[バイク駐車場問題]京王線沿線を現地調査してみた:車両区分なく利用できる駐輪場が多数!

南大沢駐輪場

首都圏の駅近駐車場について、鉄道各社の公式サイトをもとにフィールドワークしてみる本記事。今回は新宿から高尾山へと路線を延ばす京王線をウォッチ! 原付、自動二輪の区分なく利用できる点が特徴的だった。さっそく詳細をお届けしよう。


●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)

京王線沿線には14か所のバイク駐車場が

京王電鉄は、前身となる京王電気軌道株式会社が1910年(明治43年)に設立され、首都圏では東武鉄道、京浜急行電鉄に次ぐ長い歴史を持つ会社だ。

鉄道の駅は公共交通機関の集積地であり、モビリティハブ機能の追加やMaaS(Mobility as a Serviceの略。ICTによりマイカーだけでなく、公共交通機関やシェア・レンタルモビリティも含めたシームレスな移動社会を実現するという概念)によるシームレスな連携移動に期待がかかる。

今回は「原付や自動二輪で駅に向かう」という視点で、取り組みの一端を見ていこう。

沿線のバイク駐車場については、グループ会社の京王不動産が管理・運営を行う。同社サイト内からは管理施設(14か所)が一覧で見られ、グーグルマップによる位置情報や詳細情報も確認できる。駐車場の名称は「京王オートバイパーク」で、案内板には京王電鉄のイメージカラーである“京王レッド(ピンクに近い)”が使われる。

駐車場で特徴的なのは原付、自動二輪の区分がないこと。名称に“駐輪場”とあっても区画から車体がはみでなければよい。原付相当の場所も多いので、中・大型バイクの場合は気づかいとマナーが必要だが、この利用の寛容さは歓迎したい。

なお、京王電鉄には地下化を行う駅もある。開かずの踏切は減少するが、高架化と比べると駐輪・駐車場スペースは確保されにくいようだ。

2001年に登場した9000系。VVVFインバータ制御装置や、従来の8000系よりさらに軽量化されたステンレス車体の採用により、一層の省エネルギー化を実現。

京王不動産公式サイトでバイク駐車場を案内

京王不動産の公式サイトでは、京王線沿線にある、京王不動産が管理する自転車駐輪場とバイク駐車場について、マップ形式やリスト形式により確認できる。

所在地/最寄駅/入出庫可能時間/台数/料金/無料時間の有無/屋根の有無/支払方法などが明記されている。

最寄駅までの所要時間のほか、屋根の有無までわかるのはありがたい。

写真は京王不動産公式サイトで検索したオートバイパーク表示の一例。

実例:八幡山駅 京王オートバイパーク八幡山東

ここからは実例をチェックしていこう。

東京都世田谷区の八幡山駅は、高架下にショッピングモールが入っているため、自転車・バイクの停め場は高架下施設の壁面にあり車道に面している。

こちらの「八幡山東」は車道との段差も少なく使いやすい。全8台。

写真が京王オートバイパーク八幡山東。

実例:八幡山駅 京王オートバイパーク八幡山西

八幡山東に比べて、西は車道との段差が大きいので注意。また、ひと区画のサイズが原付仕様なので大型バイクは難しいかもしれない。

京王オートバイパーク 八幡山西。区画サイズはややコンパクト。

実例:調布駅 トリエ京王調布C館駐輪場

京王線と相模原線の分岐駅である調布駅。

2014年に線路と駅を地下化し、跡地に建った商業施設「トリエ」に駐輪場が設置されている。

最初の3時間無料はありがたいが、調布という町の規模で駐車可能台数10台は少ない印象も。

トリエ京王調布C館駐輪場は3時間無料。

実例:南大沢駅 フレンテ南大沢駐輪場

アウトレットモールやシネコン、都立大学のある南大沢駅。

バイク駐車場は車道と線路に挟まれた細長いデッドスペースに作られており、京王の心意気が嬉しくなるスペースだ。

フレンテ南大沢駐輪場。デッドスペースを有効活用。

実例:高尾駅 高尾高架下駐輪場

高架下の広大なスペースに全234台を収容する月極契約のみのバイク駐車場。

月額は50c以下で3100円、51~250ccは3300円、251cc以上は4000円と安価な設定となっている。

高尾高架下駐輪場。月極のみだ。

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