に独自性を持つ政令市だ。

自動二輪駐車施設の附置義務化については、かねてより市民(議会会派)からの要望があったなか、他の政令市の取組状況もふまえて実現に至ったものだ。

その要望については、2012年5月に発行された「ちば市議会だより第76号」にも記載されている。市議会議員から市の環境経済委員会に対して自動二輪駐車場の今後の設置について一般質問が行われた内容だ。

この質疑によると、当時から自動二輪駐車場の設置要望が数多く寄せられていたことがわかる。

質問では千葉駅周辺での設置検討についても触れられており、委員会は庁内に設置された検討会で、自動二輪駐車場の需要や他の政令市の対応状況をふまえた調査/研究を行っており、今後も検討すると返答している。

ちば市議会だより第76号。2012年5月発行。

徐々に増えているがさらなる増加に期待

自転車条例規則の改正(2013年3月)以降、自転車駐輪場への125cc以下バイクの受け入れを行っており、市内38ヶ所で受け入れが完了している。

また、公営自動車駐車場の千葉市栄町立体駐車場では、2012年から自動二輪車の受け入れが続いている。なお年に一度、駅周辺での利用/放置状況について確認が行われている。

現在、自動二輪車の放置違反は少ないが、駐車場不足については把握されており、徐々に増やしていく必要性が認識されている。民間事業者の採算性向上のほか、引き続き、ユーザーの声が求められている。

千葉市はバイク利用者の声が届いている自治体だ。今後は附置義務化により、繁華街における自動二輪駐車場の増加に期待したい。

千葉駅西口第1自転車駐車場。1階フロアは定期/一次利用の原付一種を受け入れている。

千葉駅周辺は自転車等放置禁止区域だが、公営駐輪場だけで13ヶ所もある。

千葉駅周辺に設置されたシェアサイクル。歩道上も有効的に活用している。

千葉市の公共交通といえば千葉都市モノレールだ。バスの積み残し改善や渋滞緩和を目的に1988年に開業。営業距離15.2kmは懸垂型モノレールとしては世界一の長さで、ギネスレコードにも登録されている。

県庁へと延びる千葉都市モノレール1号線、栄町駅の横には契約バイク駐車場が設置されている。

※取材協力:千葉市 都市局都市部 交通政策課 推進班

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