●文:ヤングマシン編集部(佐藤寿宏)
ライダーは大久保光と亀井雄大が決定、さらに交渉を進める
日本の新規チーム、Team Étoile(チームエトワール)がEWC世界耐久選手権に10年計画を掲げて2024年からフル参戦を開始することを12月15日(金)にチームリリースで発表した。このチームは、オーナーの市川貴志を中心に、メカニックの曽根健太郎、レーシングライダーでもあり、ライディングスクールなども主催している佐藤太紀という3名をコアメンバーにチームを一から立ち上げ、フランスのル・マン近郊のテロシェにヨーロッパでの拠点を、東京江戸川区に日本の拠点を置き、ライダーは大久保光と亀井雄大を起用する。
まだ決まっているのは2人のみだが、他のライダーと交渉中だと言う。マシンはBMW M1000RRをセレクトしSSTクラスにエントリーする。特定メーカーに依存せず、自由にマシン、パーツを選べる方針だ。まずはSSTクラスで完走を果たし、将来的にはEWCクラスで優勝を狙えるチームに成長していきたいと語る。またライダーのみならず、メカニックやチームクルーなどの人材の育成も目的の一つとしている。1年目は日本人のみだが、徐々にフランス人などヨーロッパ人を加えていく計画だ。
フランス語のチーム名に込めた想い
「Team Étoile/チームエトワール代表の市川です。この度、2024年シーズンからFIM 世界耐久選手権(EWC)にフル参戦することを発表できたことを大変うれしく思っています。ご協力いただいている皆様に感謝申し上げます。エトワールとはフランス語で“星”という意味です。若いころに料理人を目指していたときにフランス・リヨンのミシュラン星付きレストランで修業した経験から、いつか“星”をつけた名をつけたいという思いからきています。チームロゴは日本とフランスの国旗を重ね、両国をつなぐ活動をすることをイメージしています。世界で活躍できる若い人材を送り出し、日本からEWCに参戦する仲間を増やしたい。我々の活動を通じてモータースポーツに興味を持ってもらうきっかけを作り、24時間耐久ロードレースの魅力を発信していきます。皆様の応援、ご協力をお願い申し上げます」とチーム代表の市川。
市川は、料理人を目指した時期もあり、フランスのミシュラン星付きレストランで修業した経験を持っている。そのころから、いつかフランスに戻って来たら“エトワール(フランス語で星という意味)”という名をつけて活動をしたいと思っていたところからチーム名は来ている。チームロゴも日本とフランスの国旗を重ねたデザインとなっており、両国をつなぐ活動をイメージしている。
ライダーの大久保は「日本のチームが新たにできてFIM 世界耐久選手権(EWC)に参戦すること自体、すごいことですし、そのライダーとして市川代表にお声がけいただいたことを光栄に思います。10年という長いスパーンを見据えてスタートするチームに関わらせていただけるので、ボク自身が鈴鹿8耐はもちろん、ル・マン24時間、ボルドール24時間を走ってきたことを始め、これまで9年間ヨーロッパで活動してきた経験をレースはもちろん、Team Étoile/チームエトワールの活動全体で生かすことができればいいなと思っています。チーム体制、バイクをしっかり作ってル・マン24時間での開幕戦を迎えられるようにしていきます」とコメント。
「まずはお声がけいただいた市川代表に感謝いたします。10年計画という、しっかりとしたビジョンを持っているチームにスタートアップから携われることを大変うれしく思うと同時に世界耐久という新しい挑戦にワクワクしています。初めてのマシン、初めてのタイヤとなりますが、これまでの経験を活かしチームに貢献できればと思っています。改めて市川代表を始めチーム、各スポンサーの皆様のご協力のおかげで参戦がかないました。本当にありがとうございます。全力で頑張ります!」と語るのは、新たなチャレンジとなる亀井。
2人ライダーは決まっているが、大久保は、スーパースポーツ世界選手権に参戦することを決めておりEWC開幕戦ル・マンと鈴鹿8耐はスケジュール的に参戦できなくなってしまった。ただ、複数人と交渉中となっており、年内にはル・マンのメンバーが決まる予定だ。AI技術も積極的に取り入れ、戦略に役立てていくなど、新チームながら日本のレース界に大きな影響を与える存在になりそうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(レース)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
機密事項が満載のレーシングマシンたち バイクムック”RACERS(レーサーズ)”は、「いま振り返る往年のレーシングマシン」がコンセプト。それぞれの時代を彩った、レーシングマシンを取り上げている。 現在[…]
ポイントを取りこぼしたバニャイアと、シーズンを通して安定していたマルティン MotoGPの2024シーズンが終わりました。1番のサプライズは、ドゥカティ・ファクトリーのフランチェスコ・バニャイアが決勝[…]
プロジェクトの苦しさに相反する“優しい雰囲気” 全日本ロードレース最終戦・鈴鹿、金曜日の午前のセッション、私はサーキットに到着するとまず長島哲太のピットの姿を撮りに行った。プレスルームで初日のスポーツ[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)は2025年1月1日付で、新たなマネージングダイレクターに玉木一史氏が就任することを発表した。玉木氏は、2024年12月31日をもって退任・[…]
連続シリーズ「カワサキ水素大学」の第5弾 「カワサキ水素大学」は、カーボンニュートラル社会の切り札とされる水素エネルギーへの、川崎重工グループとしての取組み方を紹介しつつ学ぶという動画。モデルの、トラ[…]
世の中は忘年会シーズン真っ只中。あっちに行ったりこっちに行ったりと、一次会や二次会などで都心を駆け回るビジネスマンをよく見かける。でも、忘年会の会場が駅や会社から離れた場所にあるときは、移動が面倒…。[…]
持ち株会社を設立し、ホンダと日産、さらに三菱自動車も加わる? ホンダと日産が経営統合するという話が、12月18日からTVのニュースやワイドショーで大きく取り上げられています。 両社は、今年の3月に自動[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
- 1
- 2