
1978年から同じ姿のまま進化と熟成を重ねたヤマハSR。そんな一台には、時代に合わせ、“変わらないために変わり続けた”43年の歴史がある。比類なきロングセラーの歩みと色彩を振り返る。この記事では、2012年〜最終となる2021年までのモデル変遷を辿る。
●文:伊藤康司 ●写真:YM Archives
- 1 〈2012年1月〉SR400[3HTU]:黒にホワイトステッチ追加
- 2 〈2013年2月〉SR400 [3HTV]:SR35thアニバーサリー
- 3 〈2014年1月〉SR400[3HTW]:プライス適正化
- 4 〈2015年12月〉SR400[3HTW]: ヤマハ60thアニバーサリー
- 5 〈2016年2月〉SR400[3HTX]:オフ車グラフィックモチーフ
- 6 〈2018年11月〉SR400[B9F1]:排ガス規制適合
- 7 〈2018年11月〉SR400[B9F1]:40歳を迎え、なお進化したアニバ
- 8 〈2021年3月〉SR400[B9F5]:ファイナルエディションリミテッド
- 9 〈2021年3月〉SR400[B9F6]:シンプル&アイコニックな最終モデル
- 10 YAMAHA SR400最新相場情報
〈2012年1月〉SR400[3HTU]:黒にホワイトステッチ追加
2012年モデルではカラー変更を実施。ヤマハブラックは、FI化した2009年モデルとはグラフィックを変更し、モノトーンのシートにSRシリーズで初めてホワイトのステッチが入れられた。
【2012 YAMAHA SR400[3HTU]】●発売当時価格:57万7500円(消費税5%含む) ※写真の車体色はヤマハブラック
2012年モデルのカラーバリエーション・ニューパールホワイト。グラフィックパターンはブラックと同様だが、ツートーンのシートを採用。SRはこの年、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した。
〈2013年2月〉SR400 [3HTV]:SR35thアニバーサリー
SR誕生35周年記念モデルは、ロングセラーに感謝して、なんと標準モデル(2012年継続モデル)より4万2000円も安いスペシャルプライスだった。受注期間限定で販売。専用カラーのグリーンとマッチする、シルバーフレームやクリーム&ベージュのツートーンシート、記念ロゴが刻印されたブラックのメーターパネルなど装備も充実していた。
【2013 YAMAHA SR400 35TH ANNIVERSARY EDITION[3HTV]】●発売当時価格:53万5500円(消費税5%含む) ※写真の車体色はダークグレーイッシュリーフグリーンメタリック1
〈2014年1月〉SR400[3HTW]:プライス適正化
2013年に販売台数が前年より2倍に増えたのも後押しになり、2014年モデルはプライス適正化で53万5500円に価格変更。ヤマハブラックは2012年モデルとグラフィックを変更。
【2014 YAMAHA SR400[3HTW]】●発売当時価格:53万5500円(消費税5%含む) ※写真の車体色はヤマハブラック
2014年モデルは3種のカラーをリリース。ニューパールホワイトは2012年モデルとグラフィックが変わり、サイドカバーの金属調エンブレムも新デザインになった。
2014年モデル新色のダークグレーイッシュレッドメタリック3は、レトロ感を強める落ち着いた色調。また2014年モデルでは、メーターの文字盤がブラックの新デザインに変更された。
〈2015年12月〉SR400[3HTW]: ヤマハ60thアニバーサリー
ヤマハ発動機の創立60周年を記念した期間限定受注生産モデルは、イエロー地にブラックのスピードブロックを描いた、70年代のアメリカのレースシーンで大活躍した”USインターカラー”を纏っていた。サイドカバーやテールカウルはブラックで引き締め、ホイールのハブとリムもブラック。記念エンブレムがタンク天面に貼られていた。
【2015 YAMAHA SR400 60TH ANNIVERSARY[3HTW]】●発売当時価格:58万3200円(消費税8%含む) ※写真の車体色はライトレディッシュイエローソリッド1
〈2016年2月〉SR400[3HTX]:オフ車グラフィックモチーフ
2016年モデル新色のダークグレーイッシュリーフグリーンメタリック3は、ヤマハの1970年代オフロード車のグラフィックがモチーフ。サイドカバーのロゴもレトロなイメージだった。
【2016 YAMAHA SR400[3HTX]】●発売当時価格:55万800円(消費税8%含む) ※写真の車体色はダークグレイッシュリーフグリーンメタリック1
2014年モデルからのヤマハブラックは継続販売。ちなみに2014年4月1日から消費税が5%から8%になったため販売価格が変更されたが、本体価格は2017年モデルまで据え置きだった。
〈2018年11月〉SR400[B9F1]:排ガス規制適合
排ガス規制に対応してキャニスター(燃料タンクの蒸発ガスを浄化)が装備され、処理能力の高いECUへと変更された。マフラーはユーロ4対応で内部が変更され、音質が向上していた。
【2019 YAMAHA SR400[B9F1]】●発売当時価格:57万2400円(消費税8%含む) ※写真の車体色はヤマハブラック
(実質的に)2019年モデルのカラーバリエーション・グレイッシュブルーメタリック4。ブラック同様にライトケースをボディ同色にペイント。メーター文字盤のデザインやウインカーの形状を変更している。
〈2018年11月〉SR400[B9F1]:40歳を迎え、なお進化したアニバ
SR40周年記念モデルは500台限定生産だった。おなじみのサンバーストは、深いオレンジ系のぼかし塗装で、ダブルストライプ仕様。専用シートは本革調のブラウン。ホイールのリムはゴールドで、白文字盤のスピードメーターにも記念ロゴが入っていた。燃料タンクの真鍮製の音叉マークに加え、サイドカバーの専用エンブレムも電鋳工法によるエッジの利いた金属製だった。
【2019 YAMAHA SR400 40TH ANNIVERSARY EDITION[B9F3]】●発売当時価格:69万1200円(消費税8%含む) ※写真の車体色はベリーダークオレンジメタリック1
〈2021年3月〉SR400[B9F5]:ファイナルエディションリミテッド
