![敗戦から2年後に生まれたホンダ初の自社製品・Model A(A型)[’47年製造]〈走行映像あり〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
2018年7月16日、ツインリンクもてぎの南コースにてホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催。20周年記念ということで市販製品特別走行が実施され、ホンダの黎明期から現在までのエポックとなるバイク34台、自動車29台が動態走行を披露した。
●文:ヤングマシン編集部 ●取材協力:本田技研工業/ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダが初めて設計したA型エンジン
敗戦から1年後の1946年の夏、ホンダの創業者である本田宗一郎は、早くも復興を目指して旧陸軍の小型発電機用2ストエンジンを改造して自転車に取り付け、自転車補助用エンジンの発売を始めた。販売は好調だったがベースとなる発電機用エンジンの数が約500個と限られていたため、その後も供給するためには、自社でエンジンを開発し生産するしかなかった。そこで誕生したのがMoldel A(A型)となる。ホンダA型は、販売店が自転車に取り付けて販売するエンジン単体の製品で、1947年末に1号機が完成し翌年の3月頃から浜松の野口工場で本格生産がスタートした。当時はまだ原付一種という規定がなかったため、50.3ccという中途半端な排気量を採用していたという。
エンジン開発当初は「他社に真似のできないものを作ろう」ということで、エントツエンジンと呼ばれた凸型ピストンと凸型シリンダーを持つユニークな中央掃気式エンジンが試作された。しかし当時の技術ではエントツ部の焼き付きを解決できず、駆動部分をそのまま流用して掃気方法をデフレクター付きピストンによる横断掃気方式に変えたA型が設計されたのだ。
【HONDA Moldel A(A型) 1947年型】本田技研工業株式会社設立前年の1947年、初めてホンダの名で製品化した自転車補助用エンジン。市販の自転車に簡単に取り付けられ、1951年まで継続生産されたロングセラー。■空冷2ストローク単気筒ロータリーバルブ50cc 0.5ps/5000rpm 車重10kg
A型には、独自のベルト式クラッチ&無段変速機構が採用されていた。これは一般的なスクーターで採用されている遠心式のベルトコンバーターの変速を、ウェイトローラーではなくタンクの左側に取り付けられたレバーで行うもの。低速側の最後の位置ではベルトがたるむようになっており、クラッチとしての機能も備えている。
【動画】ホンダ初の製品 1947年に製造のModel Aが走行
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