![[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#1〈バイク活用の理由と現状〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/ym2312-099-01-highschool-student-issue.jpg)
モビリティの運用について、学校教育現場はどう考えるべきなのか。長年バイク通学を許可し、学内で原付免許が交付され、バイクの部活「二輪車競技部」があることでも知られる熊本県立矢部高等学校の緒方宏樹校長に尋ねた。(※以降、敬称略)
●文:ヤングマシン編集部(田中淳磨)
【熊本県立矢部高等学校校長:緒方宏樹さん】1965年生まれ。担当教科は農業で、矢部高校は初任以来2度目の勤務となる。高校生の時に原付免許を取得し、年末年始は郵便局で年賀状集配のアルバイトをしていた。また、若い頃にはマウンテンバイクにものめり込み、2輪に親しんだ。
学校安全計画のもと、生徒が様々な危険に対して考えて行動できるよう教育
――バイク通学許可の高校が多い熊本県ですが、その中でも矢部高校の特徴について教えてください。
緒方:他の高校と比べると山間部にあるので、交通手段の確保が難しいんです。そういう意味では、昔からバイク通学が当たり前にあった地域なので、バイクに乗ることに抵抗感はないかなと思います。ただ、多少なりとも事故等々はあるので、そこをどう捉えるかですね。熊本市街に近づくほど、基本的に“乗らせない/取らせない”という傾向が強く、郡部に行くほど「交通手段として大事だね」というところはありますね。
――そういった特性をふまえて、矢部高校の教育方針、特に安全教育における考え方や活動概要について教えてください。
緒方:本校では“乗せて指導する”というやり方をずっと続けています。最近はバイクの免許を取りたい生徒には取らせるという方針です。基本的には通学だけということが多いですが、普段の生活も含めてバイクという交通手段をいかに活用するかを指導しています。授業としては難しいのですが、ホームルームなど特別活動の一部として、交通に関して教えています。
学校経営案の中に「学校安全計画」を立てており、交通安全のほか、生活上の安全と防災関係も含めています。熊本地震や水害もあって、本校も敷地の一部が土砂災害の危険区域になっています。安全教育に関しては、色々な場面で生徒が危険に対して考えて行動できるよう教育を行っています。
そういった一連の計画のなかに、交通も入っています。たとえば、4月の「安全な通学について」に始まり、課外/個別指導などで自転車/バイクの通学許可/登校指導/通学状況調査など、各月ごとに何かしら交通に関する取り組みを行っています。
――他の県立高校と比べて、安全教育の内容は濃いのでしょうか?
緒方:そう思います。私もいくつかの学校を回ってきましたが、交通関係は多いですね。バイクにまったく関係のない高校はそういう教育が少ないのが現状です。
――矢部高校の生徒は事故や違反が少ないとか、マナーが良いとか、そういう傾向はありますか?
緒方:免許を取っている割合は格段に多いので、事故や違反の数だけを見ると、一定量はあると思います。単純に本人の不注意によるものや、もらい事故もあります。まったく免許を持っていないところはほぼゼロになるので、それからするとバイクに乗せているぶんだけリスクはありますが、それにしては少ないと思います。
――他の学校や教育委員会からはどういう見方をされていますか?
緒方:あまり知られていないかもしれませんが、他県の学校の先生に取り組みについて聞かれたり、高専や専門学校から規約を教えてほしいと言われて、内容を送ったりすることも何件かあります。新規でバイク通学を始めるという学校には参考にされているようです。
――バイク通学可能な距離が短くなったとのことですが?
緒方:生徒からの要望もあって、2023年から2km程度になりました。保護者や生徒への定期アンケートでは4kmくらいが平均でしたが、2022年に調査したところ2kmという結果もあって、現在の規定になりました。いま、校則の見直しが進んでいるという経緯もあります。
――通学申請できる距離が短くなるとバイク通学者が増えると思いますが、指導法はどうでしょうか?
