
カワサキモータースジャパンは、W800をベースにスペシャル装備を施した「メグロK3」の2025年モデルを9月1日に発売した。燃料タンクのグラフィックが変更され、ホイールリムがブラック仕上げになったほかは従来モデルを踏襲している。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
メグロS1と共通イメージのタンクデザインへ
目黒製作所の創立100周年となる今年、最新モデルのメグロK3が初のデザインアップデートを受けた。昨秋のジャパンモビリティショー2023で参考出品されたメグロS1(W230ベース)のカラーリングと共通する燃料タンクのデザインになり、ホイールリムをブラック仕上げとしたほかは従来モデルを踏襲している。発表当初は燃料タンクのデザイン変更のみがアナウンスされたが、黒仕様のホイールについての情報が追加されたのでお伝えしたい。
新しくなった燃料タンクのグラフィックと、ブラック仕上げになったホイールリムが2025年モデルの特徴。
メグロK3は、往年のメグロK2などのデザインを現代に蘇らせて2021年の初登場して以来、2024年モデルまでデザインは不変。2022年モデルでは令和2年度排出ガス規制に適合して型式指定・認定番号を変更し、これに伴いWMTCモード燃費は21.1km/L→20.9km/Lと、わずかに数値が変化したが、外観は変わらないままここまできていた。今回のデザインアップデートでさらなるファンを獲得しそうだ。
なおメグロK3は、1か月点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償で受けられる「カワサキケアモデル」であり、ABS、グリップヒーター、センタースタンド、ETC2.0車載器、ヘルメットロックを標準装備している。
カワサキ大排気量モデルの原点は、1924年創業で高性能・高品質を掲げたメグロ
メグロK3という車名は、1924年に創業した目黒製作所が1960年代に川崎航空機株式会社に吸収されたのちに生産された、カワサキ「500メグロK2」の後継モデルであることを意味している。500メグロK2は「メグロ」のブランド名を冠して発売された最後のビッグバイクであり、のちにカワサキ・W1の元となってカワサキの4ストローク大型スポーツバイクの礎となっていったもの。その500メグロK2以来、55年ぶりのニューモデルとなるメグロK3は、直接的な子孫ともいえるW800からの原点回帰モデルとして登場する。
とはいえ、スタイリングはあくまでも往年の『メグロ』を前面に押し出しながらも、先進の技術を投入している。その象徴ともいえるのが、高度な技術が必要な銀鏡塗装とハイリーデュラブルペイントを組み合わせた燃料タンクの表面処理だ。これはデザイン変更された2025年モデルも変わらない。
そして、ベベルギヤによるカムシャフト駆動という複雑な機構をあえて採用した360度クランクの空冷バーチカルツインエンジンは、ベースとなったW650(1999年登場)から幾度かのリファインと排気量増大を経て、最新の令和2年排出ガス規制に適合している。
エンジン&車体スペックはW800をベースとしたもので、ホイールサイズは前19/後18インチを装着。車重はW800よりも1kg増の227kgとなっている。また、シート高はW800と同じ790mmだが全幅は925mm。ハンドルバーは大きく手前に引かれた幅広タイプで、いわゆる往年の“殿様乗り”仕様だ。
車体色は深みのあるエボニーを基調に、フロントフェンダー、リヤフェンダー、フロントフォークアウターチューブ、リヤサスペンションカバー、ハンドルバー、タンデムグリップ、ヘッドランプボディ、ヘッドライトステー、テールランプブラケットは、艶ありブラック塗装。また、ステンレス製メーターリングは黒色酸化皮膜処理で金属の質感を強調し、フューエルタンクにはミラーコートブラックを採用し、部位ごとに色調が変化するように使用素材に合わせた表面処理方法を選択している。
マフラー、スロットルボディカバー、エアクリーナー入口のリング、チェーンカバー、フューエルタンクキャップ、前後ターンシグナルランプボディ、テールランプボディ。さらにブレーキペダル、ミラー、ヘッドライトリム、オイルフィルターカバーはクロムメッキを採用。黒塗装とクロムメッキの好対照で、メグロならではの落ち着いたカラーリングに仕上がっている。またホイールリムは、軽快さを印象づけるシルバーアルマイトから2025年モデルで黒く引き締まった印象を与えるものに変更された。
このほか、スピードメーターパネルとサイドカバーに刻まれた“メグロ”のロゴや、空冷バーチカルツインエンジンを特徴づけるベベルギヤカバーには、ワンポイントの赤を配すことでMEGURO K3の個性を際立たせている。
KAWASAKI MEGURO K3[2025 model]
KAWASAKI MEGURO K3[2025 model]ミラーコートブラック×エボニー(GY1)
KAWASAKI MEGURO K3[2025 model]ミラーコートブラック×エボニー(GY1)
KAWASAKI MEGURO K3[2025 model]ミラーコートブラック×エボニー(GY1)
車名 | MEGURO K3 |
型式 | 8BL-EJ800E |
全長×全幅×全高 | 2190×925×1130mm |
