
ドライブレコーダー(ドラレコ)とは、交通事故やトラブルの一部始終を撮影し、その証拠を映像として残しておける装備のこと。近年は煽り運転の増加などで、バイクでもドラレコの需要が高まっていますが、機能も価格もさまざまなため、いざ取り付けようと思った際に、どれを選んだらよいのか迷う人もいるかもしれません。
●文:ピーコックブルー(ヤングマシン編集部)
ドラレコ選びに大きく関わる“分離式/一体式”の違い
バイク用のドラレコは、大きく「分離式」と「一体式」に分けられます。それぞれに一長一短の特徴があるため、ドラレコを選ぶ際にはまず、分離式と一体式とのどちらを利用するか決めるとよいでしょう。それぞれの違いは以下の通りです。
まず、分離式ドラレコは、本体とカメラが分離しているタイプ。本体はハンドルまわりやシート下などに格納し、カメラは車体前後に取り付けて使用します。
分離式は前後撮影が可能な2カメラタイプが標準であり、周囲の状況をより正確に記録することができるため、信頼性が高いと言えるでしょう。電源はバッテリーから直接取るタイプが多く、運転中は常時使用できる点も大きなメリットです。
2カメラタイプのドラレコは信頼性が高いので、付けておくだけで安心だ
一体式ドラレコは、本体/カメラ/駆動バッテリーが一体となっており、単体動作が可能なドラレコです。面倒な配線作業が不要である反面、内蔵バッテリーで駆動するため使用可能時間に制限があります。
また一体式の特徴として、アクションカメラのようにヘルメットやハンドルまわりに取り付けて使用すること、また1カメラタイプが標準となることから、撮影死角への配慮が必要です。
では、分離式/一体式はそれぞれ、どのような用途に適しているのでしょうか。
確実に記録映像を残したいのであれば、前後撮影が可能な分離式が適しています。一体式にも前後2カメラタイプは存在するものの、取り付け位置やライダーの首の向きなどにより撮影死角が生まれやすいという難点があります。
また、ドラレコとしての総合的な信頼性の面からみると、コンパクトさを重視する一体式よりも、分離式の方が設計自由度が高く、そのぶん安心できるとも言えるでしょう。
一方で、コストパフォーマンスの高さでは一体式の方が優れています。分離式は高性能であるぶん価格が高い傾向にあり、取り付けにも多くの手間がかかって作業工賃も高額になります。
また、一体式はDIYでの取り付けも無理なく行えるので、複数のバイクを所有している場合には一体式1セットを使い回すことができます。
商品によっては配線が複雑なものも少なくない。自分で取り付けられる自信がないなら、販売店に頼むのが無難だ
また、走行距離という点で見ると、分離式はロングツーリング向き、一体式は街乗りや短距離走行向きと言えます。
バイクから給電される分離式は、バッテリー残量を気にする必要がないため、長時間利用することになるロングツーリングが多いライダーに向いています。
反対に、一体式はバッテリー駆動の制約があり、製品によっては最大動作時間が2〜7時間程度であるため、街乗りなどの短距離走行に向いていると言えます。ただし、充電しながら撮影のできる製品で電源の確保ができるのであれば、一体式であっても長時間の利用が可能です。
続いて性能面をチェック
このように、分離式か一体式かによって、ドラレコの基本的な特性はある程度決まると言えるでしょう。しかし、ドラレコとしての十分な機能を果たせるかどうかは、製品ごとの性能が大きく関わっています。
では、分離式/一体式を問わずドラレコを選ぶ際に注意したいポイントとは何でしょうか?
ポイント1:カメラ性能
まずはカメラ性能について。映像をより詳細に残したいのであれば、なるべく画角が広く画素数が大きいものを選ぶべきです。安価な製品だと画角が狭かったり画素数が足りなかったりすることもあり、横方向の映像が写らない/車両のナンバープレートが判別できないなどの問題が起こる可能性があります。
また、より確実な証拠映像を残すために、逆光や暗い環境での白飛びや黒つぶれを防げるHDR(ハイダイナミックレンジ)や、WDR(ワイドダイナミックレンジ)などの逆光補正機能がついた製品を選ぶことも大切です。
ポイント2:予備電源の有無
次に予備電源の有無について。バイクからの電源供給を受ける分離式は安定動作が特徴ですが、事故の衝撃で電源が途切れた場合に、録画が中断される恐れがあります。そのため、多少価格が高くとも「スーパーキャパシタ」などと呼ばれる、予備電源が備わったドラレコがおすすめです。
ポイント3:防水/防塵性能
最後に防水/防塵性能について。一体式ドラレコや、本体をハンドルまわりに取り付ける分離式の場合は、防水や防塵性能にも注意しましょう。現在出回っている製品の多くはIP65以上の防水/防塵性能が備わっていますが、雨天時に高速道路を走行する機会がある際には、IP66以上の防水や防塵性能が欲しいところです。
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