
国内最大級のバイクの祭典、東京モーターサイクルショー。その第51回が2024年3月22~24日に東京ビッグサイトにて開催されました。東京モーターサイクルショーといえば、国内外から30社近くの車両メーカーが集い、さまざまなバイクを見て触れる貴重な機会です。本記事では、バイク歴10年の現役ライダーである筆者(高木はるか)が気になった車両5選をご紹介します!
●文/写真:ヤングマシン編集部(高木はるか)
【高木はるか】バイクに乗るのが楽しくて仕方がないアウトドア系ライター。“つよく、しぶとく、たくましく”をモットーに、バイクとキャンプをこよなく愛する。愛車は、ヴェルシス650/クロスカブ110/スーパーカブ90/ハイゼットジャンボエクストラ。身長156cm。
[その1] ヤマハXSR-125
「XSR-125」は、2023年10月に発表された125ccの原付二種車両。ネオレトロなデザインと可愛い見た目からは想像できないスポーツ性能が人気な、XSR900/XSR700の弟的存在です。
実物を見て驚いたのは、想像よりも車格が大きく感じられたこと。第一印象では250ccクラス以上に見えるし、パーツの隅々から高級感も感じられます。「125ccでいいや」と妥協するのではなく、「XSR125だからこそ欲しい」と指名をされるような存在感を放っていました。
純正オプションのフェンダーレスキットやカスタムシートなどを取り付けた「Y’s Gear Original Style」
それもそのはず。この車両の販売価格は税込50万6000円。他メーカーの原付二種車両が30〜40万円ほどに収まっているのに対して、頭ひとつ抜けた高級バイクなのですから…!
身長156cmの筆者の場合、足つきはつま先立ち。
車両重量が137kgと軽いし、余裕で乗れそうだなと思った時、ふと給油口の上に貼られた注意書きに気が付きました。
なになに?「シート高を約20cm下げるキットを装着しています」ですって!?
うぅーん…、本当に125ccとは思えないサイズ感ですよね!
[その2] ロイヤルエンフィールド ブリット350
2023年9月に発表されたばかりの「BULLET350」。読み方は「ブリット サンゴーマル」だそうです。
新しいモデルではありますが、その原型となったバイク「ブリット」は、1933年に誕生した伝統的な車両なのだそう。
その面影は細かいデザインに残されており、まん丸なヘッドライトの上にバイザーが取り付けられた、クラシカルな佇まいが特徴です。
そういえばライトバイザーって、通称「ピヨピヨ」って言いますよね。なんででしょう?
コックピットはツルッとしたデザイン。キーシリンダーと対称の位置にロイヤルエンフィールドのロゴが配置されている点に、「さすが!」と言いたくなるようなセンスを感じちゃいますね。
驚くべきポイントは、タンクに入っている銅色のライン。一般的にはステッカーで処理されることが多い箇所ですが、なんとこのブリット350の場合は、4人しかいない専門のペインターがフリーハンドで描いているのだそう!
よく見ると、ラインに筆の跡が残っているんです! 自分だけの1台というだけでも所有欲が満たされますが、古き良き職人の技術が生きているバイクと考えると…もうトキメキが止まりませんね!
身長156cで足つきはこんな感じ。やや背伸びといったところでしょうか。
[その3] ハスクバーナ スヴァルトピレン250
2024年にモデルチェンジとなった「SVARTPILEN(スヴァルトピレン)250」。正直に言うと、筆者自身はこれまでハスクバーナの車両にまったく縁がなかったのですが、会場に置かれていたピレンを見て「カッコいい!」と興奮してしまいました。
一体どこが気になったかというと…、全体的に漂う都市的で洗練された雰囲気と、鎧のように重厚でマッチョな印象を受けるエンジンまわりの間にある大きなギャップ。
特徴的な形状のタンクカバーやロゴは、都市的で洗練された印象を受けます。
カシオの腕時計を思い出すような、そっけなくも機能美にあふれるモノクロ液晶にもヤられました。ふだんの筆者なら断然アナログメーターが好きですが、こんなデジタルメーターなら大歓迎!
また、夜の道に映えそうなグラデーションと奥行きを持つテールランプも、高級感があって素敵でした。
残念ながら足つき写真を撮り忘れてしまいましたが、身長156cmで足つきはギリギリ。それでも車両重量154kgと軽くスマートな車両なので、慣れればスイスイ取り扱えると思います。
インプレッションがまだそれほど出回っていない車両なので、今後の情報集めが楽しみですね!
[その4] イタルジェット ドラッグスター
個性派スクーターの代表格といえば、イタルジェットの「DRAGSTER(ドラッグスター)」。ふだんは一切実車を見る機会がないのですが、モタサイの会場で見かけるとつい「スゴい構造だなぁ!」と目を奪われてしまうのです。
まずはイタルジェットの一番の特徴である、むき出しのトラスフレーム。
いやぁ、いつ見ても本当に斬新ですよね。奥にはエンジンまわりやタンクまでもが露出していて、とてもスクーターの側面には見えません。日本では2000年代にスケルトンが流行りましたが、それすらも上回る大胆さです。
跨ったままふと視線を下に向けると、足と足の間に真っ赤なフロントサスペンションが見えるのだから、さらに驚いちゃいます!
どうやらこのドラッグスター、見た目だけではなく、乗り心地もかなり癖があるという噂。デザインに引っ張られて一切乗り味が想像できないので、いつかはコレでツーリングに出かけて体感してみたいものです!
[その5] マットモーターサイクルズ マッシュマン250
メーカーとしては初めて日本のモーターサイクルショーに出展した、イギリスのマットモーターサイクルズ。
まるで昔の映画に出てくるようなスクランブラースタイルの「MUSHMAN(マッシュマン)250」に自然と目が行き、「あれ? こんなバイク知らないぞ?」とブース内へ吸い込まれました。
近くでまじまじと観察をしてみると、なるほどこのバイク、とてもシブいんです。マットグリーンのタンクは鈍く光り、中央よりも右寄りに配置された給油口があまりにもオシャレ。
おまけにノーマルの状態からタンクパッドやレザー&スチールのタンクラックといった、誰もが憧れるロマンなアイテムが取り付けられているという豪華っぷり。
そして、クラシカルな曲線美が感じられるタンクまわりとは対照的に、コックピットやエンジン回りはメカ感があって無骨。誤解を恐れずに言うと、とても男らしい色気に包まれているのです。
足つきは、身長156cmで余裕のほぼベタ付き。取り扱いも超余裕だし、このバイク、けっこうガチで欲しいかも…!
高木はるか的モタサイまとめ
ということで、以上が東京モーターサイクルショーで個人的に気になったバイク5選でした。
こうして並べてみると、自分の好みの傾向が見えてなんだか恥ずかしいですね。どうやら私は、バイクの機械的な美しさにロマンを感じているようです。
少しでも気になるバイクがあれば、跨って乗車感覚を確かめられるのがモーターサイクルショーのよいところ。直近では4月5~7日に名古屋で開催されるので、近くにお住まいの方はぜひ覗きに行ってみてください。
バイクとの出会いは運命。ひょっとすると跨った瞬間に「ビビッ!」とくるような、将来の愛車との出会いが待っているかもしれませんよ!
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