緒方:基本的には免許を持っている生徒全員にバイクの点検や安全教育を行っているので、バイク通学許可を出していない生徒でも点検の時は全員がバイクに乗ってきます。実技講習会の時も乗ってくるので、受講者数は今まで通りですね。(続く)
明治29年に開校し、矢部実業補習学校から数えると今年で128年目を迎える。「自ら気づき考え行動する」が教育スローガンだ。
バイク置き場は、壁面や屋根もある立派な造りだ。ナンバープレートベースや各部のステッカーから、同校の生徒であることがひと目でわかる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事([連載] 2輪車利用環境改善部会)
1.千代田区にはどんなバイク駐車場があるのか 前編でお知らせした通り以下の7つの実例について紹介する。 ①歩道を切り下げての区営自動二輪駐車場 ②首都高1号上野線高架下の区営自転車等駐車場 ③JR高架[…]
1. “本丸”東京都の中でも最も重要な自治体「千代田区」 東京都はバイク駐車問題の“本丸”なんて言い方をよくされる。「東京都で改善できれば…」「東京都でモデルケースを作れれば…」全国の都市部にも良い影[…]
201409081219 1. 連絡会議のまとめ【第3回 2026年3月24日】 2025年5月から始まった「市街地における自動二輪車等の駐車スペース確保に係る関係省庁連絡会議」(以降、連絡[…]
1. 国交省がバイク駐車に関する連絡会議を設置 2025年5月、国土交通省は、バイクの駐車スペース確保に関する施策推進に役立てることを目的に、関係行政機関相互の連携のもと、関係省庁を横断する[…]
1. 高校生と“先生”への原付バイク講習会 2025年12月18日(木)、群馬県前橋市の群馬県総合交通センター(運転免許試験場)において「令和7年度 公立高等学校・中等教育学校(後期) 二輪[…]
人気記事ランキング(全体)
打倒BMWを掲げ、レース仕様の190Eの開発がスタート 1980年代、ハコ車のレースでヨーロッパを席巻していたのはM3を投入したBMWでした。2.3リッターの直4から2.5リッターへと進化させるなど「[…]
Screenshot 真夏のツーリングを終えて帰宅すると、暑さと疲れから「早くバイクをガレージにしまいたい」と思うものです。しかし、走行直後のバイクには虫汚れが付着していたり、発汗によるヘルメットやジ[…]
記憶の底に眠る「あの相棒」たちとの再会 かつて、我々の心を鷲掴みにし、熱狂の渦へと巻き込んだ名作たちがある。熱狂的なスーパーカーブームを牽引した『サーキットの狼』。主人公・風吹裕矢が駆る「ロータス ヨ[…]
ゴールドフレームが魅せる圧倒的色気! 2026年型との違いは「骨格」にあり! 「250ccクラスのネイキッドなんて、どれも似たようなものだ」などと侮るなかれ。今回発表されたカワサキのZ250の2027[…]
600台が夢を追った”アマチュアの甲子園”と彼女たちの夏 1980(昭和55)年にスタートした「鈴鹿4耐ロードレース」は、またたく間にバイクブームに沸く若者たちの情熱の受け皿となった。1980年代後半[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダーの「欲しい」を凝縮!5つのハイパー進化ポイント 大ヒット作「WIDE/REST(ワイドレスト)チェア」の進化版となる『WIDE/REST ハイバックチェア』が新発売!バイク乗りのツボを熟知した[…]
滑らかシフトダウンにプロレーサーも嫉妬!? スポーツランドSUGOで開催された全日本ロードレース選手権の今季初レースを、表彰台圏内まで一歩届かず4位で終えた直後、最新モデルのCB750 HORNET […]
ナンバープレートを利用して積載力アップ! リアシートやキャリアだけでなく、ナンバープレート周辺を荷掛けポイントとして活用できるのがタナックスの「プレートフック」シリーズ。ツーリングネットやバッグの固定[…]
三重SA・PA推しテイクNo.1が決定! 今夏の全国推しグルメもまとめて 鈴鹿8耐やF1日本グランプリが鈴鹿サーキットで開催される三重県。その三重県のサービスエリア/パーキングエリアの店舗を対象に、中[…]
EVビジネススクーター「ギアレヴ」発売 ヤマハを代表するビジネススクーター「ギア」のDNAを受け継ぐ原付一種EV「ギアレヴ」と「ニュース ギアレヴ」が、先月17日に発売された。ホンダ製着脱式バッテリー[…]
- 1
- 2

![熊本県立矢部高等学校|緒方宏樹校長|[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#1〈バイク活用の理由と現状〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/ym2312-099-02-highschool-student-issue-768x768.jpg?v=1701930908)
![熊本県立矢部高等学校|[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#1〈バイク活用の理由と現状〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/ym2312-099-03-highschool-student-issue-768x512.jpg?v=1701930913)
![熊本県立矢部高等学校|[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#1〈バイク活用の理由と現状〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/ym2312-099-04-highschool-student-issue-768x512.jpg?v=1701930919)






























