
●文:ヤングマシン編集部(山崎陸)
私は冬用グローブを使うときにインナーグローブを併用しています。防寒目的もありますし、冬用グローブを清潔に保つ目的もあります。最近、長年使い続けたインナーグローブが破れてしまったこともあり、新品にしようと思いたちました。ところがAmazonを見ていて、ふと思いついたことが。
「インナーグローブなら100円ショップのやつでもそう変わらないんじゃないか…?」
外側の冬用グローブは、プロテクターが付いていたり、防湿防水のフィルムが入っていたりと、高い機能性が求められている一方で、インナーグローブは、そこまで工夫が施されていないというのが、私のイメージ。そんな考えを検証するため、代表的な100円ショップのひとつ「セリア」とお値段以上のバイクギアで定評のある「KOMINE」のインナーグローブを購入して、使い勝手を比較してみました。
セリア/KOMINEのインナーグローブを数値/機能/見た目で比較
インナーグローブをセリア、KOMINEそれぞれのものを購入しました。まずはスペックを比較してみましょう。
セリア | KOMINE | |
名称 | TOUCH! スマホ対応 フィットグローブ | サーマルインナーグローブ |
型番 | CMZ242016 | #06-847 GK-847 |
値段 | 100円+税 | 1,300円+税 |
素材 | ポリエステル100% | ポリエステル100% |
特徴 | ・フリーサイズ ・スマホタッチ可能 | ・SからXLサイズあり ・スマホタッチ可能 |
あれ、スペックだけ見るとかなり似てるな? サイズ展開は違えど、両方ポリエステル100%とスマホタッチ可能。これならセリアのものでも、十分に冬を戦えるような気がしてきます。
左がセリア、右がKOMINEのインナーグローブ
よくよく実物を見比べてみると、構造の違いに気が付きました。セリアのグローブは糸を編んで、編み物みたいに作ってあります。縫い目の細かい軍手のような感じ。一方、KOMINEは平面の生地を糸で縫い合わせて作ってるようです。そのためか、光に透かすと…。
セリアのほうが生地の縫い目が大きく、光が透けるのが分かりますね。隙間が大きいのでしょう。
いざ実戦! セリアとKOMINEのインナーグローブの使用感の比較
公平に比較するため、外側の冬用グローブはDAYTONAのソフトフィットレザーウィンターグローブ DG-005 Lサイズを両方で使いました。
外側はDaytonaの冬用グローブで統一する
暖かい上に、スマホタッチ機能が付いた優れものです。比較した日は2025年1月12日の真冬の名古屋、気温は3℃ぐらいの昼間です。風はほとんどなく、よく晴れた日でした。バイクはホンダ スーパーカブ110。ナックルガードやグリップヒーターはついていません。
セリア製インナーグローブの使用感
ここがイイ!
隙間が大きめにも関わらず、意外にも暖かさは十分。60km/hで走行しても、KOMINE製とあまり変わらない暖かさが確保できていました。高速だと違いは出るかもしれませんが、下道を走るだけならセリアのもので十分。暖かさはインナーグローブより、外側の冬用グローブの性能に大きく影響しということなのかもしれません。
ここがもう一歩!
サイズはフリーサイズ展開ですが、普通サイズの手な私でも若干小さかったです。ある程度伸びるので、装着できないことはないものの、ちょっとキツイ。若干小さいためか、指先まで手袋をはめにくくスマートフォンの操作がイマイチ快適にできないことも気になりました。
裏返したセリアのインナーグローブ。こうなったら戻すのに苦労する。
グローブを外すときにひっくり返ったら戻すのに時間がかかります。KOMINEのものは滑りがよいので強めに振ったり手を入れると簡単に戻せますが、セリアのものは指を一本一本引き出さないと元に戻りません。
加えて、付け心地があまり肌に合いませんでした。編み目が大きいからか分かりませんが、アクセルやブレーキ操作のときに、ごわごわとした感触がちょっと気になりました。
KOMINE製インナーグローブの使用感
ここがイイ!
インナーグローブとして、ほどよい厚さがあって暖かいです。セリア製と同様に、3℃の日に60km/hほどで走ったところ、寒さを多少感じたものの、指先がかじかむことなく、ツーリングできました。また、フィット感があって、滑りが良いとインナーグローブとしての機能も申し分なし。外側に厚手のグローブをはめても、ストレスなく運転と着脱ができます。
冬用グローブ装着時、非装着時のスマートフォン操作もスムーズでした。素手には敵わないとはいえ、快適快適。
ここがもう一歩!
