去る2023年12月13~14日、神奈川県松田町のキャンプ場にて、ワークマンがクリエイター向けにキャンプ製品体験イベント「WORKMAN CAMP EXPO ~わくキャン!~」を初開催。ここでは、来春に発売予定という新作キャンプギアの先行サンプルが多数展示されていたので、その中の主だった製品と、現在までに判明している情報についてお伝えしたい。
YouTuberやインスタグラマーなどキャンプ系クリエイターが多数参加
2022年2月以降、キャンプギアのラインナップ拡充に注力しているワークマン。これまでにアンバサダーをはじめ、YouTuberやインスタグラマーなど、各方面で活躍しているクリエイターを対象とした製品発表会を何度か開催してきたが、基本的には会場が屋内であることが多く、特にテントやタープなど大型アウトドアギアについては、使用感やサイズ感が分かりづらいという問題を抱えていた。
「実際に屋外で試して、使い心地をリポートしたい」という、多くのキャンプ系クリエイターの声を受けて、このたび初めて開催されたのが「WORKMAN CAMP EXPO ~わくキャン!~」だ。招待されたのは全部で17組。使用してみたいギアをあらかじめワークマンから自宅へ配送してもらい、それを各自の交通手段でキャンプ場に持ち込んで実際に1泊する。これにより携行サイズから設営手順の良し悪しまで、使用感を細かくチェックできることになり、キャンプ系クリエイターにとっては願ってもないイベントと言えるだろう。
参加したクリエイターの中には、現地からライブ配信していた強者も。また、すでにYouTubeをはじめ各SNSで情報を発信している人も多くいるので、ワークマンのキャンプギアが気になっている方は、ぜひ検索してチェックしてみてほしい。
ここからは、わくキャン!にて公開された新作キャンプギアを順に紹介しよう。なお、展示されていたのはあくまでも先行サンプルであり、発売までに仕様が変更される可能性があることをご了承いただきたい。
発売延期→中止となった幻の四角い真空コンテナがいよいよ!
2021年に発売されるや否や、保冷&保温力の高さから大ヒットとなったのが「フィールドコア・真空ハイブリッドコンテナ」だ。断熱性に優れる真空構造を採用しており、1900円という安さも手伝って争奪戦状態に。翌2022年は本体が樹脂カバーで覆われたデザインとなり、アウトドアテイストが一気に高まった。価格は2500円にアップしたものの、前年度以上に売り上げを伸ばす。そして2023年は、容量を約4.6Lから約5Lへ増やした「真空ハイブリッドコンテナL」へと進化し、価格は2900円へ。聞くところによると、今夏は猛暑日が続いたため、店舗によっては作業着や一般アパレルを差し置いて売り上げトップになった月もあったというから驚きだ。
そんな快進撃を続ける真空ハイブリッドコンテナのバリエーションモデルとして、2022年に先行サンプルがお披露目されたのが「スクエア真空ハイブリッドコンテナ」だ、その名のとおり形状を円筒形から直方体としたもので、当初は2022年12月発売予定としてアナウンスされた。しかし諸般の事情によって延期が度重なり、ついには発売そのものが中止となってしまったのだ。ワークマンのオンラインストアには、商品ごとに入荷したことを購入希望者にメールで知らせるリクエスト機能があり、スクエア真空ハイブリッドコンテナについてはその申し込み数がケタ違いだったというから、それだけ待ち望んでいた人が多かったということだ。
発売中止という苦渋の決断をしたあとも、実は水面下で開発を続けていたという。中止に至った理由の一つとしては断熱ムラが挙げられ、特に四隅の保冷&保温力が落ちやすく、想定したデータがなかなか出せなかったようだ。そうした数々の難問をクリアし、いよいよ来春には発売できる目処が立ったという。円筒形の継続モデルよりも重量がおよそ2倍に増えてしまったため、その重さに耐えられるようにハンドルのピボットにはステンレスを採用。価格については、当初は4900円と発表されていたが、おそらく5800円ぐらいになってしまうとのこと。とはいえ、円筒形よりも使い勝手がいいことは明らかであり、発売されれば大ヒット間違いなしだろう。
ライダー向けじゃね? 軽さを追求したチェアとコットも発売予定!
続いて紹介するのは、軽さを追求したというローチェアとコットだ。ワークマンのキャンプギアはエントリー層向けが中心で、軽量コンパクトにこだわったウルトラライト系はポケットストーブやカトラリーなど、ごく一部の製品に限られていた。今回展示されていたローチェアとコットは、どちらもワークマンで過去最軽量だった製品の重量を下回る予定とのことで、できるだけ荷物を軽量コンパクトにしたい我々のようなキャンプツーリング派にとっては、願ってもない製品と言えるだろう。
なお、価格については、過去最軽量のアルミローチェアが2500円、BASICアルミローコットが5800円だったので、そこから仮に1~2割上がったとしても、市場に出回っている製品よりはコストパフォーマンスで上回るはずだ。
インナーテントを単品販売!? 他社製品とも組み合わせられるだと?
