
カワサキ「Z900RS」が東京モーターショーで世界初公開されたのは2017年、つまり今から7年前だ。このとき、カワサキのブースには3台のカスタマイズモデルも展示された。いずれもZ900RSの本質を異なる解釈で昇華したものだった。
●文:ヤングマシン編集部
早くも番外編、2017年の東京モーターショーで同時公開された3台のカスタマイズモデルだ!
2017年10月25日、東京モーターショーでZ900RSが世界初公開されると同時に、Z900RSカスタムプロジェクトもアンベール。ここでは3台のZ900RSカスタムが出展された。
日本で活躍しているコンストラクターたちが手掛けたZ900RSカスタムは、それぞれのこだわりが発揮されたもの。伝統の名を冠するZをどのように仕上げていったのだろうか。写真を眺めているだけでも、それぞれのZ900RS像を感じることができる。もちろん、7年が経過した今でもカスタムのお手本になりそうだ。
マシンとの対話を愉しむカスタムモデル by BITO R&D
1970年代からZ1のチューニングに携わるビトーR&Dの美藤氏が手掛けたマシン。リヤキャリアが装着されているのは「旅の道具としてバイクを愛用してもらいたい」という美藤氏の想いからだ。かつてアメリカをZ2で旅していた時にポップ吉村と出会ったという運命を決めたマシンだけに、美藤氏にとってZはこれがなければ完成形にならないのかも知れない。
パネルでは『レーシングチューナーとして世界で戦った美藤定率いる、ビトーR&Dによるカスタム。Zシリーズを知り尽くしたマイスターが提案するのは、大人のライダーたちが楽しめる「操る悦び」です。あえて18インチホイールを採用することで、Z900RSが持つ「愉快」さをより感じ取りやすくチューニングしています』と紹介された。
オリジナルのマグネシウム鍛造ホイール MAGTAN JB4 F:3.00-18、R:4.50-18を装着し、17→18インチ化。大径ホイールのZらしい佇まいと穏やかな操舵性を獲得することを最も重要視している。
Z900RS Custom by BITO R&D
初代Z1が追求した「最高性能」と「機能美」にこだわった by MOTO CORSE
のちにカワサキと合流することになるビモータなど、高級輸入車のインポーターで、ドゥカティやビモータ、MVアグスタをベースに豪華パーツを贅沢にあしらったカスタムマシンを製作するビルダーとしても有名なモトコルセが手掛けたZ900RS改。代表である近藤氏のバイクライフのスタートはカワサキだったという。Zを手がけることは長年のテーマだったとし、こののプロジェクトに参画した。
パネルでは『気品漂うシックな一台。手掛けたのは、「性能」と「美」を追求し、独自のセンスを武器に数々のオリジナルパーツやコンプリートマシンを制作してきたモトコルセ。カーボン外装やカーボンホイール、それに精巧な技術から生まれたチタンエキゾーストシステムなど、さらなる軽量化と性能向上を目指しています。また、各部のチタンパーツやボルト、そして高品質なペイントやグラフィックなど、眺めているだけでも心躍る一台となっています』と説明。
フロントフォークはオーリンズ製のφ43mm倒立で、専用品のないZ900RSに合わせて長さを調節し、クランプも新たに製作して取り付けてある。最高のパーツをチョイスするモトコルセらしくホイールはBSTのカーボンホイールを装着。バネ下重量軽減で軽快なハンドリングを目指している。サイドカバーには「Z9RSC」とモトコルセとしてのマシン名も。フルチタンのエキゾーストシステムはワンオフ開発したもので、センター部分からサイレンサーまでパイプ径が拡大していくようチタンのシートから1枚ずつ切り出してそれをリング状に巻いて溶接したという究極の一本だ。
Z900RS Custom by MOTO CORSE
往年のレーサーをオマージュしたカスタム by ドレミコレクション
ライムグリーン×ブラックをまとったドレミのZ900RSは、かつてAMAスーパーバイク選手権で活躍した往年のレーサーをオマージュに製作されたカスタマイズモデルで、数々のカワサキ旧車の外装パーツを手がけてきた同社の技をこれでもかとばかりに投入。レトロな灯火類にZ2サイドカバーやテールカウル、精悍な4本出しマフラー、さらにはノーマルで前後17インチのホイールを前後とも18インチとするなど、フロント19&リヤ18インチのオリジナルZの姿に限りなく近づけた。
オリジナルZにさらに近づくサイドカバーやテールカウルはABS製で、同社のゼファー750用カスタマイズパーツをベースに作成。やはり、将来的には角Z系の三角形サイドカバーも再現可能だという。アルミ削り出しのラジエターガードにはオイルクーラーのように見せる工夫も。空冷エンジンであるオリジナルZへのリスペクトだ。エンジンにはダブルクレードル風に見せるダミーフレームを装着。これだけでグッとスタイルにシブみが増してくる。
ホイールにはMORRISの18インチマグネシウムホイールを前後に採用。サンスターのKRタイプブレーキディスクと相まって、往年のAMAレーサー的な雰囲気に満ち溢れている。4本出しマフラーはワンオフのオリジナル品。ユーザーからいち早い市販化を望む声が多く寄せられそうだ。リヤにはHYPER PROの車高調整機構付きサスペンションを装着。リモートアジャスタブルタイプでレーシーさが増している。
