ガソリン車でいうと500cc、750ccの2気筒系に相当するEVを投入していく
9月の記者会見では、’24年~’25年にかけて、日米欧向けに大型のFUN(ホンダでいうところの趣味的スポーツバイク)EVも3モデル投入すると発表された。
「’24年から’25年にかけて、FUNモデルも手掛けていきます。ただ、想定してるのはまだ高出力っていうところまではいかない、中出力系ぐらいなところで、イメージしているのはいまのガソリン車で言うと500とか750の2気筒系。スーパースポーツではないけれど、日常使いも含めて、コミューターとは一線を画すスポーツモデルです」
発表後の質疑応答で、野村二輪事業部長による水素燃料は主流にならないだろう、という発言もあった。
「もちろんCN燃料を否定するのではないんですが、CN燃料っていうのはある一定の領域、例えば航空機であるとか、あるいは最近よく言うeVTOL(電動垂直離着陸機)みたいなものはなかなか100%電動にはならなくて、そこにはCN燃料が間違いなく使われていくと想定しています。逆に言うと陸上を走るものについては、インフラの観点で見ても、いったん(バイク・クルマが)電動に動き始めていくと、例えばガソリンスタンドのようなCN燃料スタンドが、経済合理性も考えると果たしていろんな国々で本当に担保できるのかという難しさがあると思います。
一部で水素エンジンなんていう話もありますが、液体水素に換えなければ航続距離も含めてなかなか実用にならないでしょうし、NOxの処理の問題もあります。現状では、ホンダとしては水素燃料は最良の選択ではないという認識です。
とはいえ、我々はフューエルセル(FC=水素を燃料とする燃料電池車)を長年やってきて、長距離輸送のトラックとか、大型の自家用車では有効だとは思っていますから、選択肢のひとつとしては持っておきたいと思っています。
ただ、水素を含むCN燃料そのもののコストも含め、全体が電気で走る乗りものが前提になる中で、インフラ整備もそちらに動いていくでしょうから、電動化が必然的にグローバルに浸透していくっていうのが、いま我々が思っている前提ですね。
とはいえ、バッテリーのいまのコストを含めて考えると、簡単には電動に置き換わらないとも思います。たとえば、アジアにおけるコミューターは現在は15万~20万円くらいですが、電動にすると単純に倍くらいになっちゃうと思います。ただ、車両代+ガソリン代、車両代+電気代というトータルコストで比較すると、いまは5年くらいでふたつのコストの線がクロスします。それを例えば3年とか、いかに短くしていけるか。そういうチャレンジングな要素がまだまだありますけど、(ガソリン主体)戻っていくことはないんだろうなと思います。ただ、そのスピードは分からなくて、’40年代半ばに100%電動って言ってはいますが、ひょっとするともっと早くなったり、’50年代になるかもしれない。そこはまだ、なんともですね」
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