
カワサキは11/7に開幕したミラノショー(EICMA)で、451ccの並列2気筒エンジンを搭載するニンジャ500/Z500を世界初公開した。ベースは日本国内の400ccクラスで1、2を争う人気車のニンジャ400とZ400。ということは…日本仕様400もこの姿に転生する?
●文:ヤングマシン編集部(マツ)
最高出力は同値ながら、低中速域を大幅増強
カワサキはミラノショーにて、2024年のニューモデルとなるニンジャ500/Z500を公開した。ベースは日本でも人気のニンジャ400とZ400で、エリミネーター450に搭載され一足先に北米などで販売中の451ccエンジンを新たに搭載、外観デザインや装備もアップデートしている。
エンジンはニンジャ400用の398cc並列2気筒のストロークを51.8mm→58.6mmに延長、排気量を52cc拡大したもので、これに合わせてクランクシャフト(図ではクランクマスが増えたように見える)やバランサーシャフトも最適化。欧州仕様の場合、45ps(日本仕様は48ps)のピークパワーは変わらないが、最大トルクは3.8kg-m→4.3kg-mにアップし、中低速域の加速やレスポンスを改善。最高出力と最大トルクの発生回転数もそれぞれ1000rpm/2000rpm下げられている。クラッチは強化され、1次減速はロング化された。
785mmのシート高は不変で、1375mmのホイールベース(ニンジャ400は1370mm)や24.5°/92mmのキャスター/トレール(同24.7°/92mm)といった数値も大差はなく、ニンジャ250と共用のスチールパイプ製トレリスフレームは、41mm径の正立フォーク、310mm径のFダブルディスクといった足回りを含め継続採用されている。
しかし、ペータルタイプだったブレーキディスクは前後とも真円型となり、Fマスターシリンダーは高剛性な新型になるなど細部を熟成し、前後サスペンションもリセッティングされピッチングを抑制。車重は上級仕様のSEで171kgと、従来型欧州仕様の3kg増となっている。
KAWASAKI Z500(2024model)
ともにヘッドライトは新形状LEDに。メーターもNEWだ!
ヘッドライトは、ニンジャ500は2023モデルのニンジャZX-6Rから採用が始まった新プロジェクター/リフレクタータイプLEDを採用。アッパーカウルやテールカウルも新デザインだ。Z500は同時発表のZ7ハイブリッドと共通の3連LEDヘッドライトを採用し、ラジエーターシュラウドなどが新作に。ニンジャ/Zともに、全体的な印象は従来型を継承しつつブラッシュアップされている。
アナログ回転系+モノクロ液晶だったメーターは、STDグレードはこのニンジャ500/Z500から採用が始まった新形状のフルカラー液晶に進化。ブルートゥースを介してスマホ接続が可能で、カワサキのスマホアプリ「RIDEOLOGY THE APP」を活用すれば、様々な機能を利用できる。
SEとSTDの2グレード展開は従来型同様
ニンジャ/Zともに設定される上級グレードのSEには、ZX-10R/6R/4Rなどに採用されている、より高機能なTFTフルカラー液晶タイプを採用。LEDウインカーを標準装備するのもSEの特徴だ。また、ニンジャ500はスマートキーが標準となり、Z500ではアンダーカウルがオプション設定されるのも、SEとSTDの相違となる。
車体色は、ニンジャ500はSTDが黒、SEが緑、グレーの全3色展開。Z500もSTDが黒で、SEは赤✕黒、緑✕黒の同じく3色展開。この500は免許制度の関係から国内導入の可能性は低いかもしれないが、2024モデルのニンジャ400/Z400に同様の改良が施されるのは確実だろう。期待して待ちたい!
ニンジャ500のカラーバリエーション
KAWASAKI Ninja500 SE(2024model):Lime Green/Ebony
Z500のカラーバリエーション
KAWASAKI Z500 SE(2024model):Candy Persimmon Red / Metallic Flat Spark Black / Metallic Matte Graphene Steel Gray
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ニンジャ400/KRT)
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ:カワサキ「ニンジャ400」【2018モデル】 発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベース[…]
長年愛されたKRTエディションが廃止 2025年モデルの発売は、2025年4月26日。2023年モデルと同様に、令和2年排出ガス規制適合を受けた2022年モデルのスペックを引き継ぐ形で登場した。 ニン[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
ダーク系カラーに異なる差し色 カワサキモータースジャパンは、ニンジャ250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したフルカウルスポーツ「ニンジャ400」の2025[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
最新の関連記事(Z400)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
ニンジャ400と同日発売のストリートファイター カワサキモータースジャパンは、Z250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したストリートファイター「Z400」の[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
人気記事ランキング(全体)
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
最高のハイバランス600ccマルチ! 今回ご紹介するカワサキGPZ600Rは、1985年6月1日に66万9000円(限定1000台)で発売されました。 1980年代半ばといえば400ccクラスが人気の[…]
前輪荷重多めでスポーティーなPG-1 ヤマハPG-1の現地向けプロモーションビデオは、往年のスズキ バンバンやドゥカティ スクランブラーシリーズを連想させる、アクティブ&ポップなテイストで構成されてい[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
最新の投稿記事(全体)
機能性を損なうことなく利便性を高めた、期待の新製品 おたふく手袋は、長年、多くのプロフェッショナルから信頼され続けている老舗軍手メーカー。同社が展開する「BODY TOUGHNESS(ボディタフネス)[…]
「究極のエネルギー」太陽光のみで活動が可能 HelioX「AGAO(アガオ)」は、電源コンセントや充電コードに頼らず、太陽光のみで充電&走行が可能なマイクロモビリティ。 2023年7月1日施行の改正道[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
1980年代、バイクに情熱を注ぐ若者たちを魅了し、今なお語り継がれる伝説のバイク漫画『バリバリ伝説』がグラフィックトートバッグとして蘇る。 主人公・巨摩 郡(こま ぐん)の熱い走りと仲間たちとの絆、そ[…]
2025年10月末をもって現行50ccバイクの継続生産ができなくなることを受け、各バイクメーカーは50cc原付から110~125ccを出力4kW以下に制御した新基準原付、いわゆる新原付の導入に向かうこ[…]
- 1
- 2