ヘッドライトとウインカーは一見ハロゲンタイプに換装してレトロ感を演出……と単純に思ったら大間違い。実はバルブはLEDとなっており、Z900RSの現代的な部分もしっかりとアピールしている。ヘッドライトケースはオリジナルZ1のものを加工して使っている。フォークカバーエンブレムもオリジナル風カスタマイズには欠かせない。ドレミオリジナルのアルミ削り出しトップブリッジにスーパーバイクハンドルバーとアルミ削り出しバーエンドを装着。ブレーキ&クラッチレバーとレバーガードはK-FACTORY製だ。
Z900RS Custom by DOREMI COLLECTION
2018年に欧州で公開されたカフェレーサーカスタム
カワサキフランスとMRS Oficina(フランス)がコラボ制作したもので、2018年10月に開催されたパリショー、翌11月のミラノショーで展示された。リヤ2本ショック化でシート下をスカスカにしているのが大きな特徴。ホイールはロトボックスのカーボン製だ。
Z900RS Cafe Racer Custom
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(Z900RSシリーズ)
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
SHOWAハイパフォーマンスシリーズキット体感試乗キャンペーン 東京都練馬区のK’s STYLE(ケイズ・スタイル)では、カワサキZ900/Z900RS用の高性能サスペンション「SHOWAハイパフォー[…]
※Z900RSの最新相場情報は記事末に掲載しています。 2018モデル:「Z900RS」デビュー! Z1/Z2へのオマージュ&“火の玉”の衝撃 2017年の東京モーターショーで鮮烈なデビューを飾ったカ[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
カワサキモータースジャパンは、2025年3月に開催予定の「第41回大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」、4月に開催予定の「第4回名古屋モーターサイクルショー 」[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
青ベース、白ベースそれぞれのツートーンが登場 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載(バーチカルは垂直に立ったシリンダーを指す)するW800は、360度[…]
カワサキ大排気量モデルの原点は、2026年モデルも普遍性を継承 目黒製作所の創立100周年だった2024年秋、「メグロK3」が初のデザインアップデートを受けた。2024年11月発売のメグロS1のカラー[…]
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
人気記事ランキング(全体)
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
ゼロハンが一番熱かった夏 多くの若者がバイクを愛し、GPライダーが同世代共通のヒーローとなった1970年代後半。 それでもフルサイズの“バイク”は、経済的理由や悪名高い“三ナイ運動”の影響からなかなか[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたヤマハ「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
既存の常識を打ち破る驚異的な動力性能 昨今ではあまり話題にならないものの、’70年代以降の2輪業界で、もっとも長く”世界最速”の称号を保持していた…と言うより、もっとも世界最速に”こだわっていた”メー[…]
最新の投稿記事(全体)
デザイン刷新&Eクラッチ採用の2024年モデルからカラーバリエーションを変更 ホンダは欧州で、2024年モデルのマイナーチェンジでデザイン変更とEクラッチ(Honda E-Clutch)搭載仕様の追加[…]
FLHTCUTG TRI GLIDE ULTRA:直感的にハーレーとわかる威風堂々のスタイル バットウイング・フェアリングを備える「トライグライドウルトラ」は、堂々たる装いと快適な乗り心地が楽しめるモ[…]
バイクを楽しむ人は、幾つになろうと、心は若者です。 夢への挑戦は、誰でも、一度は考えるでしょう。レースの世界でも頂点に立つ、華やかなステージでスポットライトを浴びる、新たなビジネスチャンスに賭ける、そ[…]
3Way仕様で秋から春まで使える高機能モデル:RY2003 ウィンターロングジャケット ワイズギアの2025-2026秋冬モデルとして登場した「RY2003 ウィンターロングジャケット」は、一着で秋か[…]
多岐にわたる仕様変更が行われた9年間 9年に及んだ生産期間中の仕様変更は多岐に及んでいる。ただしそのおもな目的は、最高出力や最高速の向上ではなく、扱いやすさや安全性に磨きをかけることだった。 1969[…]