さすがのKOMINE製だけあって、特に気になるところはありませんでした。強いてあげれば、布を縫い合わせて作ってあるため内側に縫い代があり、指に当たるのが若干気になります。とはいえ、これは慣れ次第という気がしています。
裏返したKOMINEインナーグローブ
100均のインナーグローブは、価格としては十分有用
値段から考えれば当たり前ですが、KOMINEのインナーグローブはやはり使いやすいなという印象です。
一方のセリアのインナーグローブは、十分温かいですし、お値段以上によくできています。この物価高騰時代に、100円ちょいというのは魅力。とはいえ、手が小さい人や肌が強い人でないと、肌さわりが木になりますし、常用するにはいま一歩といった印象です。
ツーリング先で急に肌寒くなってきたときに、ふらっと寄って購入するといった、一時的な利用がちょうどいいかもしれませんね。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(バイク用品)
MotoGPライダー使用率No.1は大谷翔平ともコラボしたあのメーカー 新緑が眩しい5月から6月にかけては1年でもっとも過ごしやすい季節だといわれますが、実はこの時期、晴天時の紫外線の強さは真夏とほと[…]
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
最新ペルチェ素子搭載の冷暖両用ベスト ライダーの体温管理に革命をもたらすかもしれない画期的な新商品が、おたふく手袋が手がけるBODY TOUGHNESSブランドから登場。それが、「BT アビリティ ペ[…]
バイクライフを変えるスマートナビ「AIO-6シリーズ」 「AIO-6シリーズ」は、従来のバイク用ナビゲーションシステムが「道案内」や「車載モニター」に限定されていたのに対し、4G通信技術を搭載している[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
最新の関連記事(グローブ)
歴史と実績あるフランス製グローブ「Furygan(フリュガン)」 ナックルガードに知的衝撃吸収素材D3O®プロテクターを搭載したオートバイ専用グローブ「Furygan(フリュガン)」。そのベストセラー[…]
Schwabing(シュヴァービング)ジャケット クラシックなフォルムと先進的なデザインを合わせた、Heritageスタイルのジャケットです。袖にはインパクトのある伝統的なツインストライプ。肩と肘には[…]
第1位:RST654 e-HEATアームドグローブ[TAICHI] 2024年10月現在もっとも売れている電熱グローブは、バイク用品メーカー大手・TAICHIが販売する「eHEAT GLOVE SER[…]
CYBER LEATHER グローブシリーズの特徴 ライダーの基本的な要求である、「怪我から身を守ること」「清潔感を保持すること」「ストレスフリーで快適に走行できること」に基づいて作られたスタンダード[…]
優れた防風防雨性を発揮する防水ギア&ガーメント プロレインオーバーオール 希望小売価格:¥18,700円(税込) サイズ:(ユニセックス)XS~4XL カラー:ブラック、ネオンイエロー 防水性PUコー[…]
人気記事ランキング(全体)
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
チャンピオンマシンからダイレクトにフィードバック トプラック・ラズガットリオグルの手により2024年のスーパーバイク世界選手権でチャンピオンを獲得したマシン、それがBMWモトラッド「M1000RR」だ[…]
CB1000 SUPER FOUR BIG-1の400cc版でスタート、1999年のHYPER VTEC搭載で独り舞台に! 2019年モデル発表後、期間限定で2022年まで販売され惜しまれつつホンダの[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
コスパモンスター、それだけだと思っていたら これまでなかなか試乗する機会のなかった(筆者がたまたま試乗機会に恵まれなかった)スズキの軽二輪スタンダードモデル「ジクサー150」に乗ることができたのでイン[…]
最新の投稿記事(全体)
利便性を追求したリトル・バーグマン アドレス125、アヴェニス125に続くスズキ最新世代の原付二種スクーターシリーズ・第3弾として2023年春に登場したのがバーグマンストリート125EX。初登場から2[…]
レンタルクーポンの利用者、先着500名に購入サポート 今回のキャンペーンは、Hondaのバイク関連サービス「HondaGO」の会員を対象としており、現在会員でない方も、新たに登録することで参加可能。キ[…]
1980年代レーシングヘリテイジが蘇るゴロワーズカラー ヤマハは2022年5月にフルモデルチェンジした2022年モデルのXSR900を発表。2020年モデルが1970年代を中心としたカラーリングを特徴[…]
1980年代の鈴鹿8時間耐久の盛り上がりを再び起こしたい 設楽さんは、いま世界でもっとも伸長しているインドに2018年から赴任。その市場の成長ぶりをつぶさに見てきた目には、日本市場はどう映っているのだ[…]
2024年モデル概要:カラバリ変更と新仕様追加 前18/後16インチホイールを履くロー&ロングフォルムなミドルクラスクルーザー「エリミネーター」。その2024年モデルでは主要諸元に変更はなく、価格はそ[…]
- 1
- 2