軸距 | 1465mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 790mm |
キャスター/トレール | 27.0°/108mm |
装備重量 | 227kg |
エンジン型式 | 空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 773cc |
内径×行程 | 77.0×83.0mm |
圧縮比 | 8.4:1 |
最高出力 | 52ps/6500rpm |
最大トルク | 6.3kg-m/4800rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式5段リターン |
燃料タンク容量 | 15L |
WMTCモード燃費 | 20.9km/L(クラス3-2、1名乗車時) |
タイヤサイズ前 | 100/90-19 |
タイヤサイズ後 | 130/80-18 |
乗車定員 | 2名 |
価格 | 140万8000円 |
発売日 | 2024年9月1日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(W800シリーズ)
青ベース、白ベースそれぞれのツートーンが登場 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載(バーチカルは垂直に立ったシリンダーを指す)するW800は、360度[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
2019年モデル:2本立てで復活 一時は2017年モデルのファイナルエディションを最後に、一部マーケット(インドネシア等)向けを除き、生産が終了していたが2019年モデルから国内でも復活。 空冷773[…]
2025年モデル概要:インパクト大なシリーズ初カラー カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載。360度クランクによる鼓動感や等間隔爆発ならではの整ったエ[…]
カワサキW800(2020) 試乗レビュー この記事では、レトロな見た目と味わい深いエンジン特性が魅力的なカワサキのW800の2020年モデルについて紹介するぞ。 [○]フロント19インチの味わい。こ[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
それぞれホイール色も異なるカラー展開 カワサキがZ650RSの2026年モデルを発表した。カラーバリエーションは2色とも新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリッ[…]
デザイン刷新&Eクラッチ採用の2024年モデルからカラーバリエーションを変更 ホンダは欧州で、2024年モデルのマイナーチェンジでデザイン変更とEクラッチ(Honda E-Clutch)搭載仕様の追加[…]
スーパースポーツ譲りのエンジンと幅広いシーンに対応する車体 CB1000Fは、ホンダの代表的なプロダクトブランド「CB」のフラッグシップモデルと位置づけられている。 スーパースポーツモデルのエンジンを[…]
多くのカラーパターンを採用するCB350C、特別な2色のスペシャルエディション ホンダはインドでCB350C(日本名:GB350C)を発表した。これは前年に登場したCB350を名称変更したもので、従来[…]
青ベース、白ベースそれぞれのツートーンが登場 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載(バーチカルは垂直に立ったシリンダーを指す)するW800は、360度[…]
人気記事ランキング(全体)
90年代の魂を注入! アールズギア×TSR「ネオクラシック・レベリオン」 CB1000Fコンセプトを大胆にカスタムした「Neo-Classic Rebellion CB1000F Concept Mo[…]
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
F1の英雄アイルトン・セナとドゥカティから続く熱い絆 セナとバイクのつながりが最初に報道されたのは、おそらく1990年のことでしょう。当時、ドゥカティのオーナーだったクラウディオ・カスティリオーニが8[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
最新の投稿記事(全体)
「動きやすいレインウェアを」という発想 「ROM(ロム/レッドバロンのオリジナルバイクギアブランド)」ライディングレインスーツの面白いところは、耐水圧20,000mm、透湿度20,000g/ m2・2[…]
Honda純正オイルは新ブランド「Pro Honda」へ Hondaのバイクのエンジン性能を100%発揮させる純正オイルが、2025年4月より新ブランド「Pro Honda(プロホンダ)」として生まれ[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
Kaedear スマホホルダー用サンバイザー KDR-V1-M-BK Kaedearのサンバイザーは、Xなどで寄せられたライダーの要望を反映して設計された製品です。日差しによる画面の見にくさやスマホの[…]
- 1
- 2