限定1000台の「リミテッド」は専用装備が満載だった。特にサンバースト塗装は、過去に5回も限定車に採用されたことのある、まさにSRのラストにふさわしいグラフィックといえた。なおこのリミテッドは、YZF-R1やテネレ700と同様にエクスクルーシブモデルとして、YSP店(リニューアル中の店舗含む)とアドバンスディーラーにて専売された。
【’21 YAMAHA SR400 FINAL EDITION LIMITED [B9F5]】■全長2085 全幅750 全高1100 軸距1410 シート高790(各mm) 車重175kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 399cc 24ps/6500rpm 2.9kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=90/100-18 R=110/90-18 ●色:ヤマハブラック ●発売当時価格:74万8000円(消費税10%)
〈2021年3月〉SR400[B9F6]:シンプル&アイコニックな最終モデル
標準仕様の「ファイナルエディション」は2色展開。ブルー車はXS650スペシャルなどを、グレー車は1983年式あたりのSR400/500を彷彿とさせた。”Final Edition”の文字は、前者がサイドカバー、後者はタンクに刻まれていた。
【2021 YAMAHA SR400 FINAL EDITION [B9F6]】●色:ダルパープリッシュブルーメタリック/ダークグレーメタリックN ●発売当時価格:60万5000円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
YAMAHA SR400最新相場情報
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA] | 名車/旧車/絶版車)
250でもビッグバイクと同じレベルのクオリティを! ヤマハは1988年に250ccのアメリカンクルーザー、空冷60°VツインのXV250 Viragoをリリースした。 それは250ccの片側125cc[…]
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
RZ250の歴代モデル 1980 RZ250(4L3):白と黒の2色で登場 ’80年8月から日本での発売が始まった初代RZ250のカラーは、ニューヤマハブラックとニューパールホワイトの2色。発売前から[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
TZの技術を転用しながら独創的な思想を随所に注入 伝統の2サイクルパラレルツインという構成を維持しつつも、数多くの新技術を導入したRZ。中でも最もインパクトが大きかったのは、市販レーサーTZを踏襲する[…]
最新の関連記事(SR400)
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
43年で歴史に幕……と思ったらタイで続いてるよ! 平成32年排出ガス規制の壁、ABS義務化、そして灯火類の追加レギュレーション……。日本ではさまざまな理由から継続生産ができなくなり、2021年モデルを[…]
ヤマハSR400試乗レビュー この記事では、ヤマハのヘリテイジネイキッド、SR400の2021年モデルについて紹介するぞ。43年の歴史に幕を下ろした、最終モデルだった。 ※以下、2021年5月公開時の[…]
〈2000年2月〉SR400[3HTB]:最終ドラムブレーキモデル ドラムブレーキの最終モデルだ。1999年のブラックゴールドは継続。ダークパープリッシュレッドカクテル3が廃止され、グロリアスマキシブ[…]
〈1991年11月〉SR400[3HT3]/SR500[3GW3]:ツートンシート 多重クリアの”ミラクリエイト塗装”によって深みのある艶を実現。シートはツートーンに。レバー/レバーホルダー/ハンドル[…]
人気記事ランキング(全体)
悪質な交通違反の一つ、「無免許運転」 今回は無免許運転をして捕まってしまったときに、軽微な違反とはどのような違いがあるのか紹介していきます。 ■違反内容により異なる処理無免許運転の人が違反で捕まった場[…]
6999ドルで入手したバイク「VOGER」、ハーレーよりでっかい箱で到着! タンクの中が明るいぞ! 彼女を乗せたらどこに足を置けばいいんだ? ヘッドカバーがプラスチック?! アメリカの人気YouTub[…]
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老[…]
進化した単気筒TRエンジンは5%パワーアップの42psを発揮! トライアンフは、2026年モデルとして400シリーズの最新作×2を発表した。すでにインドで先行発表されていたカフェレーサースタイルの「ス[…]
バッテリーで発熱する「着るコタツ」で冬を快適に ワークマンの「ヒーターウエア」シリーズは、ウエア内に電熱ヒーターを内蔵した防寒アイテム。スイッチひとつで温まることから「着るコタツ」として人気が拡大し、[…]
最新の投稿記事(全体)
売上げ増大のためにあえて小型マシンを発売 ハーレーダビッドソンは1969年に経営難から株式を公開し、AMFという機械メーカーの傘下に入ったことがあります。ハーレー/AMF時代が1984年まで続いたこと[…]
250でもビッグバイクと同じレベルのクオリティを! ヤマハは1988年に250ccのアメリカンクルーザー、空冷60°VツインのXV250 Viragoをリリースした。 それは250ccの片側125cc[…]
航続距離はなんと362km! ヤマハは、2025春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。従来型のWR155R(海外モデ[…]
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転可 バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原[…]
- 1
- 2
















































