
全日本ロードレース選手権に「オートレース宇部Racing Team」として参戦するJames Racing株式会社(本社:山口県宇部市/代表取締役社長:齋藤 James 文護)が、2025年の全日本JSB1000クラスにBMW M1000RRのファクトリー車で参戦することを発表した。エースライダーには新たに浦本修充を起用。2024年のドゥカティに続き、今年の全日本も海外ファクトリーマシンが台風の目になりそうだ。
●外部リンク:オートレース宇部Racing Team
スズキからBMWのファクトリー車へ
ドイツのalpha racing社にて。同社のスタッフを囲み、左はオートレース宇部の中井貴之チームディレクター、右は伊神常高チーフメカニック。
オートレース宇部Racing Teamは、BMW M1000RRのファクトリーマシンを入手し、浦本修充選手を擁して2025年のJSB1000に参戦すると発表した。スズキ系の実力派チームとしてGSX-R1000RでJSBや鈴鹿8耐に参戦してきたオートレース宇部だが、昨年10月にスズキ車での参戦終了を発表。次の動きに注目が集まっていた。
マシンはBMWの2輪レース部門を担う「alpha racing」が手掛ける、ファクトリー仕様のM1000RR。つまり、2024年の世界スーパーバイク選手権(WSBK)でトプラック・ラズガットリオグル選手がチャンピオンを獲得したのと同スペックの車両だ。さらにオートレース宇部はこのマシンで、2027年の王座獲得を目指して世界耐久選手権(EWC)に参戦することも発表した。
ライダーは2016年の全日本J-GP2チャンピオンで、2023年の8耐では2位表彰台を獲得し、海外レースの経験も豊富な浦本修充選手。これは2022年のチーム結成以来オートレース宇部のエースを努めてきたが、2024年でJSBのフル参戦から勇退した津田拓也選手に代わる起用だ。その他、詳細な参戦計画は後日発表されるという。
2024年のJSB/8耐は、ドゥカティ・パニガーレV4Rのファクトリー車を擁した“黒船襲来”のチームカガヤマが、国産ワークスチームと互角の戦いを繰り広げたのが記憶に新しい。オートレース宇部のBMWファクトリー車投入で”WSBKチャンピオン車で全日本に殴り込み”という流れはより加速しそうだが、ここは国産メーカーにも迎撃体制を敷いて欲しいところ。日本のレース界が2024年以上に盛り上がることに期待したい。
オートレース宇部からの写真にはシャシーダイナモでテスト中の様子も(モザイクが生々しい…)。同チームにBMWとのコネクションはなく、ほぼ突撃でアプローチしたそうだが、鈴鹿8耐の成績などが評価されてスムーズに話がまとまったという。
チームオーナー:齋藤James文護氏のコメント
2025年、オートレース宇部 Racing Teamの第三章が幕を開けます。ハイスペックなBMW M1000RRを手に入れ、ライダーとして浦本修充選手が加わってくれることになり、とても興奮しています。
まず初めに申し上げておきたいことがあります。私は日本が大好きです。日本チームとして世界に挑むなら日本の国産車でという思いは強くありました。しかしながら、我々のような歴史の浅いプライベートチームが高いスペックのマシンを手に入れることは簡単ではありません。
ドイツBMW社、alpha Racing社にはコネクションは何もありませんでしたが、彼らは我々の実績だけを見て、期待をもって迎えてくださいました。これは我々が誇りに思うべきことです。
我々のようなプライベートチームはセオリー通りのやり方をしていても前には進みません。我々のパートナー企業の皆さんもこのチームの型破りなスタイルに共感してくれています。だからこそ、この選択をしました。
2025年、鈴鹿8耐では外国車初の表彰台を獲得し、2年後の2027年、FIM世界耐久選手権でチャンピオンを獲得することを目標に我々は闘います。BMWと共に駆けぬける我々、オートレース宇部 Racing Teamに乞うご期待!
James Racing 株式会社 代表取締役 齋藤 James 文護
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