一般公開を2024年11月7日から予定している世界最大の2輪ショー・EICMA(ミラノショー)にて、ホンダがビッグサプライズを用意している。1つは同社初となる電動のファンモデル。そしてもう1台は…従来のホンダ車には存在しない、まったく新しいエンジン搭載車だというのだ!! 今年度の最注目機種と言えそうなこのモデルを、ヤングマシンの情報網と妄想力(?)を駆使して大予想するぞ!!
●CG製作:SRD(不許複製/All rights reserved)
“STARS of EICMA”その実態を徹底予測!
ホンダは来たる2024年11月、世界最大の2輪車ショー・EICMA(ミラノショー)にて、2つのプロトタイプを発表する予定だ。ひとつはホンダ初となる電動のFUNモデル(=コミューターではないモーターサイクル的なモデルのホンダ流呼称)。そしてもうひとつは…新開発の、既存ラインナップにはないエンジンを搭載するモデルだという!
これは2024年7月にホンダが2輪メディア向けに開催した懇談会の場で、2輪部門の責任者である加藤 稔氏が明らかにしたもの。過去にも何度かWEBヤングマシンでもレポートしているが、その時の発言を要約すると次のような内容となる。
- 既存4エンジンのプラットフォームで効率よく機種展開してきたが、現在、新価値のものを仕込んでいる。
- 今年のミラノで電動ファンモデルのプロトタイプとともに、内燃機関の新しいものをチラ見せする。
ついに登場する電動ファンモデルも大注目だが、やはり本誌としては、ホンダがこのご時世に新開発する内燃機関車が気になって夜も眠れない(笑)。そこで本誌は、このモデルを“プロトK(カトウ)”と命名し、状況証拠や我々が掴んでいる情報から、その実体を徹底検証してみることにした。
プロトK=内燃機関らしさを満載した大型スポーツ?
プロトKの予想に際し、我々が最初に想起したのは“超高効率の過給エンジン”。理由は追って説明するとして、まずは加藤発言からプロトKのアウトラインに迫ってみよう。
まず、電動ファンとプロトKは、ホンダの今後を示唆する表裏一体のモデルと捉えるのが妥当だろう。電動ファンがホンダ渾身の初物とくれば、その向こうを張るプロトKは、内燃機関でしか演出できない楽しさを満載する1台となるはずだ。
次に前述した2.の発言について。これはメディアから、V4のモトGPマシンやリッターSSの将来を問われた際の回答。これを真に受けれは、プロトKはリッター級かそれに近い存在感を持つ、スポーツ性の高い機種という仮定も成り立つ。
同じく2.で加藤氏は“チラ見せ”と発言しているのも注目。ここから読み取れるのは、プロトKが現時点では大々的にお披露目できる状態にはなく、まだ開発途上だということ。発売もまだ先になるはずだ。
そんな状態でもミラノで披露するのは、プロトKが“夢”を見られる存在だからと考えたい。「これはスゴイ、待とう!」と思える魅力があればユーザーも発売を待ってくれる。実用的なエンジンや車両でそこまで引っ張ることはしないはずだ。
超高効率の過給エンジンで夢を見たい!
というわけで過給機なのだ。2輪エンジンに抱ける夢やロマンに、ターボやスーパーチャージャーがあるのは間違いない。その魅力の根幹は自然吸気ではあり得ないパワーだが、近年は燃費や効率向上の手段として採用されることも多い。次世代の内燃機関として環境性能も重視されるプロトKが、夢も脱炭素も両立させる“超高効率な過給エンジン”だとしたら…じつにホンダらしい、インテリジェンスあふれる選択と思えるのだ。
証拠もある。ホンダは 2019年にアフリカツインにスーパーチャージャーを装着した特許を出願、過給エンジンを研究していたのは間違いない。ターボでは表立った痕跡はないものの、4輪にはF1で蓄積した世界最先端のターボ技術があるはずだし、量産2輪で世界に先駆けてターボを実用化したヘリテイジも持っている。過給機ならエンジン本体を新開発するリスクも回避可能だ。
というわけでヤングマシンによる「プロトK予想」、その第一弾は過給エンジン。スパチャまたはターボで新たな価値を見せて欲しい!
スパチャ特許は出願済み
世界初の量産ターボはホンダ
近年ではスズキがチャレンジ
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型大型二輪 [401〜750cc])
日本でもCL250とともに2025年モデル導入と明言 ホンダは欧州で、エンジンとフレームの主要部分をクルーザーモデル「レブル500」と共有するスクランブラー「CL500」に鮮やかなニューカラーを設定し[…]
※タイトル写真は欧州仕様 デイタイムランニングライトにウインカーを統合 ホンダが新型「X-ADV」を国内でも正式発表。EICMA 2024で初公開されたもので、ヘッドライトまわりを含むフェイスリフトに[…]
完全なMTの「Eクラッチ」と、実質的にはATの「Y-AMT」 駆動系まわりの新テクノロジー界隈が賑やかだ。以前からデュアルクラッチトランスミッション=DCTをラインナップしてきたホンダはクラッチを自動[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
CB750/900Fと並んで進んでいた、ホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン! どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
最新の投稿記事(全体)
さすがはヨシムラ、参列者が超豪華! 1954年に創業し、今年で70周年という節目を迎えたヨシムラ。その歴史は常に“挑戦”とともにあった。巨大メーカーや乗っ取り、工場火災といった、目の前に立ちはだかる強[…]
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
どんなUber Eats配達員でも必ず持っている装備といえば、スマートフォン。これがなければ、仕事を始めることすらできません。 そんなスマートフォンですが、太陽が強く照っている日に使うと画面が真っ黒に[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]