
住友ゴム工業は、サーキット走行を含めたスポーティな走りに対応するハイグリップラジアルタイヤ、ダンロップ「スポーツマックスQ5S」を2025年2月より発売すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ダンロップ モーターサイクルタイヤ
α-14を全方位で超える“S級”タイヤを標榜
住友ゴム工業が2025年2月より発売するDUNLOP「SPORTMAX Q5S(スポーツマックス キューファイブエス)」は、スポーツマックスQ5シリーズの最新レンジ。従来のスポーツマックスα-14の後継機種にあたるハイグリップラジアルタイヤだ。
SPORTMAX Q5S
無印のスポーツマックスQ5がサーキット走行会を中心にレースやワインディング走行をカバーするのに対し、Q5Sは走行会とワインディングをバランスよくこなすスポーツタイヤ。従来からあるスポーツマックスQ5Aはワインディング&ツーリングをカバーするレンジとなっており、それぞれにメインステージを棲み分けている。
Q5Sをα-14と比較すると、ドライグリップやライフ、接地感、乗り心地を向上するとともに高速安定性やハンドリング、ウエットグリップ性能も従来並みかそれ以上。Q5Sのコンセプトは「新時代“S級”ハイグリップ。」だ。
リヤタイヤには分割コンパウンドを採用しており、センター部にはロングライフ性能に優れたシリカブレンドのコンパウンド、そしてショルダーにはドライグリップ性能を向上するフルカーボンを配置。フロントタイヤは全面フルカーボンコンパウンドだ。また、α-14から採用してきた発熱性に優れるレース用微粒子カーボンを引き続き採用している。
プロファイルも特徴的で、フロントはα-14比で大径化することにより安定したブレーキング性能を実現。リヤはIRP(インテューイティブ・レスポンス・プロファイル)によりトレッドのエッジに傾斜をつけ、深いバンク角での設置形状を安定させている。
内部構造はα-14譲りで、フロントには強靭なアラミドベルトを2枚重ねた2CUTベルト構造を採用することにより鋭いステアリングレスポンスを実現。リヤは強靭なアラミドベルトを周方向にスパイラル状に巻いたJLB(ジョイントレス・ベルト)構造とナイロンカーカスを1枚のみ使用するモノプライ構造を採用し、乗り心地を確保しながら接地感を掴みやすく、リニアなスロットル操作を可能にしたという。
パターンはレースレプリカラジアルの「SPORTMAX Q5」直系のアグレッシブなものとし、直立付近の剛性を向上することでブレーキングの安定性とライフ向上を実現。一方でミドル部ではパターン剛性を下げ、バンク時の接地感と排水効率を向上している。
価格はオープンで、フロント2サイズ/リヤ7サイズをラインナップ。ミドル~大型スポーツバイクまで、さまざまな機種をカバーする。
DUNLOP SPORTMAX Q5S サイズラインナップ
SPORTMAX Q5S サイズラインナップ
SPORTMAX Q5S の搭載技術
総合性能グラフ(従来機種のスポーツマックスα-14と比較)
レース用カーボンを採用し、強力なドライグリップを実現。
フロントはブレーキング時の踏ん張りストロークを増し、リヤはフルバンク時の接地面積を拡大。
フロントにはバイアス的な2カットベルト構造を採用、リヤにはアラミドベルトを周方向に巻いたジョイントレスベルトを採用する。
センター付近は剛性を増し、ミドル部分は剛性を落としている。
オンロードラジアルタイヤのポジショニングイメージ表 。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ダンロップ)
Q5の技術を転用しながらα-14の遺伝子を継承 サーキットを主戦場とするQ5と、スポーツ&ツーリング指向のQ5Aの間に位置する存在にして、α-14の後継となるハイグリップスポーツラジアル。それが、ダン[…]
プロジェクトの苦しさに相反する“優しい雰囲気” 全日本ロードレース最終戦・鈴鹿、金曜日の午前のセッション、私はサーキットに到着するとまず長島哲太のピットの姿を撮りに行った。プレスルームで初日のスポーツ[…]
ダンロップを3年計画で勝てるタイヤにする 今年から始まった「レーシングライダー・長島哲太」と新チーム「ダンロップレーシングチーム・ウィズ・ヤハギ」の戦いも、あっという間に1年目の前半戦が終了した。約3[…]
ライフ性能のいいハイグリップタイヤ 今年に入り、ダンロップから新しいスポーツラジアルタイヤ「スポーツマックスQ5A」が発売された。 これはオールラウンドな走行性能で好評の「スポーツマックス・ロードスポ[…]
3年でダンロップを勝てるタイヤに 「自分のライダー人生をかけてやっていこうと思います」 鈴鹿8耐を2連覇した男が、全日本ロードレースJSB1000クラスに今年フル参戦する。 しかし、そのチーム体制はワ[…]
最新の関連記事(タイヤ)
オンロードに的を絞って新規開発 主な適合車種 ※[120/70R15・160/60R15]は、ほかにKYMCO AK550(生産終了モデル)、Honda FORZA 750(輸出専用モデル)などにも適[…]
Q5の技術を転用しながらα-14の遺伝子を継承 サーキットを主戦場とするQ5と、スポーツ&ツーリング指向のQ5Aの間に位置する存在にして、α-14の後継となるハイグリップスポーツラジアル。それが、ダン[…]
純正以外では世界では初のゴールドウイング専用品 GL1800・ゴールドウイング専用にサイズ展開 そして2つ目の画期的な要素は、ゴールドウイングに適合する既存のアフターマーケット製タイヤが、あくまでもク[…]
リヤタイヤにはフルバンクした痕がつくのに、フロントだと浅いバンク痕になってしまう……これって乗り方の問題!? 最近そこそこ乗れるようになってきた。リヤタイヤのトレッドに端っこのほうまで路面に接した痕が[…]
優れたグリップ力とハンドリング性能を誇るスポーツツーリングラジアル ミシュランが大型スクーター向け新型スポーツツーリングタイヤ「MICHELIN POWER SHIFT(ミシュラン パワー シフト)」[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
「その時、スペンサーになれた気がした」 MVX250Fの上位モデルとして400版の発売が検討されていたが、250の販売不振を受け計画はストップ。この心臓部を受け継ぎ、NS250Rの技術を融合したモデル[…]
日本でもっとも人気の高いジャンル=ネオクラシック プロポーションの枷を覆す【カワサキ Z900RS】 まず、現代のバイクと昔のバイクではプロポーションがまったく違うんです。昔のバイクはフロントタイヤが[…]
バイクキャビン:小型エアコンを装備すれば抜群の環境に! 難しく考えることなく、手っ取り早く購入できるガレージとして高い人気を得ているのが、デイトナが取り扱う各種シリーズ製品だ。 全モデルに共通している[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
最新の投稿記事(全体)
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
かつての人気モデル「キャンパー」のDNAと手巻きムーブメントの融合 「MK1ハンドワインド」のルーツは、1980年代に登場し、シンプルかつ実用的なデザインで人気を博したキャンパーモデルに遡る。そのデザ[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
走行回数の多さと模擬レースのセットでコストパフォーマンスの高さは折り紙付き 絶版車やクラシックマシンでサーキットを走行してみたいが、レースに参戦するほどではない。あるいはクラシックレースにエントリーし[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
- 1
- 2