イタリアのMBP Moto(モト ボローニャ パッシオーネ モト)は4月18日、同じくイタリアの歴史的なブランド「モルビデリ」を買収することを発表した。今後、125~1000ccのロードバイクと125~500ccのスクーターをラインナップするという。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:MBP Moto
1970年代にWGP125cc・250ccでタイトルを獲得したモルビデリ
モルビデリの名を久しぶりに聞いたという方も多いことだろう。最近はもっぱらレーシングライダーのフランコ・モルビデリ選手の名で聞くことが多いものの特に関連性はないようで、すっかり歴史に埋もれてしまった感もある。
そんなバイクメーカー、モルビデリの名をMBP Motoが復活させるという。歴史あるブランドを買収したMBP MotoはKeewayグループの傘下にあるイタリアのブランド。Keewayは中国QJモーターサイクルの欧州ブランドで、1999年にハンガリーで設立されている。
MBP Motoのリリースによれば、ペーザロに本拠地があったモルビデリを買収することで、MBP Motoの本拠地であるボローニャに「Centro Stile Morbidell(セントロ スティレ モルビデリ)」が誕生するという。
今後、モルビデリのラインナップは125~1000ccのロードバイクと125~500ccのスクーターで構成され、2025年前半から電動バイク/電動スクーターも投入する予定だ。
モルビデリの創立者であるジャンカルロ・モルビデリは1934年生まれ。当初は木工工作機械の会社を設立したが、自社の工場にある小さなワークショップでグランプリモーターサイクルを作り上げた。そして1968年、モーターサイクルのモルビデリが誕生。翌年よりロードレース世界選手権(WGP)への参戦を開始した。
1971年に50ccクラスで最初の勝利を挙げると、1975年~1977年にかけて125ccクラスでライダータイトルとコンストラクタータイトルを獲得。1977年には250ccクラスでもライダーとコンストラクター両方でタイトルを獲得している。その後1979年に4気筒500ccで最高峰クラスに参戦したが成功を収めることはできず、1982年にレース活動を停止した。
1992年に発表したV8エンジン搭載のロードバイクも、WGP参戦終了後にモルビデリの名が知られるきっかけとなった。コスワースF1エンジンに由来する850ccのスーパーツアラーで、1994年から12台の限定シリーズとして生産された模様だ。
1999年、ジャンカルロはペーザロにバイクミュージアムを設立し、世界でも重要な博物館のひとつとなったが、2020年に彼の死を受けて閉館している。
今後はMBP Motoとモルビデリを合併することでブランド名を『モルビデリMBP』とし、革新性、クラフトマンシップ、情熱、そしてイタリアのスタイルという4つの柱でラインナップを構築していく。
最初の製品を見ることができるのは2024年秋のEICMAになるだろうか。
Morbidelli 写真ギャラリー
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
株式投資の本当って何? 株式投資とは、簡単に言ってしまえば「株を売り買いしてお金をふやすこと」です。この売り買いには2つのパターンがあって、短期(1日とか1週間とか)で売買する方法と、企業の成長に寄り[…]
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
全国から70名を超えるベネリスタがバイカーズパラダイスに集結 1911年に生まれた、イタリア伝統のメーカーであるベネリ。現在はボルボ、ロータスなどを傘下に収めるGEELYの資本参加を受け、「新生ベネリ[…]
読者のみなさん、どうも初めまして! ちょっと古めのバイクと女の子の組み合わせをメインに描いてる、イラストレーターのすらくすと申します。すごいクリエイターやバイク乗りの方々から回ってきたバトンということ[…]
2024 MotoGP日本グランプリが開幕(10/4) FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が主催する世界最高峰の二輪レース「2024 MotoGP™ 世界選手権シリーズ」の第16戦・日本グランプリ[…]
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
水冷GVシリーズのGV125S/GV300Sに加え、250モデル×3機種を追加 ヒョースンモータージャパンは、新型水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV250」シリーズ3機[…]
スタイリッシュな250ネイキッドでのキャンプツーリング記 夏の早朝。日が出る前に、ボクはブリクストンがリリースする「クロムウェル250」で走り始めた。スチール製セミダブルクレドールフレームに空冷250[…]
ライダーを様々な驚きで包み込む、パニガーレV4S 5速、270km/hからフルブレーキングしながら2速までシフトダウン。驚くほどの減速率でNEWパニガーレV4Sは、クリッピングポイントへと向かっていく[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
水冷GVシリーズのGV125S/GV300Sに加え、250モデル×3機種を追加 ヒョースンモータージャパンは、新型水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV250」シリーズ3機[…]
最新の投稿記事(全体)
株式投資の本当って何? 株式投資とは、簡単に言ってしまえば「株を売り買いしてお金をふやすこと」です。この売り買いには2つのパターンがあって、短期(1日とか1週間とか)で売買する方法と、企業の成長に寄り[…]
江戸回廊とは、千葉県流山本町にある行灯が灯る町並みのこと 利根川と江戸川を結ぶ、全長約8.5kmの利根運河は人工の河川で、オランダの技術者ムルデルの力を借りて、明治23年(1890年)に開通しました。[…]
みなさんこんにちは、靴磨きしながら愛車のヤマハボルトで日本一周中のいとです! まだ暑さが残る日も続いていますが、涼しい日も多くなり、ツーリングシーズン到来となりました。この時期のおすすめは、なんといっ[…]
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
全国から70名を超えるベネリスタがバイカーズパラダイスに集結 1911年に生まれた、イタリア伝統のメーカーであるベネリ。現在はボルボ、ロータスなどを傘下に収めるGEELYの資本参加を受け、「新生ベネリ[…]
- 1
- 2