2025年で50周年!

王政はフラッグシップスポーツから始まった。ホンダ「ゴールドウイング」歴代モデル図鑑【1975~2006年】

王政はフラッグシップスポーツから始まった。ホンダ「ゴールドウイング」歴代モデル図鑑【1975~2006年】

国内最大の水平対向エンジンを搭載し、グランドツアラーという一大ジャンルを切り開いたホンダ「ゴールドウイング」。1975年に初代となるGL1000が登場してから50周年を迎える今、その変遷を振り返りたい。この記事では、現行のGL1800に至るまでの主要モデルを追う。


●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダ『Gold Wing 50周年記念サイト』

初代はスポーツモデル:1975年ゴールドウイング(GL1000)

1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場でシェアを奪われつつあった。そこでZ1を凌駕するスポーツモデルとして放たれたのが初代ゴールドウイングことGL1000だった。

CB750 FOURを超えるフラッグシップモデルとして開発されており、開発キーワードは「ザ・キング・オブ・モーターサイクル」。国内では類を見ない水平対向4気筒1000ccエンジンの搭載は衝撃的だった。

翌1976年には、リミテッドエディションが登場。1979年には生産されるゴールドウイングの80%が北米に輸出されていたことを受け、最初のHonda of America 製造工場がオープンした。

1975年 ゴールドウイング(GL1000)

燃料タンクはシート下配置とし低重心化を促進。通常のタンク位置には電装系やラジエターリザーバータンク、非常始動用キックペダルを収納した。

ツアラー化:1980年ゴールドウイング/インターステート(GL1100)

現在にも続くゴールドウイングの路線を決定づけたのは、1980年に登場したGL1100だった。1085ccに拡大された水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高出力よりもトルク重視の特性に。ホイールベースを延長した車体により、ライダーとパッセンジャーの広いスペースが確保され、エアアシストサスペンションで乗り心地を向上。グランドツアラーとして確固たる地位を築いた。

また派生モデルのインターステートも登場。立ち上がったスクリーンが特徴的なフェアリング、積載性を向上させるパニアとトップボックスを備えたツーリング性能強化バージョンだった。

1982年にはアスペンケードと名を変え、液晶メーターやAM/FMラジオのオーディオシステム、さらに快適性を高めたシート、バックレストなどを装備して居住性を向上。ラグジュアリーツアラーという先進的なコンセプトにより、アメリカで高い人気を得た。

1980年 ゴールドウイング(GL1100)

1980年 ゴールドウイング インターステート(GL1100)

ネイキッド廃止:1984年ゴールドウイング アスペンケード(GL1200)

1984年には車体が大きくなり、新設計の水平対向4気筒1182ccを積んだ新生アスペンケードが登場した。ネイキッドバージョンは廃止され、電子制御の燃料噴射や4スピーカーサウンドシステム、クルーズコントロール、オートレベリング・リヤサスペンションなどを採用。ラグジュアリーツアラーとしての商品価値を高めた。

翌1985年には、金色の車体のゴールドウイング10周年記念モデルが登場。GL1200は1987年モデルまで生産された。

1984年 ゴールドウイング アスペンケード(GL1200)

1985年 ゴールドウイング リミテッドエディション(GL1200)

6気筒化:1988年ゴールドウイング(GL1500)

国内メーカーのライバル勢が大排気量のフラッグシップモデルを投入してくる中、1988年にホンダは新作の水平対向6気筒エンジンを搭載したGL1500を発売。シルキーと評されるエンジンフィーリングとスムーズかつパワフルな走り、低重心で安定したハンドリング性能などによって、ラグジュアリーツアラー路線で孤高の存在を築き、10年以上にわたってベースとなる長期モデルとなった。開発段階では、15種類もの試作車が製作されたというエピソードもある。

1988年 ゴールドウイング(GL1500)

操縦安定性向上:2001年ゴールドウイング(GL1800)

NSR250Rなどの開発で知られる青木柾憲氏が陣頭指揮を執り、開発に8年を費やした新型モデル。1832ccの新開発水平対向6気筒エンジンをアルミフレームに搭載し、長距離ツーリングの快適性だけでなくワインディングロードでの操縦安定性も向上した。

2001年 ゴールドウイング(GL1800)

世界初の二輪用エアバッグ搭載:2006年ゴールドウイング(GL1800)

北米で2006年、日本では2007年に発売されたGL1800は、世界初の量産二輪車用エアバッグシステムを採用。基礎研究自体は1990年からスタートしており、2000年4月には先進安全研究車「ASV-2」の技術概要も発表されていた。この中に、GL1500に研究開発中の二輪車用エアバッグを搭載したモデルも存在していた。

このGL1800は2011年にスタイリングを変更。さらにストレージ容量を150L増加し、新しい6スピーカーオーディオシステムも採用した。

2006年 ゴールドウイング(GL1800)〈エアバッグ〉

エアバッグは言うまでもなく、衝撃センサーやインフレーターやECUなど、関連部品は2輪用としての小型軽量化を図った専用品だった。

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