先にも記したように、ワークマンのキャンプギアはエントリー層向けが中心となっているが、そうした層がアウトドアという趣味にハマり、人とは違うスタイルを求めるなどキャンパーとして急成長するケースは少なくない。ワークマンでは以前からTCサバイバルタープ(9800円)の売れ行きが好調で、これを使っている人の中にはテントのようにフルクローズできるように張り、そこで一晩過ごすという「タープ泊」に興じている強者も。そんな中~上級者向けに開発されたのが、フルメッシュのインナーテントだ。
垂直に立てたポールに吊り下げるタイプで、フロアのデザインは長方形。特徴的なのは、長辺と短辺の両方に出入り口が設けられていることだ。これによりレイアウトの自由度が高まり、TCサバイバルタープだけでなく、他社のテントやタープとの組み合わせも可能となっている。これまでテントについてはオールインワンパッケージでの販売を基本としてきたワークマンだけに、単品販売されるインナーテントは新たなステップを象徴する製品と言えるだろう。
ポンプで設営!? エアフレーム採用のパップテントが登場するかも
2023年の秋冬に発売されたテントの中でも、人気集中により即完売となったのが「耐久撥水スクエアシェルター」という製品だ。いわゆるパップタイプの1~2人用テントで、前室が広く作られており、アレンジが自在というのが最大のポイントだ。
第2ロットを生産するにあたり、「設営が難しい」という意見を反映して開発されたのが、ポールの代わりにエアフレームを採用したこの先行サンプルだ。形状やサイズ感は現行の耐久撥水スクエアシェルターとほぼ同じで、違いは内側のエアフレームぐらい。先に外周をペグダウンしたあと、バルブから専用ポンプで空気を送り込むこと1~2分で、簡単にテントが立ち上がる仕組みだ。バルブ形状は特殊だが、インフレータブルカヤックなどの変換アダプターなどを使えば、タイヤ用の電動ポンプが使用できる可能性も。製品の仕様や価格も含め続報を待ちたい。
人気のフルタングナイフにブラウンバージョンが追加されそう
最後に紹介するのは、2023年6月に発売された「KANUCHI OUTDOOR」フルタングナイフのカラーバリエーションだ。岐阜県関市の職人が手作りしており、3900円という安さも手伝って大人気となったこのナイフ。現行モデルはシース(収納ケース)、ハンドルともブラックだが、展示されていたのはどちらもブラウンという先行サンプルだ。ハンドルの合板の染めが難しいため、どこかのタイミングで少量を流通するというスタイルになる模様だ。なお、価格はブラックと同じ3900円。店頭で見つけられたらラッキーだろう。
コロナ禍の収束によりキャンプブームも下火になったと言われる昨今だが、それでもなお攻めの姿勢を緩めないワークマン。年明けにはさらに詳しい情報が解禁になる予定なので、乞うご期待!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ワークマン)
1分でわかる記事ダイジェスト ワークマンのマッスルブースターセーフティをご紹介。筋力アップを目的としたものではなく、今ある筋肉が効率的に使えるようになる。電車などでゆられても体全体の骨格バランスをサポ[…]
どうも、アイキョウです。今日はワークマンのメッシュジャケットをパンツを紹介します。これらは数年前から販売されていますが、毎年少しずつアップデートが施されているところが見逃せません。筆者も微力ながら先輩[…]
どうも、アイキョウです。今日はワークマンの防水シューズハイバウンスレインをご紹介します。 ワークマンシューズ限定で販売されているトレックシューズアジムが注目されていますが、全国で40店舗ぐらいしか取り[…]
どうもアイキョウです。 今日は2024年梅雨に向けてライダーにお勧めしたいワークマンのレインウェアを3着紹介したいと思います。 今年はホンダとワークマンのコラボレインウェアが一番の話題になっていて、僕[…]
開会セレモニーではワークマン小濱社長やモデルの加藤ナナさんも登壇 タープいらずの前室付きワンポールテントが展示されていた! ワークマンと富士スバルとのコラボによる「ドライブ×キャンプエリア」に、見慣れ[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
CB750/900Fと並んで進んでいた、ホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン! どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発[…]
チェーンの張り調整が必要なのは、チェーンが徐々に伸びるからだけど…… バイクのチェーンのメンテナンスといえば「清掃・潤滑」と「張り(あそび)のチェック」。まず、チェーンを長持ちさせるには清掃や潤滑をマ[…]
最新の投稿記事(全体)
さすがはヨシムラ、参列者が超豪華! 1954年に創業し、今年で70周年という節目を迎えたヨシムラ。その歴史は常に“挑戦”とともにあった。巨大メーカーや乗っ取り、工場火災といった、目の前に立ちはだかる強[…]
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
どんなUber Eats配達員でも必ず持っている装備といえば、スマートフォン。これがなければ、仕事を始めることすらできません。 そんなスマートフォンですが、太陽が強く照っている日に使うと画面が真っ黒に[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
- 1
- 2