
エモーショナルなフォルム。豪快なパワーフィール。圧倒的な量感。妖しいまでの魅力をストレートに表現した「CB」の旗艦、CB1300スーパーフォアが登場したのは、1998年のこと。登場から30年を経ても、その存在は大きく、強く、美しく、変わらずビッグワンであることの誇りに満ちている。そんな一台の歴史を振り返りたい。2019年モデルでは、初めて「SP」の名を冠する最高峰モデルが衝撃デビューを果たした。
●文:ヤングマシン編集部
走りを追求したホットバージョン追加に湧いた!
2019年型CB1300シリーズが正式発表されたのは、2018年7月8日のこと。この年から上級グレードである、SPが追加された。前後にオーリンズ社と共同開発した専用フロントフォークとリヤサスペンションを採用したSPは、SF、SBともにスタンダードより36万7200円アップの価格設定だった。
これはブレンボのラジアルマウント式モノブロックキャリパーも装備していることを考えるとお買い得と言っていい設定。そもそも、SPの称号は、走りを追求したホットバージョンに与えられてきたもので、レーサーレプリカ世代にはなじみ深い。BIG-1=CB1000/1300シリーズに設定されたのは、25年に及ぶ歴代モデルで初だった。「スペシャル」と呼称するモデルは存在したが、これほど足まわりを強化した仕様は前例がなかったのだ。
一方のスタンダードは、従来のソードシルバーメタリックがカタログ落ちし、新たにダークネスブラックメタリックが登場。赤×白のパールサンビームホワイトは継続となった。
おもな変更点は、2019年モデルからシリーズ全車にETC2.0が標準装備となり、スタンダードはSF、SBともに価格が3万6720円アップ。こちらは、2018年型からの諸元変更はなかった。
なお、スタンダードとSPでは、前後サスペンションが変更になったことにより、車高が8mmアップしたとアナウンスされたが、5mm刻みの諸元上ではシート高、全高、最低地上高が10mmアップしていた。
2019 CB1300 SUPER FOUR
主要諸元■全長2200 全幅795 全高1125[1135] 軸距1520 最低地上高125 シート高780[790](各mm) 車重268kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1284cc 110ps/7250rpm 12.0kg-m/5500rpm 変速機6段 燃料タンク容量21L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:148万3920[185万1120]円 ●色:黒、白×赤[白×青] ●発売日:2018年10月26日 ※[ ]内はSP
【HONDA CB1300 SUPER FOUR】新色のダークネスブラックメタリックに左上は継続色のパールサンビームホワイト。ETC2.0が新装備となり価格は前年モデルより3万6720円アップした。●価格:148万3920円 ●発売日:2018年10月26日
【2019 HONDA CB1300 SUPER FOUR SP】 SFもパールホークスアイスブルーのみの設定。SPの装備はSF、SBとも共通だ。●価格:185万1120円 ●発売日:2018年10月26日
2019 CB1300 SUPER BOLD’OR
主要諸元■全長2200 全幅825 全高1205[1215] 軸距1520 最低地上高135 シート高780[790](各mm) 車重274kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1284cc 110ps/7250rpm 12.0kg-m/5500rpm 変速機6段 燃料タンク容量21L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:159万1920[195万9120]円 ●色:黒、白×赤[白×青] ●発売日:2018年10月26日 ※[ ]内はSP
【2019 HONDA CB1300 SUPER BOLD’OR】新色のダークネスブラックメタリックにはグレーのラインが入る。左上は継続色のパールサンビームホワイト。ETC2.0が新装備となり価格は2018年モデルより3万6720円アップした。●価格:159万1920円 ●発売日:2018年10月26日
【2019 HONDA CB1300 SUPER BOLD’OR SP】カラーリングはパールホークスアイスブルーと命名された。SPは専用色とブラックアウトした各部によりゴールドのサスが際立っている。●価格:195万9120円 ●発売日:2018年10月26日
SPカラーの元ネタ:CB750FC
SP専用色の名称はパールホークスアイブルー。通常グレードより手の込んだ方法で塗り分けられ、高級感抜群。この1982CB750FCカラーは、2000年代のCB750(RC42 )、2002CB1300SF(SC40)スペシャルに採用されたが、SC54では初だった。オーリンズと相まって1990年代にブームとなったCB750F改の趣が漂う。
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