
※2024年3月にWEBヤングマシンで大きな反響を呼んだ記事をあらためて紹介します。こちらは第3位の記事です(初公開日:2024年3月11日)。
「バイクはクルマとは違って、オービスに引っかからない」…こんな噂を耳にしたことがある人もいるかもしれません。はたしてこの噂は本当なのでしょうか。また、なぜバイクの場合はオービスに引っかからないと言われているのでしょうか。
●文:ヤングマシン編集部(Peacock Blue K.K.)
バイクはオービスに引っかかることはない!? ウワサの真相とは…
「オービス(速度違反自動取締装置)」とは、速度違反を自動で検知し、証拠となる写真を撮影する高度なシステムのこと。オービスのカメラは、とくに速度違反が頻繁に発生する高速道路/主要道路に設置されており、違反車両を効率的に特定するために設計されています。
そんななか、昔から多くのライダーの間で、「オービスが2輪車には効果がない」という話が噂されてきました。
この噂は本当なのでしょうか。警視庁の交通相談コーナー担当者は、バイクのオービス検知について次のように話します。
「オービスは、違反車両のナンバープレートやドライバーの顔を撮影し、それを基に違反者を特定する仕組みです。バイクの場合、前方にナンバープレートがない上、ライダーの顔もヘルメットで隠れているため、オービス単独での特定は難しいと言えます」
つまり、オービスでバイクの速度超過を取り締まることは難しいようです。しかしこれは、オービスがバイクに対して完全に無力であるということを意味しません。
速度違反は道路交通法によって禁じられており、違反した場合、厳しい罰則があります。
たとえば一般道での30km/h以上の速度超過では、違反点数6点/30日間の免許停止/6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される場合があります。また、重大な違反に対しては刑事責任が問われ、前科が残ることもあります。
オービスによる取り締まりは、速度超過の取り締まり方法のひとつにすぎず、違反の取り締まりには白バイ/パトカー/定置式の速度取締装置など、オービス以外にも多くの手段が存在します。
バイクがオービスで直接的に取り締まりにくい状況であったとしても、違反行為が完全に見逃されるわけではありません。実際に、過去にはオービスによって撮影された画像を基に、悪質なライダーが後日逮捕された例もあるようです。
これらの例からも、オービスがバイクに対して無力ではないことが明らかであり、実際に撮影された場合はその画像から犯人を特定することも可能と言えます。
また、オービスから逃れやすいからと言って、決して安心して違反を犯してよいという意味ではありません。ねずみ取りや白バイによる追跡、オービスによる画像の撮影といった多角的な取り締まりが存在するため、ライダーは常に法令を遵守し、安全運転を心がける必要があります。
速度違反は、単に罰則を受けるリスクだけでなく、自身や他人の命を危険に晒す行為であり、オービスやそのほかの交通取締装置は、私たちの安全を守るために設置されているのであることを忘れてはいけません。
「バイクがオービスに引っかからない」というウワサに惑わされることなく、ライダーひとりひとりが法規を守り、安全な運転を心がけることが大切です。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(交通/社会問題)
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題 上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。 高度経済成長期には大規模[…]
「令和4年改正道路交通法(マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習)ポスター」から抜粋 免許情報が記載された「マイナ免許証」は便利に使える? 運転免許証とマイナンバーカードが一体化[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
大切なバイクのメンテナンス バイクや乗用車に限らず、どんな乗り物でもメンテナンスは必要不可欠です。定期的にメンテナンスを行うことで、長く乗り続けることができるだけでなく、事故を防ぐことにもつながります[…]
人気記事ランキング(全体)
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
バイクライフを変えるスマートナビ「AIO-6シリーズ」 「AIO-6シリーズ」は、従来のバイク用ナビゲーションシステムが「道案内」や「車載モニター」に限定されていたのに対し、4G通信技術を搭載している[…]
昔の日本で大型輸入車に乗れるのは非常に限られた人だけ 現在の日本では様々な輸入車が当たり前のように走っているけど、昔は世界で1番厳しいとされた認証型式の取得や車検制度という高い壁があり、日本を走る外車[…]
完全に消える? それとも復活する? ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し、唯一無二[…]
バイクは性能だけじゃない。大胆に温故知新を貫いた 1馬力でも高く、0.1秒でも速く…。1980年代後半、そんな熱狂にライダーは身を焦がしていた。レースでの勝利を至上命題にしたレーサーレプリカが世に溢れ[…]
最新の投稿記事(全体)
ヤングマシン電子版2025年7月号 [特集] バイク界の近未来を斬る! The Times They Are A-Changin’時代を変えるべく、さまざまなテクノロジーや新モデルが発表されています。[…]
トランクレス仕様が廃止された「ツアー」のみのラインナップに 1975年に初代ゴールドウイングGL100が誕生してから40年以上が経ち、2018年のフルモデルチェンジではフロントにダブルウィッシュボーン[…]
ホンダCBR600RR(2020) サーキット試乗レビュー 戦闘力と乗りやすさの最適バランスがここに 最後のモデルチェンジから7年ぶり! ホンダCBR600RRも控えめながらウイングレットを装備し、電[…]
[1989] ZR400-C1:爆発的ネイキッドブームを創出 1989年4月25日発売 ZR400-C1主要諸元 ■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 46ps/11000rpm 3.1[…]
「バイクのスプロケットの交換タイミングはいつなんだろう?」 これは、バイク仲間や先輩、バイク屋さんやバイク雑誌などでも昔からとずっと語られてきたことで、今ではインターネット検索すればいくらでも情報が出[…]