
ホンダが欧州で「GB350S」を発表した。インドではCB350RS、日本などの地域では同名のGB350Sとして販売されているクラシックロードスターが、ついにGB350シリーズとして初めて欧州に進出することになった。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
ホンダは欧州で「GB350S」を発表。欧州では久々に『GB』の名が復活することになる。
標準モデルのGB350に対し、ややスポーティなアレンジがなされたGB350Sは、日本などでGB350S、最初に登場したインドではCB350RSを名乗っている。今秋には追加バリエーションのレトロモデル「GB350C」が登場したことも記憶に新しい。
そんな中、欧州へのGB350S導入が発表された。GB350およびGB350Cについては市場の反応を見てということかもしれないが、シリーズ発表当初より世界各国のディーラーから問い合わせがあったというだけに、待望の欧州デビューといえそうだ。
スペックについては、日本仕様の20ps/5500rpmから21ps/5500rpmへとわずかにパワーアップしている(計測方法の違いの可能性あり)ほか、保安部品の関連か外寸がわずかに異なっているが、ほぼ日本仕様を含むグローバルモデルを踏襲した数値になっている。
また、欧州スペック表記の特徴か、最高速度が114km/hと明記されているところも面白い。燃費は2.5L/100km(40km/L)だ。
シンプルなスタイルにロングストローク設定の空冷2バルブ単気筒エンジンを搭載し、スチール製セミダブルクレードルフレームにφ41mm正立フロントフォークといった車体まわりのスペックもグローバルモデルを踏襲。灯火類はすべてLEDで、アシスト&スリッパークラッチやホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)を搭載する。
HONDA GB350S[2025 EU model]
カラーバリエーションは日本と同じくパールディープマッドグレー、ガンメタルブラックメタリック、プコブルーの3色展開だ。英国における価格は3949ポンド(日本円換算約76万3000円・12/10現在)で、なんと2024年モデルのCB125Rの4699ポンド(約90万8000円)よりも安い。
さて、気になるのは欧州における排気量の概念だが、そもそも免許の種類は最高出力によって区分され、排気量は重要視されていない。ということもあって伝統的に350ccクラスよりも歴史的に500ccクラスのほうが支持を得やすい地域柄だ。
ということは、前述のようにワングレードのみ導入するのは今後また新たな展開を考えているのではないか、と見るのがヤングマシン的視点。その“別の展開”というのは、もちろんホンダが海外のいくつかの地域で商標を出願している「GB500」のことを指す。
詳しくは下記リンクを参照してほしいが、元々GB350のエンジンには500cc以上にボアアップできる余地が確保されている。
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
GB350シリーズは、おおらかでゆっくり走って楽しいエンジン特性を中核としたマシンコンセプトが支持を集めているが、回さずとも強いトルクで蹴り出し感を味わわせてくれる500ccクラスの心臓部が手に入れば鬼に金棒だろう。GB500については新しい情報が入り次第続報をお届けしたい。待ってますよホンダさん!
HONDA GB350S[2025 EU model]
車名 | GB350S |
全長×全幅×全高 | 2175×790×1100mm |
軸距 | 1440mm |
最低地上高 | 168mm |
シート高 | 885mm |
キャスター/トレール | 27°/120mm |
装備重量 | 178kg |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ |
総排気量 | 348cc |
内径×行程 | 70×90.5mm |
圧縮比 | 9.5:1 |
最高出力 | 21ps/5500rpm |
最大トルク | 2.95kg-m/3000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 5段リターン |
燃料タンク容量 | 15L |
WMTCモード燃費 | 40km/L |
ブレーキ前 | φ310mmディスク +2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ240mmディスク +1ポットキャリパー |
タイヤサイズ前 | 100/90-19 |
タイヤサイズ後 | 150/70R17 |
英国価格(参考) | 3949ポンド |
車体色 | 薄青、黒、灰 |
豊富な純正アクセサリー
欧州ホンダでは純正アクセサリーを豊富に用意する。“スタイルパック”と名付けたシリーズはエンジンアッパーパイプ、シングルシートカウル、アルミ製グリップエンド、ヘッドライトカウル、サイドタンクパッド、フォグライトをラインナップ。“トラベルパック”にはサドルバッグ&サポート、ナックルガード、ロングバイザーが揃う。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(GB350シリーズ)
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
「銀の弾丸」が示すスタイルと走りへの意思 フランス・ビアリッツのサーフ&バイクカルチャーの聖地「Wheels and Waves」フェスティバル2025は去る6月に行われた。欧州7カ国から選りすぐりの[…]
サスペンションカバーやディープフェンダーなど、外装はほぼ専用品の“C” ホンダは、2024年秋にブランニューモデルとして発売した「GB350C」にニューカラーを設定し、一部仕様も変更した2025年モデ[…]
8/1発売:ロイヤルエンフィールド「ハンター350」 2025年8月1日より受注を開始するのが、ロイヤルエンフィールドの新型「ハンター350」だ。注目すべきは、従来モデルから5万円以上の値下げが敢行さ[…]
2025モデル「GB350/S」が華やかになって新発売! 原点的なスタイルとそれにふさわしい味わい深い走りによって、年齢や性別を問わず、幅広いライダーに支持されている大人気バイク「GB350」シリーズ[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド 2018年デビュー以来、その美しいスタイリングと俊敏なハンドリングで世界を魅了してきたキャバレロは、今回の2025年モデルで「クオーレ・イタリアー[…]
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
新型CL500の進化が! 気がつけば長距離を走っているスクランブラー「CL500」がマイナーチェンジを果たして新登場します! ご存じかと思いますが、CLシリーズには250ccの「CL250」も存在しま[…]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
コンパクトで使いやすいワイヤーロック ヘンリービギンズの「デイトナ ワイヤーロック DLK120」は、質量約90gの軽量設計で、ツーリング時の携行に適したポータブルロックです。ダイヤルロック式のため鍵[…]
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
最新の投稿記事(全体)
ツーリングスポットに事欠かない南伊豆 南伊豆を存分に走り抜けたいなら、「県道16号下田石廊崎松崎線」は欠かせない。伊豆半島最南端の石廊崎へ続くこの道は、海岸線沿いの豪快な絶景海道。漁村が点在する東部の[…]
世界に羽ばたくカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON」 ZONは、吉澤雄一氏と植田良和氏によって2003年に設立されたカスタムファクトリーだ。彼らの真骨頂は、他に類を見ない高いデザイン力と[…]
軽さと安全性を両立した定番モデル プーマセーフティー「ライダー2.0 ロー」は、JSAA A種認定を取得した先芯合成樹脂を装備し、衝撃吸収機能を備えたメンズ用安全靴です。Amazonレビューは4.0([…]
コンパクトで携帯性に優れた携帯灰皿 「プルプラ クリップオンケース」は、ヒートスティック(加熱式タバコ)専用の携帯灰皿です。商品重量は約10gと非常に軽く、ポケットやバッグの隙間でも邪魔になりません。[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
- 1
- 2